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私の特技見つかりました
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「鈴音、これでどうだ? 種植えたりとかしやすくなると思うが……大きさは大丈夫そうか?」
片手に鍬を持った山吹が此方を振り返りながら、出来上がった畑の出来を確認する。
「……はい! 素敵です! これならハーブを育てたり出来ますね」
「花は育てなくてもいいのか?」
「ハーブとか、お野菜とか色々やってみたいです! それに、お花は月花が玄関付近に沢山あるじゃないですか」
「……そうか、ならいいんだ。もし花も育てたかったら、花壇も作るから言ってくれ」
衣装と指輪を注文した翌日。
今二人がいるのは家の裏手だ。
家の周りをまともに見たことは無かったが、先程までは草原のようになっていたそこに立派な畑が出来上がっている。
鈴音のハーブを育てる環境が欲しいという希望により、山吹が耕したのだ。
神様に耕させたのか。
と思うだろうが山の神なだけはあり、一時間経たずに終わった。
なんでも土が勝手に柔らかくなってくれて、すぐに耕せるのだとか。
……農家の方々が羨ましがるだろう。
更には家のすぐ脇に川が流れているので、水も汲んできやすい。
畑の周りは少し開けているため、陽当たりも良好。なんと素晴らしい立地条件か。
アラーニャの郁麻に貰った種は数種類入っていて、どれもが育てやすいものだと簡単な育て方が書いた紙も入っていた。彼は細かい気配りが完璧だ。
早速、出来上がった畑へと種を撒く。
--と。
「…………山吹さん。あの、今植えた種が……もう、芽を出しました。……あ、もう葉になりました」
今植えたばかりなのにも関わらず、畑の畝からは瑞々しい二つの葉が土の下から顔を出している。
少し離れたところにある木々よりも、青々として艶めいている。
「………………なんでだろうな?」
「山の神様の力とかそういう訳では無いのですか……?」
「…………俺の加護はそこに働くのか。せめて 鐐 みたいに……鈴音を護る方に加護が働いて欲しかった」
この速度なら数週間で育ちそうだ。
山吹はとても残念そうで、多分悔しいのだろう。少し拗ねているようだ。
「山吹さん、私この加護好きですよ? ……だって、平和的で素敵じゃないですか! ……それに、こんなに葉が艶々してるので、きっと凄く美味しいハーブができますよ。……ね?」
「……まあいいか。というか、まだ水やってないだろう? 汲みに行くか」
すぐ側にある川へと、山吹お手製である木の桶をもち水を汲みに行く。ちなみにこの桶は鈴音を拾う前に作っているものである。
「ここのお水すごく綺麗ですね。……ほんのり冷たい」
「山頂の一部に雪が残ってたんだろう。雪解け水だから冷たいんだ。……落ちないよう気をつけてくれ」
「風邪引いちゃいそうですからね……落ちないよう気をつけます! …………あ、お魚がいます。結構大きいのも泳いでるんですね」
割と深さがあるのだろう。
様々な大きさの魚が泳いでいるのが見える。
……それだけ水も透き通っているという事だ。
割と上流よりなのか、川辺は大きめの石もごろごろと転がっていてかなり足場は悪い。
特に川の近くの石は濡れていて、かなり滑りやすそうだ。
転ばないように注意されるのも頷ける。
これは注意していても転けそうだ。
川を覗き込むとすぐそこに光を反射して背がキラキラしている魚がゆったりと泳いでいた。
靴を脱ぎ、ゆっくりと川へ足を入れる。
……残念。足を入れた時の水音で気付かれてしまったようだ。
すっと軽やかに避けて、上流の方へと逃げていってしまった。
だが川は思ったよりも深くない。鈴音の膝より少し上の深さ。転んでも溺れることはなさそうだ。
「流石に素手で魚を捕まえるのは無理だろう。すぐに気付かれるぞ」
ごもっともな意見である。
