女神にさらわれ異世界で魔王を倒した大賢者!魔法も使える勝ち組人生予定で現代に戻ってみたら駄女神のミスで何故か猫の体にされちゃったにゃ

ぽてたん

文字の大きさ
101 / 114
第5章 究極の選択をするにゃ

商業ギルドに行くはずだったにゃ

しおりを挟む
 昨日の晩餐はとても好評に終わり、あまり香辛料など無かったこの世界の住人にも十分美味しさは伝わったようだった。結局ケーキは厨房以外では殆どを女性に食べられてしまったようで、男性陣からは不満の声が上がったようなので、今日のおやつとして多めに煎餅を準備して男性用と女性用と別に置いてきたがどうなることやら……

『それじゃリリアーヌ行くにゃ!』

 俺を抱っこしてリリアーヌと護衛の為に少し離れたところから平服の2人の騎士が付いてくる。今日は商業ギルドでいくつかの工房や商会を紹介してもらう目的で街中を歩いているが、まだ約束の時間もあるので屋台等を覗きつつ散策していた。

「お前らさっさとあっちに行け! お前らがいると商売の邪魔なんだよ!」

 大きな声に振り向くと、ガタイの良いおっさんがまだ小学生低学年くらいの女の子を蹴ろうとしていた。そのままでは間に合わないと思いリリアーヌの胸元からおっさんの足元に転移しておっさんの右足と左足を拘束魔法バインドで繋ぐと、バランスを崩しておっさんは盛大にずっこけた。

 リリアーヌが駆け寄って女の子に声を掛けた。

「大丈夫?」

「うん! 大丈夫」

 無事を確認したら氷のような声で転がっている男性に声をかける。

「こんな小さな子どもを足蹴にするとは、情けないと思わないのですか? この子が何かしたのですか?返答次第ではタダでは済ませませんよ?」

「こいつらがいると臭うし、残飯を漁ったり邪魔なんだよ!」

「だからと言って蹴って良いと?」

「……そうでもしないと退かないだろ」

「だからと言って子供を蹴って良い理由にはなりませんけど? この子が何かを盗んだとかならまだしも、いるだけで蹴ってよいのであれば貴方を蹴っても良いと?」

「そんな無茶苦茶な事を……」

 言い合いをしていると警備隊が数人やってきた。

「この騒ぎはなんだ!」

「またスラムの奴らが来たんで追い払おうとしたら、この女が難癖付けて来たんだよ」

「また、こいつらか…… おう姉ちゃんコイツラはゴミなんだよ、追い払わないと虫みたいに湧いてきて俺らの仕事の邪魔なんだ。ごちゃごちゃ文句なんぞ言うな」

「ゴミですと?」

「そうだぜ、こいつらの中には盗みをするやつもいるし、人を騙すやつもいる碌なやつはいなんだよ。だからこいつらを見つけたら追い払うようにしてるんだ、文句あるなら王様にでも文句言うんだな!」

「それが、国民を守る警備隊なんですね」

「国民は守るがゴミは守る必要はないだろ? あんたもこんな子供にかまってないでさっさとどっか行けよ」

「ハァー わかりました。貴方のおっしゃるとおりにトリアム様に進言しておきましょう。ハインツさん今の件をすぐに王城へ伝えていただけますか? 警備隊の仕事は全ての国民を守る為にあるものでは無いそうなので、すぐに全ての国民を守れる者を手配してくださいと、筆頭侍女長が言ってましたと付け加えてくださいね」

「ハッ! すぐに王城へ報告へ走ります」

 後ろから付いてきていたイケメン騎士がリリアーヌの命令を受けダッシュで走り去って行った。ポカーンとする警備隊とおっさんと俺……
 リリアーヌってもしかして偉いの?

