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第七幕 転生歌姫と王都大祭
第七幕 プロローグ 『王都の賑わい』
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私達エーデルワイス歌劇団の王都デビューは予想以上に高評価を得ることができ、大成功と言ってよいだろう。
王都での初回公演は今も続いているが、噂が噂を呼び、連日満員御礼となっている。
そして当然の事ながら、私の事も大きな噂となって王都中を駆け巡っている…らしい。
長らく直系の王族がまだ幼いクラーナしか居らず、民としても何かあったときの心配をしていたので私の帰還は歓迎すべき事、という風潮に加え…私自身の演説(?)の内容も概ね好意的に受け入れられているとのこと。
更に、自分で言うのもイヤらしい話だが…容姿の点でも大人気。
更に更に言えば、ブレゼンタムの英雄『星光の歌姫』(あぅ…)その人であると言う事実も伝わって…もう、私の人気は鰻登りなんだって。
そんな訳で、これでは外を歩くことも出来なくなるのかな…なんて思っていたのだが、実際はそんな事もなく。
いや、確かに注目度は今までよりも段違いなのだが…私が王女であることと、常に護衛騎士(ケイトリン)が付き従っているので、気軽に近付くようなマネは出来ないみたい。
でも声援とかはあるので、笑顔で手を振ってファンサービスはしっかり行ってる。
そしてこの状況…常に人に注目されているというのは、暗殺の標的にされてる私にとっては好ましい事だ。
こんなに注目を浴びている中で襲撃するのは難易度が高いだろうからね。
なりふり構わず遠距離から弓なり魔法なりで攻撃される可能性もあるのだけど…実は護衛はケイトリンだけではなく、暗部(私的には忍者のイメージ)の人も何人か周囲にいるらしい。
それを聞いた時は、やっぱり外出はなるべく控えた方が良いかな?と思ったのだが、ケイトリン曰く「彼らの普段の任務も似たようなものですし、負担が変わる訳ではないから気にしなくていいですよ」との事だったので気にしないことにした。
「でも…これだけ注目を集めてると、もう外で迂闊なことは出来ないね」
「有名税ってやつですね。…カイトさんとイチャイチャできませんね~?」
「そ、そそそそんな事は……はぁ、でもブレゼンタムでは光の速さで街中のウワサになったからなぁ…尾鰭付きで。だけど、まだ一緒に王都を見回っていないし、ゆっくりとデ、デートでもしてみたいな…」
「いいじゃないですか、今度一緒に出かけたらどうです?…今の状況では二人きりは難しいかもしれませんが、逆に護衛がいた方が変な噂も立たないでしょうし」
「そうだね……まぁ、二人きりで出かけるのは諸々の問題を片付けて…カイトとの仲もハッキリするまではお預けだね。いつになる事やら…」
アグレアス侯爵に対する捜査については大きな進展はなく、監視は継続するものの捜査の方は証拠不十分でそろそろ打ち切りになるらしい。
邪神教団の方も目ぼしい情報は得られておらず、こちらも大きな進展はないと聞いている。
「それなんですけど…邪神教団については少し情報があったみたいです。今朝聞いたばかりの話なので、まだ関係者にも共有されてはいないと思いますが…」
それまでの気楽な様子から一転して真面目モードになったケイトリンが神妙な面持ちで話し始める。
「え?そうなの?」
「はい。と言っても…まだ有力な手掛かりと言えるほどではないのですが」
「どんな情報なの?」
「どうも最近、身内に不幸があった人を対象に話しかけてくる怪しい人物がいるとか…」
「それって…」
「はい。マクガレンの時と同じ手口かもしれません。もう一度亡くなった者に会いたくはないか?などと声をかけてるらしいのですが…話を聞いた人達は不気味に思って早々に立ち去ったとの事です」
「…奴らが王都でも暗躍してるかも知れないという事だね」
「はい、その可能性が高いかと。何れの証言でも、その声を掛けてきた人物はフードを目深に被っていて、声も男なのか女なのかも分からないという事で…それ以上のことは分かってないです。…ただ、その手口に関しては、リッフェル領の事件のあと民に向けての注意喚起はされてますから…奴らもなかなか成果が上がらないんじゃないですかね」
「そう…だと良いのだけれど。何れにしても地道に捜査は続けないとね。目撃証言が多くなれば何か分かるかもしれないし」
「はい。また何かわかりましたらお話しますね」
「うん、お願いね。…それにしても、今日はなんだか人が多いね?」
今日明日は公演がお休みなので、暇を持て余した私は街の様子を見ようと散歩がてら外に出てきたのだ。
…劇に出る人達はミーティングとか稽古で忙しいよ?
リィナとかミーティアもね!
レティシアはまだ王都に来たばかりで、何だかんだ忙しいみたいだし、ルシェーラも捕まらなかった。
…アレ?
もしかして私、暇人?
