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第1章 魔法学園入学編
忍び寄る危機⑪殲滅作戦初日
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「それでは今から出発するが、少し残念なお知らせがある。君たちのクラスメイトであるトラーオ君だが、昨日皆が宿舎へ戻った後も食べ続け腹を壊して王都に運ばれたので今回の作戦には出ることが出来ない」
「えっ? 食べすぎですか?」
「いや、その辺りに生えていた毒キノコを食べたらしく薬でも治らないくて運ばれた。伝言で【みんなすまない】と言っていた。仕方ないので戻っても優しくしてやってくれ。代わりにSランクのタイーガが到着したので紹介しよう。Sランク冒険者のタイーガだ」
「タイーガだ、短い間だがよろしくな!」
真っ黒な装備に身を包み虎の仮面をした背の小さい子供が出てきたのを見てほぼ全員が思った。
(どうみてもタイーガじゃなくてトラーオじゃん……)
(あの靴はいつもトラーオが履いてるやつだろ?)
(気が付かないフリをしてやるか……)
「トラーオって馬鹿だよな、こんな大事な時に毒キノコで当たるなんて」
ティモがそんな事を言うとみんなもそれぞれ思ったことを言い始めた。
「そうだな、少し抜けているところあるからな」
「戻ったら優しくしてやろう」
俺は少しイラッとしながらそれを聞いていたが文句を言えるわけもなく皆が言うのを黙って聞いていたが隣でペイロンがクックックッと笑っていたので口の中に唐辛子を放り込んでやった。
「うぅうう、ひいいいい、みんなそれくらいにしてやれいない奴に文句いっても仕方ないしな」
唇を腫らしながらペイロンが水をがぶ飲みしていた。口を抑えているペイロンに呆れながら、その隣にいたカテリーナが今後の説明を始めた。
「それでは今から出発します。先日の打ち合わせ通りに城壁先に作った砦に移動後は夜間の見張り班はすぐに仮眠に入って下さい。今日だけは睡眠の魔法で強制的に寝てもらいますので昼夜逆転の体に慣れさせるようお願いします。迎撃隊はリュシさんがトップで以前に決めた3人組で協力して対応をして下さい。ここにある2重外壁の中は結界もあります安全ですので、何かあればここに逃げ込んでくださいね。特に戦いに夢中になりすぎて拠点から離れ過ぎたりしちゃ駄目ですからね。ここの守りはカテリーナさんにお任せします。決して無理をせずにできる範囲で対処してください。打ち漏らしは城壁でこちらの兵士さんが対応しますし、さらに王都でも迎撃する準備をしていますので殲滅ではなく出来るだけ魔物を減らすということだけを考えてください。よろしいですか?」
「「「「「はい!」」」」
予想では後2時間程で魔物たちが到着するだろう。城壁から2キロ程離れた場所に作った砦に皆で移動しなければならない。拠点にはすでに1ヶ月ほど籠城しても良い位の物資も運んであり、仮眠する場所も土魔法で簡易アパートを作ってある。もちろん少し広めの風呂も作っていつでもお風呂に入れるようにお湯を出す魔道具まで準備しているので、快適に過ごせるだろう。
「それでは出発しますが、足元が歩きにくくしてあるので気をつけて下さいね!」
「「「「はい!」」」」
前線基地までの間には数多くの穴を開けたり段差を付けたりして気をつけて歩かないと足を引っ掛けて倒れてしまうようにしてあり、場所によってはかなり深く掘って掘った土を細かく粉砕して水魔法で水を張っている為、足を踏み入れれば簡単には抜けないようになって足止めできるようにしてある。また砦から先も同じ様に罠を多数作って足止め出来るようになっている。
☆☆☆
土魔法の得意なジャヌソンが周りを見回しながら同じ土魔法を使うデルフィーヌに話しかけた。
「なぁトラーオって良くこれだけエゲツない事考えるよな」
「そうだね、あいつには正々堂々とか騎士の矜持みたいなのは無いんじゃないかな?」
「だよな、でも勝たないと話にならないし正々堂々と戦っても死んだら終わりだもんな」
そんな会話をしているのを聞いていたマヌエーラが口を挟む。
「先日トラーオさんに聞いた事があります。こんな卑怯な戦いは家でも学校でも習った事はありませんので、あまり気乗りがしませんとお伝えしたら、『では貴方は言葉も通じない魔物に我こそはと声をかけ正々堂々と戦いをしようとでも思っているんですか? 魔物は言葉を理解しません。単独では無く数の暴力でこちらを蹂躙しようと攻めてきます。今考えなければいけないのは貴方が無傷で出来るだけ多くの魔物を倒す事です。対人での戦いであれば騎士としての作法もあるでしょうが、現在は1匹でも多く魔物を倒す事です。残念ながらまだまだ僕らの魔法は弱いのでまともに向かっても蹴散らされるだけです。少しでも生存率が上がるのであれば僕はどんな卑怯な手でも考え実行しますよ』そんな風に言われて初めて私も気が付きました。死んだら終わりだと……」
「そ、そうだな…… とにかく少しでも魔物を減らせるように皆ができることを考えてやらないといけないな」
「そうです、でもトラーオさんって何者なのでしょう。魔物とも戦った事あるみたいですし……」
「少なくともSランクだから、今までとんでもない戦いをしていたのでは?」
ジャヌソンがそう言うと、デルフィーヌとマヌエーラは先を歩いていたタイーガを見ながらウンウンと頷いていた
☆☆☆
30分程歩くと砦に着いたのでそれぞれが今後の戦いに向けての準備を始めた。
「では俺とカテリーナは右前方をタイーガは左前方を中心に殲滅していく。小物はあまり相手に出来ないかもしれないのでここまで来るであろう。決して無理をせず練習の通りに行動すればみんなの敵ではないからな! 夜間がどのタイミングで進行が止まるかわからないが進行が止まるまで十分気をつけるように! では今から殲滅作戦を開始する!」
唐辛子で出来た口の腫れが引いたペイロンが全員に声を掛けていよいよ作成が開始された。
「えっ? 食べすぎですか?」
「いや、その辺りに生えていた毒キノコを食べたらしく薬でも治らないくて運ばれた。伝言で【みんなすまない】と言っていた。仕方ないので戻っても優しくしてやってくれ。代わりにSランクのタイーガが到着したので紹介しよう。Sランク冒険者のタイーガだ」
「タイーガだ、短い間だがよろしくな!」
真っ黒な装備に身を包み虎の仮面をした背の小さい子供が出てきたのを見てほぼ全員が思った。
(どうみてもタイーガじゃなくてトラーオじゃん……)
(あの靴はいつもトラーオが履いてるやつだろ?)
