女神にさらわれ異世界で魔王を倒した大賢者!魔法も使える勝ち組人生予定で現代に戻ってみたら駄女神のミスで何故か猫の体にされちゃったにゃ

ぽてたん

文字の大きさ
41 / 114
幕間2 異世界から戻るまで

王都到着

しおりを挟む
 ようやく王都の門が見えてきた。

「じゃ、俺は偽装を掛けて従者の格好で入るな」

「そうだな、死んだことになっている奴が入り口から入る訳にはいかないか」

 偽装の魔法を掛けて、従者席に座る。
 門に近づくと、衛兵達も気づいて走り寄ってきた。

「勇者様、魔王は討伐されたのですか?」

「おう!魔王は完全に倒してきたぞ!」

「「おぉー」」

 周りから歓声が上がる。

「勇者様、聖女様は居られますが、賢者様は何処に居られるのでしょうか?」

 ペイロンは少し悲しそうな顔をしながら、

「タイガは、魔王との最後の戦いで残念ながら力尽きた」

「そ、そんな…」

「残念だが、あいつは立派な最後だった。その報告も含め、すぐに王城に行きたいが先触れを頼む」

「はっ すぐに連絡して参ります」

 しばらく待たされた後、王城への入城が許可された。
 新しい馬車が用意されたが、この馬車も従者も魔王討伐の大事な仲間だと言い張り、そのまま入城する事ができた。
 ペイロンは国王に内密の話があるので、人払いをして謁見したいと伝え、国王も魔王討伐で何か公に出来ない事があるのかと思い了承した。

 謁見の間ではこの国トリアムの王、アンヘル ・バレーロ・トリアム3世とマルト女王、クリティーネ王女、ロマーノ王子、ハーラルフ宰相が待っていた。

 謁見の間に入場すると、国王は3人を見てタイガがいない事に気づき、

「まさかタイガ殿は…… 我々の都合でこちらの世界に呼び出し、こんな事になるとは何と申し訳ないことをしたのだろうか」

「タイガは、ろこいったの?」

 クリスティーネ王女は顔をキョロキョロさせながらタイガを探していた。

「陛下、早とちりをしないでください。あいつが死ぬわけないでしょう。ここにいますよ。タイガ早く偽装解けよ」

 びっくりする5人を前に偽装を解くとそこには黒髪黒目の賢者タイガが姿を表した。

「タイガしゃま、おかえりなしゃい」

 クリスティーネ王女は走り寄り飛びついてきた

「クリス様ただいま帰りました。」

 クリスティーネ王女にそう答えると、王女は嬉しそうに笑ってくれた。

 ハーラルフ宰相は顔をしかめながら

「なんと、この部屋では魔法が使えないはずなのだが・・・」

「こいつの魔法を使えないようにしようとしたら、国中の魔法師を使って結界張っても難しいのじゃないか?」

 ペイロンは笑いながら言った。

「タイガ殿、ペイロン、カテリーナ、この度は魔王討伐、本当にありがとうございました。ようやくこの国、いやこの世界が平和な世の中になることができました。感謝してもしきれません」

「ペイロン殿、タイガ殿、カテリーナ様、ありがとうございました。自分も一緒に行けるほど強くないのが悔しいです。」

 マルト王妃、ロマーノ王子はそれぞれ感謝の言葉を述べ深く頭を下げた。

「お顔をお上げ下さい。そんなに大した事をした訳ではありません。我々だけでなく、トリアムの国民全てが協力してくれたおかげで魔王を討伐できたのです。この勝利は全員の勝利です」

「さてタイガ殿はどうして偽装してこの部屋に?」

 ハーラルフ宰相よりそう聞かれた。

「パレードが終わって、落ち着いたら日本へ帰ろうと思う。魔石も大量に取れたので召喚時みたいに魔力不足で気を失う神官もいないだろう。女神様とも戻ると約束しているからな。だから俺はこの戦いで死んだことにして欲しい。そしてペイロン達が最後に魔王を倒した事にすると同時に2人の結婚を発表することで、国民に明るい話題を提供して欲しい。」

「盛大にパレードをして、タイガを送ってやりたいのだが」

「陛下、お気持ちはありがたいのですが、他の世界から来た人間の手を借りて倒したとするより、2人が倒した事にした方が国民受けも良いでしょう。もしパレードに出て、その後いなくなれば、変な勘ぐりをしてくる者もでてくるでしょう。帰る準備をしながら城の上からパレードは楽しみますよ」