「あ、あのー? 貴方様は?」

「王城の侍女長のリリアーヌと申します」

 後ろの方からザワザワとする声が聞こえる。

「リリアーヌ様ってあの狂乱の少女?」

「そうだよ、女性騎士で王様が賊に囲まれたときに彼女1人で守りきって、最後は意識がないのに身体は敵を切りまくって味方もしばらくは近づけなかったって噂の方だよ」

 えっ? そうなの? 騎士だったからお風呂も気配無しに覗かれていたのかな?
 何より何?その二つ名は……

『リリアーヌがそんな過去を持っていたとは知らなかったにゃ、狂乱の少女様だにゃ』

「タイガ様、昔のことですから決して口に出さないように……」

 静かに低い声でそう言われると、とても怖い…… やはりリリアーヌは怒らせてはいけないな……

 後ろからはまだリリアーヌの噂話が聞こえてくる。

「そんな方がなんで侍女なんてしてるんだ?」

「ロマーノ王子が生まれたときに騎士を引退して王家専属の侍女兼護衛になられたそうだ」

 なるほど、護衛には最適だろうな。見た目は優しそうな普通の侍女さんだしな……

 しばらくすると馬に乗ったロマーノ王子と騎士が5名ほどやってきた。ハインツと呼ばれた騎士も平服のまま騎乗して一緒に戻ってきた。

「ロマーノ様が来られたのですか?」

 さすがのリリアーヌも少しびっくりしていたが

「治安を守る警備隊は私の管轄ですから、私がいきませんとリリアーヌの顔に泥を塗るようなものです。ところで先程、話しは簡単に聞きましたが、警備隊の方々は王家の文句があるそうなので、取り急ぎやって参りました。どうかお話を聞かせていただきたいですね」

 さっきまで偉そうにしていた警備隊の面々は顔は真っ青で足はガクガク震えている。ちょっとした大騒ぎになったため他の警備隊や警備隊長もやってきた。

「こ、これはどのような騒ぎで?」

 警備隊長が警備隊に聞くが警備隊は当然答えられずにうつむいていると、ロマーノ王子がニッコリ笑いながら

「先程、侍女長のリリアーヌから連絡があり、警備隊は全ての国民を守る為ではなく、一部の国民だけを守る組織だと聞いてやってましたがそうなのですか? 警備隊の入隊では全ての国民を守るため命を掛けると宣誓をしていたと思いますが?」

 それを聞いて警備隊長も真っ青になりながら

「いえ、我々は全ての国民を守るために存在します。もしも王子のおっしゃるような隊員がいるようであれば再度教育をしなければなりません」

「そうですか、ではしっかり教育をお願いしますね、今後このような事があれば許しませんよ」

「ハッ! しかと! おい、こいつらは再教育だ連れて行け!」

 暴言を履いた警備隊員は全員連れて行かれた。

「最初の原因を作った者は貴方ですね?」

「ヒィイイイ、す、すみません命ばかりはお助けください」

 土下座で謝るおっさんにロマーノ王子は馬からおりて頭を下げた。

「ヘッ?」

「我々の市政が行き届いてなくてスラムをそのまましていて申し訳なかった。しかしながらスラムの住人も同じトリアムの国民なので、どうかもう少しだけ長い目で見ていただけないだろうか?どうにかしてスラムを無くして誰もが安心して過ごせる国を目指していくのでよろしく頼む」

「め、めっそうもございません、蹴ろうとした私が悪いんです。頭をお上げください」

「そうですね、何があっても暴力はいけません。なにかスラムの方が迷惑な行為をしたのであれば、しっかり警備隊へ報告してください」

「は、はいっ。今後は決して暴力を振るわないようにします」

「では今回だけは許しましょう」

「あ、ありがとうございます……」

 おっさんは礼を言うと走って逃げて行った。

 残された少女に話を聞いてみなければ……



*************************************

家族の容態が芳しく無いために数日間更新をお休みするかもしれません。

必ず完結させますので、お待ち下さい。

それまでブクマやお気に入りに入れていただけますと嬉しいです。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~

とんがり頭のカモノハシ
ファンタジー
「別の世界から勇者を召喚する卑怯な手口」に業を煮やした堕天使・ルシファーにより、異世界へ魔王として転生させられた大学生・左丹龍之介。 先代・魔王が勇者により討伐されて100年――。 龍之介が見たものは、人魔戦争に敗れた魔族が、辺境の森で厳しい生活を余儀なくされている姿だった。 魔族の生活向上を目指し、龍之介は元魔王軍の四天王、悪魔公のリリス、フェンリルのロキア、妖狐の緋魅狐、古代龍のアモンを次々に配下に収めていく。 バラバラだった魔族を再び一つにした龍之介は、転生前の知識と異世界の人間の暮らしを参考に、森の中へ楽園を作るべく奔走するのだが……

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。

処理中です...