オーバーパワード! ~最強勇者と最強魔王~

正島まさし

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18.ゴブリンたち

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 森の奥の方に進んでいると、それは突然飛んできた。
 石つぶてだ。
「うおっ!」
 何かが飛んできた、そう認識してから体を動かす時間はほんの一瞬しかない。
 俺は身をすくめ、鉄の剣を前にかざすことで辛うじて石つぶてを弾くことができた。
 ちなみに、剣は出発するときにリリアのものを借りている。

「大丈夫か!」
「大丈夫!」
 俺は元気良く答える。

 ちょっと格好良くない防御だったが、とにかく無傷ですんだし、なにより。

(もう、喰らわない)
 その自信ができていた。
 俺のチート能力により、すでに100回以上石つぶての回避練習を行った経験が、俺の脳と肉体に刻まれている。

「複数いる、来るぞ!」
 リリアが俺に警告する。
 俺は剣を構える。
 一瞬後。

「キキーッ!」
 猿のような声を上げながら、二匹のゴブリンが茂みを突き破って姿を見せた。
 緑色の肌をした醜い小人モンスター。
 姿を現したなり、また石つぶてを投げつけてくる。

 俺は俺の方に来た石つぶてを余裕を持って剣で弾く。
 リリアもそんなものは問題にしていないようだった。

「お前たち! 盗んだお守りアミュレットを返せ! そうすれば痛い目に合わなくて済むぞ!」
 リリアは説得する作戦のようだ。
「こいつら殴っちゃってもいい?」
 俺はリリアに聞く。
「怪我するなよ!」
「了解」
 一匹のゴブリンが、爪を振りかざしてこちらに飛びかかってくるのを、俺も迎え撃つべく剣を振り上げる。
 俺の剣、ゴブリンの爪、ともに空を切った。
 戦闘中だと言うのに、俺はなんだか可笑しくなった。

(俺もゴブリンも、腰が引けてたのかな)
 両者ともに臆病で、攻撃の踏み込みが足りなかった、そう考えられた。
 だが、これで俺は攻撃の経験を得た。ひっかき攻撃に対する回避も。

 完全に戦闘能力でゴブリンを上回った俺は、もはや敵であるゴブリンに憐れみを感じている。
 攻撃しないでいるとゴブリンはまた爪で引っ掻こうとしてくる。
 俺は、

 パチン!

 剣で軽くその爪を叩いてやる。

 目を丸くして驚くゴブリン。なんだか愛嬌のある顔にも見えてくる。
 今のはなにかの間違いだろうと思ったのか、もう一度違う角度からひっかき攻撃。

 パチン!

 同じように、剣で爪を叩く。
 ゴブリンの顔に紛れもない恐れの表情が張り付く。
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