「わかった。送還の儀まではゆるりと過ごすが良い。クリスティーネの相手もよろしく頼む」

「タイガしゃま、ろこかいくの?」

 クリスティーネ王女が上目遣いに悲しそうな目で見てくる。

「クリス様、タイガはもう少ししたら、自分の国へ帰ります。自分の国でどうしてもやらないといけない事があります。お別れまであまり時間はありませんが、クリス様と出来るだけお会いできるように時間を取りますので」

「やら いったららめ!」

 クリスティーネ王女は泣きながら足にしがみついてきた。子供を相手にしたことがあまり無かったのでどうすれば良いか検討もつかない。

「クリス、もしクリスがいきなり違う場所に連れて行かれたらどうする?帰りたいと思わないかい?お父様もお母様もいない場所で過ごしたいと思うかい?」

 ロマーノ王子が助け舟を出してくれた。クリスティーネ王女は少し考えた後、こう言い放った。

「おとうしゃまはいなくてもらいじょうぶだけど、おかあしゃまがいないのはらめえ」

「そうだろう?だからタイガ様は向こうの世界へ帰られるのだよ。クリスもタイガ様が向こうの世界へちゃんと帰られるように良い子にしておこうよ」

 クリスティーネ王女は悲しそうな顔だったが、こちらを見て

「タイガしゃま、またもろってくる?」

「出来たら戻ってこれるように今、いろいろ調べております。もしも戻ってこれるなら、その時まで良い子にしておいてくださいね。向こうの美味しいお菓子とかを持って帰りますから」

「あい!」

 クリスティーネ王女も少し笑顔で答えてくれた。
 その後ろで、アンヘル国王は娘をみながら絶望に打ちひしがれていた。

「お おっ おとうしゃまはいらないだと…」


「ではパレードは2週間後に行い、その後、送還の儀を行う日程でよろしいでしょうか?」

 宰相がアンヘル国王へそう質問すると、国王はまだ精神的に立ち直っていなかったが、少し気を取り直して、

「フム、そうだなパレードはできれば3週間後に行いたい。そして1ヶ月後に送還の儀を行おう。その間にタイガには申し訳ないが向こうの世界の知恵を出来るだけ紹介してもらい、この国が発展できるようしたいと思う」

「ではその日程で調整いたします。ペイロン殿、タイガ殿もその日程でよろしいか?よろしければすぐに手配いたしましょう」

 2人で頷くと宰相は準備に走るらしく謁見の間を退室していった。

「今日は疲れておるだろう。早めに3人共休むが良い。今後の詳しい話は明日の朝から話し合おう。タイガも城の3階以上は安心して偽装を掛けずとも過ごすと良い」

 アンヘル国王はまだ先程のクリスティーネ王女の言葉が突き刺さったままなのか、少し沈んだ顔でそう言った。アンヘル国王が鈴を鳴らすと侍女たちが入室してそれぞれの前に躓いた。

「タイガ様おかえりなさいませ。魔王討伐ありがとうございました」

 討伐前から担当の侍女リリアーヌは微笑みながら挨拶をした。

「ただいまリリー、明日までゆっくり休みたいよ」

「はい、もうお部屋も湯浴み場もご準備できております」

「じゃ陛下失礼いたします」

 謁見の間を退出して、勝手知ったる城の中を歩き自分の部屋へ入った。

「ふうううううううう」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。

ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~

とんがり頭のカモノハシ
ファンタジー
「別の世界から勇者を召喚する卑怯な手口」に業を煮やした堕天使・ルシファーにより、異世界へ魔王として転生させられた大学生・左丹龍之介。 先代・魔王が勇者により討伐されて100年――。 龍之介が見たものは、人魔戦争に敗れた魔族が、辺境の森で厳しい生活を余儀なくされている姿だった。 魔族の生活向上を目指し、龍之介は元魔王軍の四天王、悪魔公のリリス、フェンリルのロキア、妖狐の緋魅狐、古代龍のアモンを次々に配下に収めていく。 バラバラだった魔族を再び一つにした龍之介は、転生前の知識と異世界の人間の暮らしを参考に、森の中へ楽園を作るべく奔走するのだが……

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

処理中です...