「でも冷たくて気持ちいいです」
「風邪引かないよう程々にな」
足元にすうっと魚がやってきた。
あまり音を立てないように少しだけしゃがみこみ、狙いを定めて--
「山吹さん、山吹さん。お魚捕まえました! ……このお魚食べれますか?」
「素手で、か? …………よく捕まえられたな」
近くによってきた山吹へと、魚を渡す。
両手に収まる大きさで、山吹の手から逃れようと元気にピチピチ跳ねている。
陽の光が鱗に当たり反射する。動いて角度が変わる度、キラキラと色を変えて綺麗だ。
「鈴音。もし他にも取れたら、この桶の中に入れてくれ」
二人でそれぞれ持ってきた桶には既に水を汲んでいる。
山吹はそのうちの1つに、先程鈴音が捕まえた魚を入れた。まだ元気なようだ。
桶が少し狭いのか動き辛そうにしている。
「ほら、これならある程度鮮度保てるだろう。……ここで泳いでいる魚はほとんどが美味しく食べれる種類だ。もし、ダメな種類があれば後で川に戻す」
「はーい! もう少し捕獲試してみますね」
魚捕獲が楽しくなった鈴音。
しばらく夢中になって、川魚に挑んだ。
「意外と簡単なんですね!」
「……いや、そんなはずはないぞ。普通は釣り竿とか使って釣るんだ。あまり素手では捕まえないられない……はずなんだが」
まさか、挑んだ魚全てを素手で捕まえられるとは山吹も思ってなかったようだ。
驚愕した表情で魚の入った桶を見つめている。
「しかも……どれも美味いやつばかりだぞ。狙ってたのか?」
「いえ。近くに来た魚を取ってただけです。……美味しい魚なら良かったです! ふふ、晩御飯楽しみ……」
「……狙ってないのか。凄いな」
十分程度で大小様々な魚を5匹ほど捕獲する事に成功した鈴音。しかも全て美味しい魚。
凄い特技である。
「まあ、これだけ魚があれば大丈夫だろう。そろそろ帰るか? ……ハーブに水やらなきゃいけないしな」
「忘れてました!! お水あげなきゃ!」
「あ、こら。慌てないでゆっくりこい。その辺滑りやすい」
「あ」
バシャン
言われたそばから滑って後ろへ。
幸いにも怪我はないが、川へと落ちた為全身ずぶ濡れだ。
「……足だけなら気持ちよかったんですが、流石に寒いですね」
「言ったそばから……鈴音、怪我はないか? 大丈夫か?」
鈴音を抱き起こしながら、身体中をぺたぺたと触って怪我が無いかを確認してくる。
頭、背中、腰……と
「山吹さん大丈夫ですから! そ、それ以上は……ちょっと」
「本当に怪我はないんだな?」
「だ、大丈夫ですから……あの。す、少し……離れていただけると……嬉しいのですが……」
「顔が赤いぞ? 風邪でも引いたか? 熱出てきたか?」
こつんと額を合わせてくる山吹。
「んー、熱いか? …………解らないな」
抱き竦められたりとかはある。
山吹に触られるのは、抵抗を感じることがない。
……だが流石にさわさわと優しくあちこち撫でられるのは、恥ずかしいものだ。
更に熱を測ろうと額を合わせて此方の様子を伺っているのだ。
余計に顔の熱があがる。
「だ、大丈夫ですから! とりあえず! 早く帰りましょう! ……畑にお水あげないと、いけないですし!」
「ああ、そうだな。……鈴音は帰ってすぐ湯に浸かるといい」
桶は二つある。
魚の方は鈴音が取ったので持つと言ったのだが、『ずぶ濡れだから却下』と持たせてもらえなかった。
その為、水の入ったまだ比較的軽めの桶を持って、山吹の後ろにぴったりとついていく。
……少し離れると置いてかれそうで。
森で迷子になるのは少し怖い。家のすぐ脇だとしてもだ。
当然ながら、家に着いても水やりをやらせてもらえなかった。
山吹がすぐに湯を沸かし、『温まってこい。でないと川は連れてかない』とまで言われてしまったので、大人しく暖かいお湯に浸かる。
適温で気持ちいい。水に濡れて強ばっていた指先も血色が戻ってきた。やはり暖かいお湯はいい。
畑への水やりはもちろん鈴音が湯に入ってる間に、全て山吹が終わらていた。
