女神のいたずらで若返った大賢者、異世界と行ったり来たり……

ぽてたん

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プロローグ

プロローグ④ 商業ギルドとの打ち合わせ

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「ではダニエルよ、家の件はどうなったのだ?」

「はい、タイガ様のご希望に見合う家が見つかりました。学園まで徒歩10分で高齢の錬金術師が引退して田舎へ戻るので手放そうとしている物件でございます。タイガ様の予定があいていれば、明日の朝からその家へご案内できればと思っております。タイガ様のご都合はよろしいでしょうか?」

 明日は何も予定は入っていないし、早めに住む家は決めておきたいので

「ええ、明日は何も予定は入っておりませので、問題ありません」

「では明日の朝10時頃に、王宮へお迎えに参りますのでよろしくお願いします」

「ダニエル、家が決まればその費用は王家が全て負担するので請求をしてくれ」

 陛下が家の代金を負担するとか言い出したが、家の購入費用まで出してもらうのも気が引けるし、金には困っていないので

「陛下、それはいけません。自分で住む家くらいは自分で支払います。以前頂いた報奨もまだまだ十分に持っておりますので大丈夫でございます」

「いやいや、タイガには勝手にこの世界へ召喚をしてしまって、無理やり魔王討伐をお願いした挙げ句しばらくは人間にも戻れない期間もあり、いろいろ迷惑を掛けたのでこのくらいはさせてくれ」

「いや、こっちの世界で済むと決めたのは俺なので、そこまで甘えるわけには……」

 どっちが払うかで俺と王様で言い合いをしていたらダニエルが間に入ってきた。

「あの…… タイガ様の自宅の費用は全て商業ギルドで負担する予定でございます」

「「えっ?」」

「実はタイガ様が作られた下水やトイレについては最初の3年間は特許等の制度もなく、タイガ様へのお支払いが全くされておりませんでした。それらの特許料を考えましても、このくらいでは足りないくらいですので全て私共で負担させていただきます。また1階に店を開けられる際のお手伝いも商業ギルドで全てまかないますのでご安心ください」

「よろしいのでしょうか?」

「全く問題ございません。タイガ様が戻られるまでに教えて頂いた魔道具職人はそれぞれが、その技術だけで一生食べられるほどの利益を得ております。それらの職人から自主的に使用料が払われており、それらで現在魔道具職人の養成学校を建設して教育しております。魔法学園の卒業生で魔道具に興味あるものが数名学んでおり、タイガ様の技術を更に発展させた物の開発もできるよになりました。それらの貢献度を考えましても、家程度では全く帳消しにならないくらいの恩を得ております。タイガ様は向こうの世界へ戻られる時にそれらの費用は子供達の教育費用にとの事でしたが、その教育のおかげで商業ギルドは今まで以上に発展しておりますので、そのくらいはさせて頂きたく思います。また何か金銭的に必要な際にはいくらでも御用達いたします」

 家をくれるだけでなく、維持費等もいらないってそんなにしてもらって大丈夫なんだろうか? 少し心配にはなるが、今後も色々魔道具を開発してそれでしっかり儲けて貰えば大丈夫かな?

「そうか、ではダニエル、タイガの事はよろしく頼む」

「かしこまりました」

 陛下も納得したようなのでダニエルさんにお礼を言う

「ダニエルさん、ありがとうございます。この御礼はなにかまた魔道具開発でお返ししますね」

「それは我々にとっても願ったり叶ったりです。ところで、タイガ様の今後の商業ギルドでの窓口とランクはいかがいたしましょうか? もしも表立って出られたくないのであれば、どこかの商会と組むかご自分で商会を立ち上げて代表を誰か信頼できる者にお願いした方がよろしいでしょう」

「商会は将来は自分で立ち上げてみたいけど、学園に行っている間はヴァンサン商会を窓口でお願いしようと思っています。将来の事も話はしているのでうまく協力していこうと思います」

「ヴァンサン商会であれば宰相のご兄弟のご子息の商会ですので、商業ギルドとしてもなんら言うことはございません。今後とも商業ギルドをよろしくお願いします」

「それではみんなご苦労であった。くれぐれもタイガの事は秘密で頼む。今後は謎の冒険者タイーガと1年FクラスのFランク冒険者トラーオということでよいな」

「「「「はい」」」」

 打ち合わせも無事に終わり部屋へ戻ると、リリアーヌから

「湯浴みの準備が出来ております。お食事の前にどうでしょうか?」

 その誘いにまんまと乗ってしまい、風呂から上がるとそこにはドレスしか用意してなかった。誰を呼んでも来ないので仕方なくドレスをいそいそと着て、ソォーッとドアを開けるとそこには満面の笑みを浮かべてリリアーヌがデジカメを持って立っていた……

 しっかり写真を撮られて悶絶していると、すました声で

「アイテムボックスの服を着られたらどうしようかと思っていました」

「あぁ~ 忘れてたわ! ちくしょおおおおおお」












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