そ、そんなはずは…仮にも王女なんだし。
でも、勉強とかはしてるけどまだ公務とかは無い…
いや、異界の魂や邪神教団の対策会議とかは出てるし、何れはもっと色々やることも出てくるはず。
そうだ!
これは散歩じゃない、視察なんだよ!
それに、明日は私のお披露目のための夜会が予定されてるから、帰ってからが忙しいんだよ!
などと心の中で自分に言い訳していると、街が活気づいている理由をケイトリンが教えてくれた。
「あ~、もう一週間後には『武神祭』が始まりますからね~。既に王都外からも沢山の観光客が来てるでしょうし、いつもより賑やかですよね」
「あ、そうか…それでか。ウチの劇団もその期間中に特別公演やるんだよね~。劇場前広場で」
「いや~、今話題沸騰中のエーデルワイス歌劇団がタダで見れるとあっては…あの広場でも足りないんじゃないですかねぇ?」
「父様も、入場規制かけたり路地を封鎖したりとかで騎士団や衛兵を動員するとか言ってたけど…そんなになるのかな?」
「そりゃあそうですよ。今やエーデルワイス歌劇団のチケットは超プラチナチケットですからね~。私なんか毎回護衛で特等席で見れて…他の団員から相当羨ましがられてますよ~、うひひひ…」
優越感に浸って不気味な笑い声を上げるケイトリン…
「でもさ、そんなに毎回見てたら流石に飽きるんじゃない?」
「そんなことないですよ~。毎回新たな発見がありますし、毎回微妙な演技の違いを見つけるのも楽しいですし。何と言ってもカティア様の歌は何度聞いても飽きることなんてないですし」
「あ、ありがと…」
ちょっと照れる。
「ところで、武神祭と言えば…やっぱり目玉はアレだよね」
「ああ、『武神杯大闘技会』ですか」
「そうそう!私としてはそれが一番の楽しみなんだよね~」
「…カティア様って見た目によらず結構武闘派ですよね」
「そ、そぉ?ほ、ほら私、これでもAランク冒険者だし…」
「まあ、あの一座で育った方ですもんね~」
うぐっ…それって私も脳筋扱いに聞こえる…
いかん…!
最近また女子力が不足していないだろうか!?
「いや~、いいじゃないですか。歌って戦える超絶美少女王女!カッコイイですって!…それに、イスパル王国は武勇を尊ぶ気風ですからね」
「美少女云々はともかく…そう言ってもらえると。でも、やっぱり楽しみには違いないね」
「そうですね~」
でも…達人同士の戦いを見るのも良いのだけど、やっぱり自分も参加してみたいなぁ…
こっそり参加…できないかな?
王都での初回公演は今も続いているが、噂が噂を呼び、連日満員御礼となっている。
そして当然の事ながら、私の事も大きな噂となって王都中を駆け巡っている…らしい。
長らく直系の王族がまだ幼いクラーナしか居らず、民としても何かあったときの心配をしていたので私の帰還は歓迎すべき事、という風潮に加え…私自身の演説(?)の内容も概ね好意的に受け入れられているとのこと。
更に、自分で言うのもイヤらしい話だが…容姿の点でも大人気。
更に更に言えば、ブレゼンタムの英雄『星光の歌姫』(あぅ…)その人であると言う事実も伝わって…もう、私の人気は鰻登りなんだって。
そんな訳で、これでは外を歩くことも出来なくなるのかな…なんて思っていたのだが、実際はそんな事もなく。
いや、確かに注目度は今までよりも段違いなのだが…私が王女であることと、常に護衛騎士(ケイトリン)が付き従っているので、気軽に近付くようなマネは出来ないみたい。
でも声援とかはあるので、笑顔で手を振ってファンサービスはしっかり行ってる。
そしてこの状況…常に人に注目されているというのは、暗殺の標的にされてる私にとっては好ましい事だ。
こんなに注目を浴びている中で襲撃するのは難易度が高いだろうからね。
なりふり構わず遠距離から弓なり魔法なりで攻撃される可能性もあるのだけど…実は護衛はケイトリンだけではなく、暗部(私的には忍者のイメージ)の人も何人か周囲にいるらしい。
それを聞いた時は、やっぱり外出はなるべく控えた方が良いかな?と思ったのだが、ケイトリン曰く「彼らの普段の任務も似たようなものですし、負担が変わる訳ではないから気にしなくていいですよ」との事だったので気にしないことにした。
「でも…これだけ注目を集めてると、もう外で迂闊なことは出来ないね」
「有名税ってやつですね。…カイトさんとイチャイチャできませんね~?」
「そ、そそそそんな事は……はぁ、でもブレゼンタムでは光の速さで街中のウワサになったからなぁ…尾鰭付きで。だけど、まだ一緒に王都を見回っていないし、ゆっくりとデ、デートでもしてみたいな…」
「いいじゃないですか、今度一緒に出かけたらどうです?…今の状況では二人きりは難しいかもしれませんが、逆に護衛がいた方が変な噂も立たないでしょうし」