しまいには、魚料理も出来上がっていて。とても残念。一緒に作りたかったのに。
でも、とってもとっても美味しいお魚でした。
片手に鍬を持った山吹が此方を振り返りながら、出来上がった畑の出来を確認する。
「……はい! 素敵です! これならハーブを育てたり出来ますね」
「花は育てなくてもいいのか?」
「ハーブとか、お野菜とか色々やってみたいです! それに、お花は月花が玄関付近に沢山あるじゃないですか」
「……そうか、ならいいんだ。もし花も育てたかったら、花壇も作るから言ってくれ」
衣装と指輪を注文した翌日。
今二人がいるのは家の裏手だ。
家の周りをまともに見たことは無かったが、先程までは草原のようになっていたそこに立派な畑が出来上がっている。
鈴音のハーブを育てる環境が欲しいという希望により、山吹が耕したのだ。
神様に耕させたのか。
と思うだろうが山の神なだけはあり、一時間経たずに終わった。
なんでも土が勝手に柔らかくなってくれて、すぐに耕せるのだとか。
……農家の方々が羨ましがるだろう。
更には家のすぐ脇に川が流れているので、水も汲んできやすい。
畑の周りは少し開けているため、陽当たりも良好。なんと素晴らしい立地条件か。
アラーニャの郁麻に貰った種は数種類入っていて、どれもが育てやすいものだと簡単な育て方が書いた紙も入っていた。彼は細かい気配りが完璧だ。
早速、出来上がった畑へと種を撒く。
--と。
「…………山吹さん。あの、今植えた種が……もう、芽を出しました。……あ、もう葉になりました」
今植えたばかりなのにも関わらず、畑の畝からは瑞々しい二つの葉が土の下から顔を出している。
少し離れたところにある木々よりも、青々として艶めいている。
「………………なんでだろうな?」
「山の神様の力とかそういう訳では無いのですか……?」
「…………俺の加護はそこに働くのか。せめて 鐐 みたいに……鈴音を護る方に加護が働いて欲しかった」
この速度なら数週間で育ちそうだ。
山吹はとても残念そうで、多分悔しいのだろう。少し拗ねているようだ。
「山吹さん、私この加護好きですよ? ……だって、平和的で素敵じゃないですか! ……それに、こんなに葉が艶々してるので、きっと凄く美味しいハーブができますよ。……ね?」
「……まあいいか。というか、まだ水やってないだろう? 汲みに行くか」
すぐ側にある川へと、山吹お手製である木の桶をもち水を汲みに行く。ちなみにこの桶は鈴音を拾う前に作っているものである。
「ここのお水すごく綺麗ですね。……ほんのり冷たい」
「山頂の一部に雪が残ってたんだろう。雪解け水だから冷たいんだ。……落ちないよう気をつけてくれ」
「風邪引いちゃいそうですからね……落ちないよう気をつけます! …………あ、お魚がいます。結構大きいのも泳いでるんですね」
割と深さがあるのだろう。
様々な大きさの魚が泳いでいるのが見える。
……それだけ水も透き通っているという事だ。
割と上流よりなのか、川辺は大きめの石もごろごろと転がっていてかなり足場は悪い。
特に川の近くの石は濡れていて、かなり滑りやすそうだ。
転ばないように注意されるのも頷ける。
これは注意していても転けそうだ。
川を覗き込むとすぐそこに光を反射して背がキラキラしている魚がゆったりと泳いでいた。
靴を脱ぎ、ゆっくりと川へ足を入れる。
……残念。足を入れた時の水音で気付かれてしまったようだ。
すっと軽やかに避けて、上流の方へと逃げていってしまった。
だが川は思ったよりも深くない。鈴音の膝より少し上の深さ。転んでも溺れることはなさそうだ。
「流石に素手で魚を捕まえるのは無理だろう。すぐに気付かれるぞ」
ごもっともな意見である。
「でも冷たくて気持ちいいです」
「風邪引かないよう程々にな」
足元にすうっと魚がやってきた。
あまり音を立てないように少しだけしゃがみこみ、狙いを定めて--
「山吹さん、山吹さん。お魚捕まえました! ……このお魚食べれますか?」
