女神のいたずらで若返った大賢者、異世界と行ったり来たり……

ぽてたん

文字の大きさ
12 / 48
第1章 魔法学園入学編

魔法学園入学編⑦入学祝パーティでの気になる報告

しおりを挟む
 気の合う人達との会話も進み、楽しい時間を過ごしていたが、その中でペイロンが珍しく真面目な話をしていた。

「最近魔物が活性化していて王国の近くのダンジョンでは通常出てこないような魔物が見られるようになった。今後冒険者ギルドと協力して見守る必要がありそうだ」

「ペイロン、そうなると最悪はどうなるの?」

「タイガはこっちの世界はわからないかもしれないが、魔物がダンジョンでどんどん作られていき、討伐が間に合っているうちは良いが、それが間に合わなくなるとダンジョン内で魔物が飽和状態になってしまい、最終的には魔物氾濫スタンピードと呼ばれる状態になりダンジョンから魔物が溢れてきて街や村を壊しながら暴れるんだ。それを防ぐにはダンジョンの討伐を進めていかないといけないのだが、なかなか思うように進んでいないんだ。あとは隣国のヘンマン王国の動きも少し気になるんだ。どうも戦争の準備をしているような噂もあり、スタンピードで弱ったところを攻め入ってくるような気がする。陛下はどう思いますか?」

「ふむ、色々と報告は受けているがヘンマン王国の話はまだ噂程度であるし、魔物の話もまだ確定的とは思えないんだがな? アントニオには冒険者からどのように聞いているんだ?」

「はっ、現状ではまだ王都近辺のダンジョンの活性化は無いようですが、ヘンマン王国に近いダンジョンで通常より2割ほど魔物の発生が活発化しているようです」

「このままいけばどのくらいで氾濫する可能性があるんだ?」

「判りかねますが、3ヶ月くらいから6ヶ月くらいではないかと…… その間に討伐が進めばもう少し余裕ができると思います」

 小説等でよく出てくるスタンピードがこの国でも起こる可能性があるのか……
 しばらくは寮生活だから手伝いは出来ないだろうしここはペイロンに頑張ってもらうしかないよな……

「ペイロンも大変そうだけど、頑張ってね」

「おい! タイガお前も行くんだよ!」

「いやいや、今日入学してすぐに休学とかないから! 学園生活をエンジョイするんだよ!」

「いや、どうせ学園生活なって貴族のしがらみでがんじがらめになってすぐに嫌になるぞ?」

「魔法学園は貴族も平民も平等……」

 そういいながら周りを見ると、みんな目を逸らし始めた……
 ロマーノ王子が口を開き呟いた。

「タイガ様、一応平等とは謳っていますが、やはり先生達は貴族が多いので完全に平等とはいかなくて、結構差別的な待遇を受けられる可能性は高いんですよ。ようやく自分の学年では表立っての差別は無くなりましたが、自分が王族であるから嫌々従っているような感じも見受けられます」

「ここ数年でいきなり学園内は平等で差別はするなと言われても、なかなかすぐに変わるのは難しいだろうな。そういう事でタイガはすぐに学園がいやになって俺とダンジョンへ潜る運命になっているんだよ」

「ペイロン、なんでだよ! 絶対に学園生活を謳歌するんだ……」

 なかなか平穏な学園生活は難しそうだが、ダンジョンに潜る時間もないし、ここはやはりペイロンにまかせよう。

「タイガの場合には転移で行ったり来たりできるんじゃないか? 魔王討伐のように途中の街や村に寄る必要もないし、日曜だけ行くぞ!」

「タイガよ諦めてダンジョンに潜ってくれ」

「陛下にまで言われたら仕方ないですね…… 謎の冒険者タイーガで可能な限り討伐に協力しましょう。でも戦争は一切協力できませんからね? 以前も申しましたが、人の命は重いという国で育ちましたのでこの世界でも人を殺めることはできません。例えどんな犯罪者でも自分で殺す選択肢はありません。特に兵士なんて本人の思惑なんて関係なしに国に家族を人質に取られているような者を殺すなんて……」

「すまんな、ダンジョンはお願いするが、戦争に関してはタイガには加担させないように約束しよう」

「どうしてもこの国に害を成すような輩が来ることがあれば、殺さずに無力化するような協力は惜しみませんので……」

「少し暗い話になってしまってすまない。せっかくのタイガの入学祝だ、これからは明るい話をしよう」

「そうですわ、ちょうど楽団も準備できましたのでクリスはタイガ様とダンスでも踊ってみたら?」

 王妃の一言に、えっ? ダンスとか習ってないんだけど……

「そうですね、タイガ様お相手をお願いします」

 周りをキョロキョロすると、みんなの生暖かい視線が…… その中に一つ射殺すような陛下の視線も……

「ダンスを習ったことがありませんがよろしですか?」

「タイガ様にも苦手な事があったんですね、そんな派手なダンスではありませんので大丈夫ですよ」

 そういいながら俺の手を取ると音楽が始まった。ゆったりとしたメロディに乗せクリスのリードのままに動くと、クリスが上目遣いに微笑んでいた。なにがあってもこの笑顔は守ってあげないとな……

 その後はまた雑談等をしてパーティは終了した。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした

たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。 死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。

霊力ゼロの陰陽師見習い

三科異邦
ファンタジー
「霊力も使えない。術式も出せない。 ……西園寺玄弥、お前は本当に陰陽師か?」 その言葉は、もう何度聞いたか分からない。 霊術学院の訓練場で、俺はただ立ち尽くしていた。 周囲では炎が舞い、水がうねり、風が刃のように走る。 同年代の陰陽師たちが、当たり前のように霊を操っている。 ――俺だけが、何もできない。 反論したい気持ちはある。 でも、できない事実は変わらない。 そんな俺が、 世界最強クラスの妖怪と契約することになるなんて―― この時は、まだ知る由もなかった。 これは―― 妖怪の王を倒すべく、九尾の葛葉や他の仲間達と力を合わせて成長していく陰陽師見習いの物語。

処理中です...