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第6章 行ったり来たりの日常
トリアムへ人間の姿で戻るにゃ
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駄メルから人間へ戻れると言われた翌日に自宅で帰還のパーティを開いてもらった。
「トラちゃんの人間になりたい! 実現おめでとうパーティを今から開催します! じゃカンパーイ!!」
来夢の乾杯で幕を開けたパーティだが、なんだそのタイトルは……
来夢に新田、まりの親子はもちろん、元フェイザー製薬だった中林や鹿野、エリクサーで救った武村親子等もそろっている。それらのメンバーには誓約の魔法を掛けた上で、異世界の事も話をして異世界で役立つ物の調達やアイデアをもらっている。
『みんなありがとにゃ! でもこっちではずっとこの格好なので変わらないと思うにゃ! 結局駄女神様はこの話し方しか認めてくれなかったにゃ……』
「トラちゃんはその話し方じゃないとトラちゃんじゃないの」
まりのがそう言うと
「もうみんな慣れたからな! むしろその子猫の格好でおっさんの喋りだったら怖いわ!」
『新田そんなこと言っていいのかにゃ? まだ来夢に話してないこといっぱいあるにゃ……』
「お、おい! やめろおお」
「トラちゃーん? まだなにかあるのかな? しゃべらないとモフり倒すわよ!」
来夢の顔が怖い……
『主軸は向こうの世界に置くけど、こっちにもちょくちょく戻ってくるにゃ、動物の保護とかはしっかりお願いするにゃ。お金はいざとなったらエリクサーを売って稼ぐにゃ』
「大丈夫ですよ、グッズの売上や寄付等で今のところは十分まかなえていますから」
『武村さんよろしくにゃ! そういえば健一とまりのはどうなってるにゃ?』
「な、なにを……」
顔を真っ赤にした健一が俯いた。
『まりのはどう思ってるにゃ?』
「健一おにいちゃん? うーんわかんないの…… でもきらいじゃないの」
『健一、良かったにゃ? まだ脈はあるにゃ』
「健一おにいちゃんが獣医さんになったら付き合ってあげてもいいの」
『が、がんばれにゃ……』
健一も猫神社での活動を手伝うようになって将来は獣医を目指すと言っていたからな……
夢は大きく持っておいた方がいいだろう。
みんなと色々な事を話をして、今後の方針なども決めていった。だいたいは来夢と新田にまかせておいて大丈夫だろうから、今までのように10日おきではなく1ヶ月か2ヶ月に一度日本に帰るペースで過ごしていく予定にしている。残念ながら日本と異世界でのリアルタイムでの通信は出来なかったが小さな転移門を作って手紙のやり取りだけはすぐに出来るようにはなった。10日以上あけばいつでも戻れるのでなにかあればそれで戻ってくれば大丈夫だろう。一番のリスクはやはりエリクサー絡みの誘拐や脅迫なので、結界や防御をガチガチに固めたお守りを主要なメンバーには送っている。送別会はしてもらったが、今まで10日ごとに戻っていたのが少し長くなるだけなので、みんなもそんなに寂しそうではなく、向こうで新しい身体になったらすぐに写真を撮って送れというリクエストだったり、クリスティーネ王女達へのプレゼントの話などで盛り上がっていた。
翌日になり、いよいよトリアムへ戻る時がやってきた。
『じゃ来夢行ってくるにゃ、今回はそんなに長くは行かないと思うにゃ。新しい身体に慣れたらもどってくるからよろしくにゃ!』
「じゃトラちゃんいってらしゃい! ちゃんとすぐに写真と動画を撮ってSDカードを送ってね!」
『わかったにゃ! じゃ行ってくるにゃ』
いつものようにどこでもド◯を開いて中に入っていく。
今回は始めて猫から人間への魂の移設が間に入るので、今までとは違う感覚になるのだろうか?
泳ぐような感覚で進むと出口が2つあった。
タイガちゃん(人間) トラちゃん(子猫ちゃん)
タイガをくぐると人間で戻れて、トラを選ぶと今のままの姿で通過できるのだろう……
何故にタイガちゃん?
ちゃん……
なにか嫌な予感しかしないが、タイガと書いてある門をくぐることにした。
門をくぐるとなにか全身を締め付けるような感覚になり、無理やり窮屈な全身タイツを履かされるような感じだった。それが終わると出口のドアが見えてきた。ドアを抜けようとしたが、ドアの大きさが大きく見える。トラの時は身体が小さいので非常に大きく感じたが、人間の身体に戻ってもけっこう大きなドアに見えた。ドアは自動で開くのでドアノブに触る必要はないが、ドアノブの位置がちょうど頭の位置って……
巨人でも通れるサイズに駄メルがリメイクしたのだろうか?
とりあえず出口のドアをくぐってみる。
ドアを出るといつものトリアムの転移陣だったが、俺が来るのをいつも監視している孤児院の担当がこちらを見るとビクッとしてから、おもむろに刀を抜いてこちらに向けてきた。
「ここは、タイガ様専用の転移門である。タイガ様以外は使えないはずだが、ぼうや、君はどこから来た?」
別の監視担当は鐘をいつもと違うテンポで鳴らし初めた。ガラガラ、ガラン! ガラガラ、ガラン!
「えと、タイガだが……」
「嘘を付くな! タイガ様とは違う!」
「あ、あれか? 子猫じゃないからか? ようやく人間に戻れたんだよ!」
遠くから走ってくる足音が聞こえたので、いつものようにクリスが入ってくると思ったら、今日は騎士の人達が先に抜剣して入ってきた。
「おい、何か異常があったのか?」
「はい、転移門から小さな少年が出てきました。タイガ様ではなさそうなので非常呼び出しでお呼びしました」
えっ? 少年? 俺のことか?
手のひらを見てみると小さい……
もしかして若返りって……
若くしすぎだろおおおおおお
「トラちゃんの人間になりたい! 実現おめでとうパーティを今から開催します! じゃカンパーイ!!」
来夢の乾杯で幕を開けたパーティだが、なんだそのタイトルは……
来夢に新田、まりの親子はもちろん、元フェイザー製薬だった中林や鹿野、エリクサーで救った武村親子等もそろっている。それらのメンバーには誓約の魔法を掛けた上で、異世界の事も話をして異世界で役立つ物の調達やアイデアをもらっている。
『みんなありがとにゃ! でもこっちではずっとこの格好なので変わらないと思うにゃ! 結局駄女神様はこの話し方しか認めてくれなかったにゃ……』
「トラちゃんはその話し方じゃないとトラちゃんじゃないの」
まりのがそう言うと
「もうみんな慣れたからな! むしろその子猫の格好でおっさんの喋りだったら怖いわ!」
『新田そんなこと言っていいのかにゃ? まだ来夢に話してないこといっぱいあるにゃ……』
「お、おい! やめろおお」
「トラちゃーん? まだなにかあるのかな? しゃべらないとモフり倒すわよ!」
来夢の顔が怖い……
『主軸は向こうの世界に置くけど、こっちにもちょくちょく戻ってくるにゃ、動物の保護とかはしっかりお願いするにゃ。お金はいざとなったらエリクサーを売って稼ぐにゃ』
「大丈夫ですよ、グッズの売上や寄付等で今のところは十分まかなえていますから」
『武村さんよろしくにゃ! そういえば健一とまりのはどうなってるにゃ?』
「な、なにを……」
顔を真っ赤にした健一が俯いた。
『まりのはどう思ってるにゃ?』
「健一おにいちゃん? うーんわかんないの…… でもきらいじゃないの」
『健一、良かったにゃ? まだ脈はあるにゃ』
「健一おにいちゃんが獣医さんになったら付き合ってあげてもいいの」
『が、がんばれにゃ……』
健一も猫神社での活動を手伝うようになって将来は獣医を目指すと言っていたからな……
夢は大きく持っておいた方がいいだろう。
みんなと色々な事を話をして、今後の方針なども決めていった。だいたいは来夢と新田にまかせておいて大丈夫だろうから、今までのように10日おきではなく1ヶ月か2ヶ月に一度日本に帰るペースで過ごしていく予定にしている。残念ながら日本と異世界でのリアルタイムでの通信は出来なかったが小さな転移門を作って手紙のやり取りだけはすぐに出来るようにはなった。10日以上あけばいつでも戻れるのでなにかあればそれで戻ってくれば大丈夫だろう。一番のリスクはやはりエリクサー絡みの誘拐や脅迫なので、結界や防御をガチガチに固めたお守りを主要なメンバーには送っている。送別会はしてもらったが、今まで10日ごとに戻っていたのが少し長くなるだけなので、みんなもそんなに寂しそうではなく、向こうで新しい身体になったらすぐに写真を撮って送れというリクエストだったり、クリスティーネ王女達へのプレゼントの話などで盛り上がっていた。
翌日になり、いよいよトリアムへ戻る時がやってきた。
『じゃ来夢行ってくるにゃ、今回はそんなに長くは行かないと思うにゃ。新しい身体に慣れたらもどってくるからよろしくにゃ!』
「じゃトラちゃんいってらしゃい! ちゃんとすぐに写真と動画を撮ってSDカードを送ってね!」
『わかったにゃ! じゃ行ってくるにゃ』
いつものようにどこでもド◯を開いて中に入っていく。
今回は始めて猫から人間への魂の移設が間に入るので、今までとは違う感覚になるのだろうか?
泳ぐような感覚で進むと出口が2つあった。
タイガちゃん(人間) トラちゃん(子猫ちゃん)
タイガをくぐると人間で戻れて、トラを選ぶと今のままの姿で通過できるのだろう……
何故にタイガちゃん?
ちゃん……
なにか嫌な予感しかしないが、タイガと書いてある門をくぐることにした。
門をくぐるとなにか全身を締め付けるような感覚になり、無理やり窮屈な全身タイツを履かされるような感じだった。それが終わると出口のドアが見えてきた。ドアを抜けようとしたが、ドアの大きさが大きく見える。トラの時は身体が小さいので非常に大きく感じたが、人間の身体に戻ってもけっこう大きなドアに見えた。ドアは自動で開くのでドアノブに触る必要はないが、ドアノブの位置がちょうど頭の位置って……
巨人でも通れるサイズに駄メルがリメイクしたのだろうか?
とりあえず出口のドアをくぐってみる。
ドアを出るといつものトリアムの転移陣だったが、俺が来るのをいつも監視している孤児院の担当がこちらを見るとビクッとしてから、おもむろに刀を抜いてこちらに向けてきた。
「ここは、タイガ様専用の転移門である。タイガ様以外は使えないはずだが、ぼうや、君はどこから来た?」
別の監視担当は鐘をいつもと違うテンポで鳴らし初めた。ガラガラ、ガラン! ガラガラ、ガラン!
「えと、タイガだが……」
「嘘を付くな! タイガ様とは違う!」
「あ、あれか? 子猫じゃないからか? ようやく人間に戻れたんだよ!」
遠くから走ってくる足音が聞こえたので、いつものようにクリスが入ってくると思ったら、今日は騎士の人達が先に抜剣して入ってきた。
「おい、何か異常があったのか?」
「はい、転移門から小さな少年が出てきました。タイガ様ではなさそうなので非常呼び出しでお呼びしました」
えっ? 少年? 俺のことか?
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