「そうだね……まぁ、二人きりで出かけるのは諸々の問題を片付けて…カイトとの仲もハッキリするまではお預けだね。いつになる事やら…」
アグレアス侯爵に対する捜査については大きな進展はなく、監視は継続するものの捜査の方は証拠不十分でそろそろ打ち切りになるらしい。
邪神教団の方も目ぼしい情報は得られておらず、こちらも大きな進展はないと聞いている。
「それなんですけど…邪神教団については少し情報があったみたいです。今朝聞いたばかりの話なので、まだ関係者にも共有されてはいないと思いますが…」
それまでの気楽な様子から一転して真面目モードになったケイトリンが神妙な面持ちで話し始める。
「え?そうなの?」
「はい。と言っても…まだ有力な手掛かりと言えるほどではないのですが」
「どんな情報なの?」
「どうも最近、身内に不幸があった人を対象に話しかけてくる怪しい人物がいるとか…」
「それって…」
「はい。マクガレンの時と同じ手口かもしれません。もう一度亡くなった者に会いたくはないか?などと声をかけてるらしいのですが…話を聞いた人達は不気味に思って早々に立ち去ったとの事です」
「…奴らが王都でも暗躍してるかも知れないという事だね」
「はい、その可能性が高いかと。何れの証言でも、その声を掛けてきた人物はフードを目深に被っていて、声も男なのか女なのかも分からないという事で…それ以上のことは分かってないです。…ただ、その手口に関しては、リッフェル領の事件のあと民に向けての注意喚起はされてますから…奴らもなかなか成果が上がらないんじゃないですかね」
「そう…だと良いのだけれど。何れにしても地道に捜査は続けないとね。目撃証言が多くなれば何か分かるかもしれないし」
「はい。また何かわかりましたらお話しますね」
「うん、お願いね。…それにしても、今日はなんだか人が多いね?」
今日明日は公演がお休みなので、暇を持て余した私は街の様子を見ようと散歩がてら外に出てきたのだ。
…劇に出る人達はミーティングとか稽古で忙しいよ?
リィナとかミーティアもね!
レティシアはまだ王都に来たばかりで、何だかんだ忙しいみたいだし、ルシェーラも捕まらなかった。
…アレ?
もしかして私、暇人?
そ、そんなはずは…仮にも王女なんだし。
でも、勉強とかはしてるけどまだ公務とかは無い…
いや、異界の魂や邪神教団の対策会議とかは出てるし、何れはもっと色々やることも出てくるはず。
そうだ!
これは散歩じゃない、視察なんだよ!
それに、明日は私のお披露目のための夜会が予定されてるから、帰ってからが忙しいんだよ!
などと心の中で自分に言い訳していると、街が活気づいている理由をケイトリンが教えてくれた。
「あ~、もう一週間後には『武神祭』が始まりますからね~。既に王都外からも沢山の観光客が来てるでしょうし、いつもより賑やかですよね」
「あ、そうか…それでか。ウチの劇団もその期間中に特別公演やるんだよね~。劇場前広場で」
「いや~、今話題沸騰中のエーデルワイス歌劇団がタダで見れるとあっては…あの広場でも足りないんじゃないですかねぇ?」
「父様も、入場規制かけたり路地を封鎖したりとかで騎士団や衛兵を動員するとか言ってたけど…そんなになるのかな?」
「そりゃあそうですよ。今やエーデルワイス歌劇団のチケットは超プラチナチケットですからね~。私なんか毎回護衛で特等席で見れて…他の団員から相当羨ましがられてますよ~、うひひひ…」
優越感に浸って不気味な笑い声を上げるケイトリン…
「でもさ、そんなに毎回見てたら流石に飽きるんじゃない?」
「そんなことないですよ~。毎回新たな発見がありますし、毎回微妙な演技の違いを見つけるのも楽しいですし。何と言ってもカティア様の歌は何度聞いても飽きることなんてないですし」
「あ、ありがと…」
ちょっと照れる。
「ところで、武神祭と言えば…やっぱり目玉はアレだよね」
「ああ、『武神杯大闘技会』ですか」
「そうそう!私としてはそれが一番の楽しみなんだよね~」
「…カティア様って見た目によらず結構武闘派ですよね」
「そ、そぉ?ほ、ほら私、これでもAランク冒険者だし…」
「まあ、あの一座で育った方ですもんね~」
うぐっ…それって私も脳筋扱いに聞こえる…
いかん…!
最近また女子力が不足していないだろうか!?
「いや~、いいじゃないですか。歌って戦える超絶美少女王女!カッコイイですって!…それに、イスパル王国は武勇を尊ぶ気風ですからね」
「美少女云々はともかく…そう言ってもらえると。でも、やっぱり楽しみには違いないね」
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