先生に恋した日々

watashidayo

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出逢い

出逢い?

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四月のよく晴れた日、この前まで中学生だった子たちが新しい制服に身を包んで高校に入学した。

扉付きの下駄箱
中学にはなかったものだ。


入学式から数日、友達の顔も名前も、教員だってみんな初めましてで覚えるのに必死の日々。

「麻美さん」

「はい」

下校しようと自分の下駄箱から靴を出そうとしていた時、この学校の教員であろう男の人に呼び止められた。

「先生、さようなら」

「さようなら」

すごく見つめてくる
眼鏡の奥には細い目がほほえんでいる
わたしも、従順で無垢な新入生になりきって同じようにほほえみ返した

目の前にいる、この学校の教員であろう男の人の名前を思い出せないことは隠して。


「君と会うのは初めてじゃない」

「??」

こちらの反応を試すような言い方。

初めてじゃない…あ!

「入学説明会のときの…先生?」


三月末に、新入生が教科書を購入したり入学について説明される登校日があった。
その時に教室で教壇に立って説明してくれた先生だ!

「やればできるではなく、やれ…」

その時に熱く語っていた言葉を思い出し口にした

「それもそう。
 だけど、それより前に俺たちは出会ってる」

「???」

全然わからなくて変な顔をしていただろう
なんて困る言い方をするんだろう

「一年前の2月、麻美さんのおじいさんのお葬式」

「え!」
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