24 / 48
第1章 魔法学園入学編
日本からのお土産編④魔力とは風船である
しおりを挟む
「今日は魔力の貯め方と魔力の大きさについて勉強をしたいと思っています。ところでナタリー先生は何故そこに?」
何故か一番前の左端の場所に生徒と同じ方向を向けた机に座っていたナタリー先生に質問をぶつけてみた。
「いやー、もう初めて聞くことばかりでなんか先生って呼ばれるより生徒として聞いた方がよいんじゃないかと思って初心に戻ってこっちに座っているの。だから先生って呼ばなくてナタリーと呼び捨てでも大丈夫よ、トラーオ先生!」
「いやいや、呼び捨ては無理ですから、それから何かあれば手伝ってくださいよ?」
「もちろん、何でも言って!」
「それでは今から風船というものを配ります。小さい物と大きい物を配りますので各1個ずつ取ってください。これはゴームの木から取れる樹脂とスライムの粘液を特殊な方法で混ぜた物でできています。穴を開けたりすると使えませんので気をつけてくださいね」
本当は日本で購入してきた小さい水を入れて遊ぶタイプの風船と、普通のサイズの風船の2種類だが異世界から持ってきたとは言えないので、それらしい作り方で誤魔化したが実際にその方法で作れないか研究してみたいと思った。
「それではこれが何かといいますと、魔力の限界とは何かを視覚的に見てもらう為のものです。魔力の総量は人それぞれで違う事はみなさんご存知ですよね? ジュリアナさんどうですか?」
いきなり指された小柄で黒髪黒目のジュリアナはビクッとしながらも答えてくれた。
「もちろん! 魔力の量は人それぞれ生まれた時に決まっているけど魔力を使えば使う程少しだけ魔力の量は増えていきます。でもその量は微々たるものなので昔は魔力を空にして寝るのが流行りましたが最近はあまりしている人はいないと聞きます。 あれ? トラーオ君が休み前にマヌエーラさんに何かしたら魔力の量増えたよね? あれ? おかしいなぁ…… わかんなくなってきた……」
「ありがとうございます。ジュリアナさんの認識が多分みなさんの認識と同じだと思います。でもそれは大きな間違いですので忘れてください」
「「「ええええええ!」」」
「びっくりしたかも知れませんが、魔力の総量は増やせます。ただ限界値は人それぞれなので何処までも増やせるかというとそれは難しいです。ただ現状言えるのはここにいる全員が王宮の宮廷魔道士部隊達よりも大きな魔力を持つことは可能です」
「「「ええええーーーーー」」」
「いいですか? 魔力は増やせるということを絶対に忘れないでください。むしろ魔力はどんどん増えると思い込んでくださいね。魔力が増えない大きな原因は思い込みなんです。それではまずは小さい風船を手に持って穴が空いているところから優しく息を吹き込んでください」
「「「「ふぅー」」」」
「ほとんど入らなくて少し膨らんだだけですよね? それでは大きな風船も同じように吹いてください」
「「「「ふぅー」」」」
「さっきよりは息が入ったと思いますがそこまで沢山の息が入ったわけではありませんよね? それが今の皆さんと宮廷魔道士の魔力量の差です。単に基本の魔力量が向こうが大きなだけで、その量もそこまでは大きな差ではありません。それでは小さい方の風船に少しずつ強く息を吹き込んでみましょう。最初は息を吹いても大きさも変わりませんし息が入っていきませんが、少し強く吹くと急に風船が膨らんできます。これが魔力量が増えた状態と思ってください。あまり吹き込むと割れてしまいますので気をつけて膨らましてみてください」
「「「ふうううううーーー」」」
どこそこで風船が膨らみ始めたが膨らんだ喜びで何か話そうとすると萎んでしまう人が続出してしまった。
「萎んだらもう一度息を吹き込みましょう。今度はさっきよりすんなり息が入るはずです。そして何かを喋ろうとする時には吹き込み口を手で抑えて息がもれないようにしてみてください。これは魔力補充の基本になります。最初は大変ですが自分の基本魔力を突破させて魔力量を大きくしていきます。魔力量を増やすのも最初は少しずつしか増えませんが、だんだん増やすのも楽になっていきます。そして増やした魔力は流れ出やすいので自分でそれを取り込んだままにする必要がありますので、この風船を良くイメージしておくことが大切です。今この状態ではさっきの大きな風船に息を吹き込んだ量よりも多くの量が吹き込まれています。基本魔力が小さくてもしっかり鍛錬すれば魔力量は大きくなっていきます。忘れないようにしてください」
パーン!!