「素手で、か? …………よく捕まえられたな」
近くによってきた山吹へと、魚を渡す。
両手に収まる大きさで、山吹の手から逃れようと元気にピチピチ跳ねている。
陽の光が鱗に当たり反射する。動いて角度が変わる度、キラキラと色を変えて綺麗だ。
「鈴音。もし他にも取れたら、この桶の中に入れてくれ」
二人でそれぞれ持ってきた桶には既に水を汲んでいる。
山吹はそのうちの1つに、先程鈴音が捕まえた魚を入れた。まだ元気なようだ。
桶が少し狭いのか動き辛そうにしている。
「ほら、これならある程度鮮度保てるだろう。……ここで泳いでいる魚はほとんどが美味しく食べれる種類だ。もし、ダメな種類があれば後で川に戻す」
「はーい! もう少し捕獲試してみますね」
魚捕獲が楽しくなった鈴音。
しばらく夢中になって、川魚に挑んだ。
「意外と簡単なんですね!」
「……いや、そんなはずはないぞ。普通は釣り竿とか使って釣るんだ。あまり素手では捕まえないられない……はずなんだが」
まさか、挑んだ魚全てを素手で捕まえられるとは山吹も思ってなかったようだ。
驚愕した表情で魚の入った桶を見つめている。
「しかも……どれも美味いやつばかりだぞ。狙ってたのか?」
「いえ。近くに来た魚を取ってただけです。……美味しい魚なら良かったです! ふふ、晩御飯楽しみ……」
「……狙ってないのか。凄いな」
十分程度で大小様々な魚を5匹ほど捕獲する事に成功した鈴音。しかも全て美味しい魚。
凄い特技である。
「まあ、これだけ魚があれば大丈夫だろう。そろそろ帰るか? ……ハーブに水やらなきゃいけないしな」
「忘れてました!! お水あげなきゃ!」
「あ、こら。慌てないでゆっくりこい。その辺滑りやすい」
「あ」
バシャン
言われたそばから滑って後ろへ。
幸いにも怪我はないが、川へと落ちた為全身ずぶ濡れだ。
「……足だけなら気持ちよかったんですが、流石に寒いですね」
「言ったそばから……鈴音、怪我はないか? 大丈夫か?」
鈴音を抱き起こしながら、身体中をぺたぺたと触って怪我が無いかを確認してくる。
頭、背中、腰……と
「山吹さん大丈夫ですから! そ、それ以上は……ちょっと」
「本当に怪我はないんだな?」
「だ、大丈夫ですから……あの。す、少し……離れていただけると……嬉しいのですが……」
「顔が赤いぞ? 風邪でも引いたか? 熱出てきたか?」
こつんと額を合わせてくる山吹。
「んー、熱いか? …………解らないな」
抱き竦められたりとかはある。
山吹に触られるのは、抵抗を感じることがない。
……だが流石にさわさわと優しくあちこち撫でられるのは、恥ずかしいものだ。
更に熱を測ろうと額を合わせて此方の様子を伺っているのだ。
余計に顔の熱があがる。
「だ、大丈夫ですから! とりあえず! 早く帰りましょう! ……畑にお水あげないと、いけないですし!」
「ああ、そうだな。……鈴音は帰ってすぐ湯に浸かるといい」
桶は二つある。
魚の方は鈴音が取ったので持つと言ったのだが、『ずぶ濡れだから却下』と持たせてもらえなかった。
その為、水の入ったまだ比較的軽めの桶を持って、山吹の後ろにぴったりとついていく。
……少し離れると置いてかれそうで。
森で迷子になるのは少し怖い。家のすぐ脇だとしてもだ。
当然ながら、家に着いても水やりをやらせてもらえなかった。
山吹がすぐに湯を沸かし、『温まってこい。でないと川は連れてかない』とまで言われてしまったので、大人しく暖かいお湯に浸かる。
適温で気持ちいい。水に濡れて強ばっていた指先も血色が戻ってきた。やはり暖かいお湯はいい。
畑への水やりはもちろん鈴音が湯に入ってる間に、全て山吹が終わらていた。
しまいには、魚料理も出来上がっていて。とても残念。一緒に作りたかったのに。
でも、とってもとっても美味しいお魚でした。
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