1 / 1
出逢い
出逢い?
しおりを挟む四月のよく晴れた日、この前まで中学生だった子たちが新しい制服に身を包んで高校に入学した。
扉付きの下駄箱
中学にはなかったものだ。
入学式から数日、友達の顔も名前も、教員だってみんな初めましてで覚えるのに必死の日々。
「麻美さん」
「はい」
下校しようと自分の下駄箱から靴を出そうとしていた時、この学校の教員であろう男の人に呼び止められた。
「先生、さようなら」
「さようなら」
すごく見つめてくる
眼鏡の奥には細い目がほほえんでいる
わたしも、従順で無垢な新入生になりきって同じようにほほえみ返した
目の前にいる、この学校の教員であろう男の人の名前を思い出せないことは隠して。
「君と会うのは初めてじゃない」
「??」
こちらの反応を試すような言い方。
初めてじゃない…あ!
「入学説明会のときの…先生?」
三月末に、新入生が教科書を購入したり入学について説明される登校日があった。
その時に教室で教壇に立って説明してくれた先生だ!
「やればできるではなく、やれ…」
その時に熱く語っていた言葉を思い出し口にした
「それもそう。
だけど、それより前に俺たちは出会ってる」
「???」
全然わからなくて変な顔をしていただろう
なんて困る言い方をするんだろう
「一年前の2月、麻美さんのおじいさんのお葬式」
「え!」
0
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる