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17.過去のイメージ
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俺のことを疑問に思うジンとかいう男を押し切って、俺はリリアと二人、事件現場である小屋の方に向かった。
全力疾走というわけではないが、結構な速さで走る。
「着いてこられるか?」
こちらを心配するリリア。
「大丈夫!」
返事をする俺。事実、体力的にはまだ余裕がある。
村の外れまで来て、山道に入る。
坂道を登りながら、リリアが口を開いた。
「だけどさ、何でついてくるの?」
「やらなきゃいけないことのような気がしたんだ」
俺は正直に言った。
「ジンのお守りを取り返すのが?」
「モンスターとかで困ってる人を助けるのが、かな」
「ふーん?」
リリアはそれ以上追求をしてこない。
今言ったことは、俺の実感だった。
(俺は、かつてそういう事をしていたはずだ)
なにか目的があって旅をしていた。
そして、あちこちの土地で、モンスターのせいで困っている人を助けていた。
そんな、記憶とも言えないようなイメージが、確かにあった。
(そして、俺は一人ではなかった)
誰かがいつも俺のそばにいた。
それがどんな人物だったか、それは今は思い出せないけど――。
しばらく山道を進み、小屋を通り過ぎたあたりで、リリアが何かを見つけた。
「あった。ゴブリンの血の跡だ。まだ新しいからこれで間違いないね」
リリアが指さしたのは、言われないとわからない程目立たない痕跡だった。
俺はリリアのそのスキルに感心した。
「どっちに逃げたかは?」
「分かるさ。少し向こうに血の跡が続いてる。向こうだ」
「了解」
「気をつけなよ。もういつ、敵の攻撃が来るかも分からないぐらいの気持ちでいたほうがいい」
「気をつける」
(いつ攻撃が来るかわからない、か。だったら)
俺は心の中に念じる。
(経験加速チート、オン)
世界の色が僅かにオレンジ色を帯びる。
「あれ?」
リリアが変な声を出した。
「どうしたの」
「あたし、目がおかしくなった? なんか、いろんなものがオレンジ色に見える」
俺は少し驚いたが、同時に何か脳裏に甦る記憶があった。
「大丈夫、それは俺の力の一端だよ」
「な、なんだよそれ」
「オレが女神様にもらった力。その状態の時は、少しの戦闘経験で大きく成長できる。すごく『筋がいい』状態になるのさ」
「そ、そうなのか?」
「ああ」
間違いないはずだ。
俺のこのチート能力は、一緒に冒険する仲間と共有できるものだったはずだ。
全力疾走というわけではないが、結構な速さで走る。
「着いてこられるか?」
こちらを心配するリリア。
「大丈夫!」
返事をする俺。事実、体力的にはまだ余裕がある。
村の外れまで来て、山道に入る。
坂道を登りながら、リリアが口を開いた。
「だけどさ、何でついてくるの?」
「やらなきゃいけないことのような気がしたんだ」
俺は正直に言った。
「ジンのお守りを取り返すのが?」
「モンスターとかで困ってる人を助けるのが、かな」
「ふーん?」
リリアはそれ以上追求をしてこない。
今言ったことは、俺の実感だった。
(俺は、かつてそういう事をしていたはずだ)
なにか目的があって旅をしていた。
そして、あちこちの土地で、モンスターのせいで困っている人を助けていた。
そんな、記憶とも言えないようなイメージが、確かにあった。
(そして、俺は一人ではなかった)
誰かがいつも俺のそばにいた。
それがどんな人物だったか、それは今は思い出せないけど――。
しばらく山道を進み、小屋を通り過ぎたあたりで、リリアが何かを見つけた。
「あった。ゴブリンの血の跡だ。まだ新しいからこれで間違いないね」
リリアが指さしたのは、言われないとわからない程目立たない痕跡だった。
俺はリリアのそのスキルに感心した。
「どっちに逃げたかは?」
「分かるさ。少し向こうに血の跡が続いてる。向こうだ」
「了解」
「気をつけなよ。もういつ、敵の攻撃が来るかも分からないぐらいの気持ちでいたほうがいい」
「気をつける」
(いつ攻撃が来るかわからない、か。だったら)
俺は心の中に念じる。
(経験加速チート、オン)
世界の色が僅かにオレンジ色を帯びる。
「あれ?」
リリアが変な声を出した。
「どうしたの」
「あたし、目がおかしくなった? なんか、いろんなものがオレンジ色に見える」
俺は少し驚いたが、同時に何か脳裏に甦る記憶があった。
「大丈夫、それは俺の力の一端だよ」
「な、なんだよそれ」
「オレが女神様にもらった力。その状態の時は、少しの戦闘経験で大きく成長できる。すごく『筋がいい』状態になるのさ」
「そ、そうなのか?」
「ああ」
間違いないはずだ。
俺のこのチート能力は、一緒に冒険する仲間と共有できるものだったはずだ。
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