一斉に音がなった方をみると割れた風船を呆然と見つめるナタリー先生がいた……
「あれだけ気をつけてって言ったのにナタリー先生が割ってどうするんですか?」
「ご、ごめんなさい……」
「ちなみに魔力はどんなに貯めようとしてもこんなに破裂することはないので安心してください。大きな風船も膨らませていいですよ。基本魔力が大きな人は小さな人と比べてかなり大きな魔力量を貯めることができるようになります。でも魔法の力は魔力量が全てではありませんので魔力量が少ないからと悲観することはありません。魔法に必要な物は魔力量よりも魔力操作の繊細さが必要なんです。次の時間にはそれをお見せしますので、とりあえず風船を膨らませて萎ませての繰り返しをして頭にイメージを叩き込んでください」
その後数人の風船を割る音が聞こえたが魔力量が今よりも増えると言うことは理解してもらえたようだ。
何故か一番前の左端の場所に生徒と同じ方向を向けた机に座っていたナタリー先生に質問をぶつけてみた。
「いやー、もう初めて聞くことばかりでなんか先生って呼ばれるより生徒として聞いた方がよいんじゃないかと思って初心に戻ってこっちに座っているの。だから先生って呼ばなくてナタリーと呼び捨てでも大丈夫よ、トラーオ先生!」
「いやいや、呼び捨ては無理ですから、それから何かあれば手伝ってくださいよ?」
「もちろん、何でも言って!」
「それでは今から風船というものを配ります。小さい物と大きい物を配りますので各1個ずつ取ってください。これはゴームの木から取れる樹脂とスライムの粘液を特殊な方法で混ぜた物でできています。穴を開けたりすると使えませんので気をつけてくださいね」
本当は日本で購入してきた小さい水を入れて遊ぶタイプの風船と、普通のサイズの風船の2種類だが異世界から持ってきたとは言えないので、それらしい作り方で誤魔化したが実際にその方法で作れないか研究してみたいと思った。
「それではこれが何かといいますと、魔力の限界とは何かを視覚的に見てもらう為のものです。魔力の総量は人それぞれで違う事はみなさんご存知ですよね? ジュリアナさんどうですか?」
いきなり指された小柄で黒髪黒目のジュリアナはビクッとしながらも答えてくれた。
「もちろん! 魔力の量は人それぞれ生まれた時に決まっているけど魔力を使えば使う程少しだけ魔力の量は増えていきます。でもその量は微々たるものなので昔は魔力を空にして寝るのが流行りましたが最近はあまりしている人はいないと聞きます。 あれ? トラーオ君が休み前にマヌエーラさんに何かしたら魔力の量増えたよね? あれ? おかしいなぁ…… わかんなくなってきた……」
「ありがとうございます。ジュリアナさんの認識が多分みなさんの認識と同じだと思います。でもそれは大きな間違いですので忘れてください」
「「「ええええええ!」」」
「びっくりしたかも知れませんが、魔力の総量は増やせます。ただ限界値は人それぞれなので何処までも増やせるかというとそれは難しいです。ただ現状言えるのはここにいる全員が王宮の宮廷魔道士部隊達よりも大きな魔力を持つことは可能です」
「「「ええええーーーーー」」」
「いいですか? 魔力は増やせるということを絶対に忘れないでください。むしろ魔力はどんどん増えると思い込んでくださいね。魔力が増えない大きな原因は思い込みなんです。それではまずは小さい風船を手に持って穴が空いているところから優しく息を吹き込んでください」
「「「「ふぅー」」」」
「ほとんど入らなくて少し膨らんだだけですよね? それでは大きな風船も同じように吹いてください」
「「「「ふぅー」」」」
「さっきよりは息が入ったと思いますがそこまで沢山の息が入ったわけではありませんよね? それが今の皆さんと宮廷魔道士の魔力量の差です。単に基本の魔力量が向こうが大きなだけで、その量もそこまでは大きな差ではありません。それでは小さい方の風船に少しずつ強く息を吹き込んでみましょう。最初は息を吹いても大きさも変わりませんし息が入っていきませんが、少し強く吹くと急に風船が膨らんできます。これが魔力量が増えた状態と思ってください。あまり吹き込むと割れてしまいますので気をつけて膨らましてみてください」
「「「ふうううううーーー」」」
どこそこで風船が膨らみ始めたが膨らんだ喜びで何か話そうとすると萎んでしまう人が続出してしまった。
「萎んだらもう一度息を吹き込みましょう。今度はさっきよりすんなり息が入るはずです。そして何かを喋ろうとする時には吹き込み口を手で抑えて息がもれないようにしてみてください。これは魔力補充の基本になります。最初は大変ですが自分の基本魔力を突破させて魔力量を大きくしていきます。魔力量を増やすのも最初は少しずつしか増えませんが、だんだん増やすのも楽になっていきます。そして増やした魔力は流れ出やすいので自分でそれを取り込んだままにする必要がありますので、この風船を良くイメージしておくことが大切です。今この状態ではさっきの大きな風船に息を吹き込んだ量よりも多くの量が吹き込まれています。基本魔力が小さくてもしっかり鍛錬すれば魔力量は大きくなっていきます。忘れないようにしてください」
パーン!!
一斉に音がなった方をみると割れた風船を呆然と見つめるナタリー先生がいた……
「あれだけ気をつけてって言ったのにナタリー先生が割ってどうするんですか?」
「ご、ごめんなさい……」
「ちなみに魔力はどんなに貯めようとしてもこんなに破裂することはないので安心してください。大きな風船も膨らませていいですよ。基本魔力が大きな人は小さな人と比べてかなり大きな魔力量を貯めることができるようになります。でも魔法の力は魔力量が全てではありませんので魔力量が少ないからと悲観することはありません。魔法に必要な物は魔力量よりも魔力操作の繊細さが必要なんです。次の時間にはそれをお見せしますので、とりあえず風船を膨らませて萎ませての繰り返しをして頭にイメージを叩き込んでください」
その後数人の風船を割る音が聞こえたが魔力量が今よりも増えると言うことは理解してもらえたようだ。
0
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる