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第1章
誘拐事件
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インターホン越しに来夢が返事をする。
「はーい」
「岩田さんですか? 九州ローンの伊山と申します。お迎えにまいりました」
「わざわざありがとうございます。ちょっとお待ち下さい」
ドアを開けると、玄関先にはあまり目つきの良くない男性が立っていた。
来夢が伊山について歩いていくとそこには窓が真っ黒なスモークガラスで覆われたワンボックスカーが停まっていた。
「ではこちらの車にお乗り下さい」
伊山がスライドドアを開け来夢を座席に座らせ、自分は反対側のドアから乗り込んだ。俺は約束通りに認識阻害の魔法を掛けて来夢の足元に潜り込む。
「おい!出せ」
伊山が運転手に声を掛けると運転手は音楽のボリュームを上げた後に車はゆっくり走り始めた。
しばらく車が走っていると伊山が突然首を縦に振った。それと同時に来夢の後ろからロープを持った手が伸び来夢の体を座席ごと縛った。来夢が悲鳴を上げようとしたら横から伊山が来夢の口を抑え声が漏れないようにしている。
後ろにいた男は体を縛った後に来夢の口に猿轡をして声がでないようにしたあと、更に目隠しをした。
『大丈夫だからおとなしくしてるにゃ』
俺は来夢を安心させるため念話で来夢に伝える。
「よぉ姉ちゃんよくも弁護士とか訳の判らないもん連れてきたな。おかげで大きな損失を被っちゃたよ。だから姉ちゃんにはその損失を弁償してもらわないと割が合わないんだよな。だから今から誰も来ないような山奥の飯場か、外国の言葉の通じないような島のどちらかで働いてもらおうと思うんだ。姉ちゃんはどっちがいいかい? 日本がいいか? 海外がいいか?」
来夢はどっちらにも首を横に振る。
「どっちか決めてもらわないとな。まぁどっちにしろ、ここには二度と戻ってこれないけどな」
伊山は脅しをかけるためか、過去にも同様の事を何度もしているとか、反抗した人を遠回しに殺したような事を言って来夢に追い込みをかけていく。全て録音されていると知らずに馬鹿なやつだ。俺はすぐに来夢に対していやらしい事をしたりする様子がないので少し安心して、良いチャンスがないかを外の様子とナビの画面を見ていた。
車が信号待ちで止まった。そこは目の前に警察署があるT字路で、ちょうど歩行者もまわにはいないので、他の人を巻き込む可能性もない。まず来夢に障壁とクッションの魔法を掛けて多少のショックでもムチ打ち等にならないようにしておく。もちろん自分にも掛けることを忘れない。信号が青に変わった瞬間運転手の意識を刈ってハンドルを固定しつつアクセルを最大限に押し込んだ。車は勢いをつけて警察署の門柱にぶつかった。
ガッシャーーーン
後ろの座席が良く見えるように来夢のいる席のガラスを魔法で叩き割る。
警察署の中からは「なんだ?なんだ?」とゾロゾロと警察官が出てきて、車に近づいてきた。最初は普通の交通事故と思って車を見ると、後部座席には明らかに監禁された女性と男性が数名乗っていた事で、事件性がある事故だと判断され、すぐに来夢は保護された。伊山らは多少怪我はしたが、大怪我では無かったのでそのまま現行犯逮捕されたが、来夢は念の為病院へ搬送された。
来夢を見た医者は車の損傷の状態の写真を警察官に見せられたが、首をかしげるほど来夢は無傷でレントゲン等でも全く異常は無かった。
「岩田来夢さんですね? 今回の事件を担当する捜査1課の守野です。こちらは船瀬です。よろしくお願いします」
少しダンディな刑事さんと女性刑事さんが来夢に挨拶をして、今までの状況を確認する。来夢はローン会社での一幕を説明してから、ボイスレコーダーですべて録音していたことや車の中の会話からそれが原因で攫われた事を伝えた。
「いや~それは怖かったですね。しばらくは船瀬と誰かもう一人を警護につけますのでご安心ください。ボイスレコーダーでの会話があれば立件もすぐにできそうです」
簡単な事情聴取が終わって来夢には新田に電話させて、今回の事情を説明させた。新田からは後は任せてくれと返事をもらったのでローン会社への対応はきっちりしてくれるだろう。まぁ一段落したら、あのローン会社には地獄をみてもらう予定だけどな……
***********************************************************
『なぁ来夢! 事故っても怪我しなかったよにゃ?昨日の幸せになる魔法の効果だにゃ!』
「トラちゃん……トラちゃんが防御の魔法つかっただけじゃん」
『お気に入り入れてくれた人は幸せになる魔法をかけておいたにゃ!』
「はーい」
「岩田さんですか? 九州ローンの伊山と申します。お迎えにまいりました」
「わざわざありがとうございます。ちょっとお待ち下さい」
ドアを開けると、玄関先にはあまり目つきの良くない男性が立っていた。
来夢が伊山について歩いていくとそこには窓が真っ黒なスモークガラスで覆われたワンボックスカーが停まっていた。
「ではこちらの車にお乗り下さい」
伊山がスライドドアを開け来夢を座席に座らせ、自分は反対側のドアから乗り込んだ。俺は約束通りに認識阻害の魔法を掛けて来夢の足元に潜り込む。
「おい!出せ」
伊山が運転手に声を掛けると運転手は音楽のボリュームを上げた後に車はゆっくり走り始めた。
しばらく車が走っていると伊山が突然首を縦に振った。それと同時に来夢の後ろからロープを持った手が伸び来夢の体を座席ごと縛った。来夢が悲鳴を上げようとしたら横から伊山が来夢の口を抑え声が漏れないようにしている。
後ろにいた男は体を縛った後に来夢の口に猿轡をして声がでないようにしたあと、更に目隠しをした。
『大丈夫だからおとなしくしてるにゃ』
俺は来夢を安心させるため念話で来夢に伝える。
「よぉ姉ちゃんよくも弁護士とか訳の判らないもん連れてきたな。おかげで大きな損失を被っちゃたよ。だから姉ちゃんにはその損失を弁償してもらわないと割が合わないんだよな。だから今から誰も来ないような山奥の飯場か、外国の言葉の通じないような島のどちらかで働いてもらおうと思うんだ。姉ちゃんはどっちがいいかい? 日本がいいか? 海外がいいか?」
来夢はどっちらにも首を横に振る。
「どっちか決めてもらわないとな。まぁどっちにしろ、ここには二度と戻ってこれないけどな」
伊山は脅しをかけるためか、過去にも同様の事を何度もしているとか、反抗した人を遠回しに殺したような事を言って来夢に追い込みをかけていく。全て録音されていると知らずに馬鹿なやつだ。俺はすぐに来夢に対していやらしい事をしたりする様子がないので少し安心して、良いチャンスがないかを外の様子とナビの画面を見ていた。
車が信号待ちで止まった。そこは目の前に警察署があるT字路で、ちょうど歩行者もまわにはいないので、他の人を巻き込む可能性もない。まず来夢に障壁とクッションの魔法を掛けて多少のショックでもムチ打ち等にならないようにしておく。もちろん自分にも掛けることを忘れない。信号が青に変わった瞬間運転手の意識を刈ってハンドルを固定しつつアクセルを最大限に押し込んだ。車は勢いをつけて警察署の門柱にぶつかった。
ガッシャーーーン
後ろの座席が良く見えるように来夢のいる席のガラスを魔法で叩き割る。
警察署の中からは「なんだ?なんだ?」とゾロゾロと警察官が出てきて、車に近づいてきた。最初は普通の交通事故と思って車を見ると、後部座席には明らかに監禁された女性と男性が数名乗っていた事で、事件性がある事故だと判断され、すぐに来夢は保護された。伊山らは多少怪我はしたが、大怪我では無かったのでそのまま現行犯逮捕されたが、来夢は念の為病院へ搬送された。
来夢を見た医者は車の損傷の状態の写真を警察官に見せられたが、首をかしげるほど来夢は無傷でレントゲン等でも全く異常は無かった。
「岩田来夢さんですね? 今回の事件を担当する捜査1課の守野です。こちらは船瀬です。よろしくお願いします」
少しダンディな刑事さんと女性刑事さんが来夢に挨拶をして、今までの状況を確認する。来夢はローン会社での一幕を説明してから、ボイスレコーダーですべて録音していたことや車の中の会話からそれが原因で攫われた事を伝えた。
「いや~それは怖かったですね。しばらくは船瀬と誰かもう一人を警護につけますのでご安心ください。ボイスレコーダーでの会話があれば立件もすぐにできそうです」
簡単な事情聴取が終わって来夢には新田に電話させて、今回の事情を説明させた。新田からは後は任せてくれと返事をもらったのでローン会社への対応はきっちりしてくれるだろう。まぁ一段落したら、あのローン会社には地獄をみてもらう予定だけどな……
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『なぁ来夢! 事故っても怪我しなかったよにゃ?昨日の幸せになる魔法の効果だにゃ!』
「トラちゃん……トラちゃんが防御の魔法つかっただけじゃん」
『お気に入り入れてくれた人は幸せになる魔法をかけておいたにゃ!』
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