(気が付かないフリをしてやるか……)
「トラーオって馬鹿だよな、こんな大事な時に毒キノコで当たるなんて」
ティモがそんな事を言うとみんなもそれぞれ思ったことを言い始めた。
「そうだな、少し抜けているところあるからな」
「戻ったら優しくしてやろう」
俺は少しイラッとしながらそれを聞いていたが文句を言えるわけもなく皆が言うのを黙って聞いていたが隣でペイロンがクックックッと笑っていたので口の中に唐辛子を放り込んでやった。
「うぅうう、ひいいいい、みんなそれくらいにしてやれいない奴に文句いっても仕方ないしな」
唇を腫らしながらペイロンが水をがぶ飲みしていた。口を抑えているペイロンに呆れながら、その隣にいたカテリーナが今後の説明を始めた。
「それでは今から出発します。先日の打ち合わせ通りに城壁先に作った砦に移動後は夜間の見張り班はすぐに仮眠に入って下さい。今日だけは睡眠の魔法で強制的に寝てもらいますので昼夜逆転の体に慣れさせるようお願いします。迎撃隊はリュシさんがトップで以前に決めた3人組で協力して対応をして下さい。ここにある2重外壁の中は結界もあります安全ですので、何かあればここに逃げ込んでくださいね。特に戦いに夢中になりすぎて拠点から離れ過ぎたりしちゃ駄目ですからね。ここの守りはカテリーナさんにお任せします。決して無理をせずにできる範囲で対処してください。打ち漏らしは城壁でこちらの兵士さんが対応しますし、さらに王都でも迎撃する準備をしていますので殲滅ではなく出来るだけ魔物を減らすということだけを考えてください。よろしいですか?」
「「「「「はい!」」」」
予想では後2時間程で魔物たちが到着するだろう。城壁から2キロ程離れた場所に作った砦に皆で移動しなければならない。拠点にはすでに1ヶ月ほど籠城しても良い位の物資も運んであり、仮眠する場所も土魔法で簡易アパートを作ってある。もちろん少し広めの風呂も作っていつでもお風呂に入れるようにお湯を出す魔道具まで準備しているので、快適に過ごせるだろう。
「それでは出発しますが、足元が歩きにくくしてあるので気をつけて下さいね!」
「「「「はい!」」」」
前線基地までの間には数多くの穴を開けたり段差を付けたりして気をつけて歩かないと足を引っ掛けて倒れてしまうようにしてあり、場所によってはかなり深く掘って掘った土を細かく粉砕して水魔法で水を張っている為、足を踏み入れれば簡単には抜けないようになって足止めできるようにしてある。また砦から先も同じ様に罠を多数作って足止め出来るようになっている。
☆☆☆
土魔法の得意なジャヌソンが周りを見回しながら同じ土魔法を使うデルフィーヌに話しかけた。
「なぁトラーオって良くこれだけエゲツない事考えるよな」
「そうだね、あいつには正々堂々とか騎士の矜持みたいなのは無いんじゃないかな?」
「だよな、でも勝たないと話にならないし正々堂々と戦っても死んだら終わりだもんな」
そんな会話をしているのを聞いていたマヌエーラが口を挟む。
「先日トラーオさんに聞いた事があります。こんな卑怯な戦いは家でも学校でも習った事はありませんので、あまり気乗りがしませんとお伝えしたら、『では貴方は言葉も通じない魔物に我こそはと声をかけ正々堂々と戦いをしようとでも思っているんですか? 魔物は言葉を理解しません。単独では無く数の暴力でこちらを蹂躙しようと攻めてきます。今考えなければいけないのは貴方が無傷で出来るだけ多くの魔物を倒す事です。対人での戦いであれば騎士としての作法もあるでしょうが、現在は1匹でも多く魔物を倒す事です。残念ながらまだまだ僕らの魔法は弱いのでまともに向かっても蹴散らされるだけです。少しでも生存率が上がるのであれば僕はどんな卑怯な手でも考え実行しますよ』そんな風に言われて初めて私も気が付きました。死んだら終わりだと……」
「そ、そうだな…… とにかく少しでも魔物を減らせるように皆ができることを考えてやらないといけないな」
「そうです、でもトラーオさんって何者なのでしょう。魔物とも戦った事あるみたいですし……」
「少なくともSランクだから、今までとんでもない戦いをしていたのでは?」
ジャヌソンがそう言うと、デルフィーヌとマヌエーラは先を歩いていたタイーガを見ながらウンウンと頷いていた
☆☆☆
30分程歩くと砦に着いたのでそれぞれが今後の戦いに向けての準備を始めた。
「では俺とカテリーナは右前方をタイーガは左前方を中心に殲滅していく。小物はあまり相手に出来ないかもしれないのでここまで来るであろう。決して無理をせず練習の通りに行動すればみんなの敵ではないからな! 夜間がどのタイミングで進行が止まるかわからないが進行が止まるまで十分気をつけるように! では今から殲滅作戦を開始する!」
唐辛子で出来た口の腫れが引いたペイロンが全員に声を掛けていよいよ作成が開始された。
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