女神のいたずらで若返った大賢者、異世界と行ったり来たり……

第1章 魔法学園入学編

日本からのお土産③スイーツには敵わない

「おはようティモ」

「あれ？　トラーオいつ戻ってきたの？　ドアが開く音とか全然気が付かなかったよ」

「まぁ起こすのも悪いからそーっと戻ってきたんだよ。昨日の授業はどうだったんだ？」

「トラーオが変な事約束するから地獄だった……」

「ん？　変な事？」

「マヌエーラにちゃんと教えないとスイーツやらないみたいな事を言っただろ？　マヌエーラは昨日すごい形相でみんなに教えていたよ。おかげでみんな少しは魔力の循環もできるようなったから良かったたといえば良かったんだけどね」

「全員？」

「そう、全員できるようになった」

「マジ？？」

「できると思ってなかった？」

「たぶん半分できれば良いと思っていた」

「あの形相で睨まれたら絶対できないと大変な事になりそうだったよ」

「そっか、じゃ今日の午後にはみんなでティータイムといきますかね。マヌエーラには特別なケーキでも用意しておこう」

「それがいいと思うよ、特に女性たちは目の色変わっていたからね。でもマヌエーラは昨日の夕方は更に魔力量も増えて効率も良くなっていたよ」

「人は人に教えることで、それらについて自らも復習して自分の知識にしていくから、どんどん上達してくるはずだよ」

「そうなんだ、でも俺は人に教える事はなさそうだしな」

「将来はわからないよ？　教える立場になるかもしれないからちゃんと覚えてね？」

「いやいや、そんな事はないよね？　……ちょっとランニングしてくるわ」

　そう言ってティモはランニングに行ってしまった。その間にヴァンサン商会へ行き、今日の午後に新作ケーキの準備をしてもらい届けてもらえるように手配をしてきた。その後は新しいケーキの実物とレシピをパティシエ候補の人達に渡して次回までに試作品を作ってもらうように手配をしたり、今回持って返ってきたものをどのように販売するかなどの打ち合わせをしてから寮へ戻った。
　あまり時間も無くなってきたので慌てて朝食を食べ教室へ向かった。

「おはよう！」

　挨拶をすると一斉に挨拶が返ってきた。

「「「おはよう」」」
「「「「おはようございます」」」」

「昨日はみんな頑張ったみたいですね。今日の午後は約束通りにヴァンサン商会の新作のスイーツをごちそうしますから今日も一日頑張って他のクラスを見返しましょう」

「「「ウォオオオ」」」
「「ウワァアアア」」
「ヤッタアアアア」

　クラスのみんなの盛り上がり方が想像以上に凄かった。今後もアメをぶら下げれば結構頑張ってくれるのではと確信した。