女神のいたずらで若返った大賢者、異世界と行ったり来たり……

ぽてたん

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第1章 魔法学園入学編

魔法学園入学編⑥入学式の感想報告

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「どうだ、学園の感想は?」

 食事も終わり陛下から今日の感想を聞かれた。

「まだ1日目だからよくわかりませんが色々と面白いことがありました」

「なんだ面白いことって?」

「魔法についてですが、属性がシングルは強くダブル、トリプルは弱いという事や、魔力を空にすれば魔力が増えるといった間違った情報が信じられているって事です」

「「「エッ?」」」

 みんなから疑問符が出ていた。

「間違いだと?」

「ええ、間違いですね、シングルでもダブルでもトリプルでもそれぞれの属性の力は変わりません。魔力も空にすれば良いというものではありませんね」

「じゃ、今まで学園で教えていたことはどうなる?」

「教科書をざっと見ましたが、間違いだらけですね。魔法陣の研究は比較的まともですが、それ以外の魔法の知識や実技は全然駄目です」

「タイガよ、お前教師をしないか?」

「陛下御冗談を…… この姿で先生やって他の先生がついてくると思いますか? みなさんの教え方は間違っていますからこうしてくださいって、平民に言われてどうでしょうか?」

「アハハ! そりゃ無理だな! あいつら口ばっかりだもんな演習でも大したことは出来ねぇし、すぐに魔力無くなったっていう割にプライドだけは高いし使いもんにならなかったから、魔王討伐なんて置いていったんだからな」

 ペイロンが魔導部隊との演習を思い出しながら魔道士達を扱き下ろした。

「そうですね、とにかくこの3年間でこの世界の魔法の常識を見ながら、将来的に教え方等を考えてみましょう。ロマーノ王子やクリス様に色々協力をしてもらおうと思います」

「なるほど、タイガ様に習っていたのでクリスは多属性でも威力のある魔法を使えるのですね? 頑張らなければシングルの自分はクリスに追い抜かれてしまうかもしれません」

「ロマーノ様、大丈夫ですよ。ロマーノ様は魔力も大きく制御力が抜群ですし、まだまだ上手になると思います。クリス様が多属性でもあまり威力が落ちないのは、周りで多属性は残念なものだとか、魔法が上手にならないといった変な固定観念を頭に入れられる環境ではありませんし、それを知る前から教えていたからですね」

「タイガ様、自分がまだまだ強くなるっていうのは本当ですか?」

「大丈夫です。多属性だから強いということでもありません。多属性は他も練習する必要があるので単属性はその一つを極めるということもできます。どちらにしろ研鑽あるのみです」

「タイガ様、わたくしはどうですか?」

「クリス様は魔力はまだまだ頑張って伸ばせるはずです。制御が甘いのでもう少しそこは頑張りましょう。火魔法単独では多分ロマーノ様には敵いませんが、他属性を上手く利用することでロマーノ様にも負けない魔法が使えるようになると思います」

「本当ですか? お兄様には負けたくありません」

「自分も妹には絶対負けたくありません」

「二人で切磋琢磨していけば、魔法はどんどん上達していくと思います。いつも言っていたように魔法には無限の可能性があり、それに無限の想像力が必要です。自分の魔法に使えるように自然の中の大きな力や動きをしっかり見て学ぶ姿勢が大切ですよ」

「「はい!」」

「チビが真面目な事を言ってもなんか説得力ねぇな!」

「では二人共よく見ていて下さいね。このナッツを風魔法で飛ばしますが飛ばし方でこんな事もできるんですよ」

 そう言ってナッツをペイロンに向かってピストルの弾丸を飛ばすように回転が付くように制御しながら風魔法で飛ばした。ナッツは見事ペイロンの眉間に突き刺さるように飛んで行きペイロンの頭を彈いた。

「イタッ! タイガ何するんだ」

「誰がチビですか? 中身はおっさんですよ」

「それはわかっているんだけどなぁ…… やっぱチビはチビだよ」

「もう一発いっときましょうか? 本気でやれば魔王の頭でも貫通できるかもしれませんよ?」

「ヤメテくれ! すまんすまん」

「謝っているようには見えませんが良しとしましょう。今のはわかりましたか? ナッツを回転させることで威力を増すと共に軌道をまっすぐに飛ばせるようになります。魔力も少ない魔力で済みますので例えばナッツでは無くもう少し軽い金属だったら少ない魔力で魔獣くらいは突き抜けさせる事もできるでしょう。魔法と目の前にあるものを上手く使えば魔法だけでは与えられない威力を発揮できる場合もあります」

「「はい!」」

「さすがタイガ様ですね、ペイロンもそろそろチョッカイを出して返り討ちされることを学べばよいのですが……」

 カテリーナが血が出ていたペイロンの眉間に治療ヒールを掛けながら言っていたが、ペイロンは絶対止めないんだろうな……


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