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第七幕 転生歌姫と王都大祭
第七幕 11 『武神祭〜初日の朝』
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武神祭当日、私は早朝から身支度を整えている。
王女として開催の儀に参加するのだが、今回は特に挨拶とかするわけではない。
ニコニコ笑って手を振ってれば良いんだって…
その後も父様母様にくっついて主な催し物に出席…主催者に挨拶したりするとのこと。
そして今回はクラーナとミーティアも一緒だ。
二人ともクラーナの部屋で支度をしているはず。
ミーティアは最近、王城にいるときはクラーナの部屋に遊びに行っていることが多い。
私がいろいろと忙しくしていると言うのもあるけど、二人はすっかり親友って感じである。
「如何でしょうか、カティア様」
私の髪を整えてくれていたマリーシャが仕上がり具合を確認してくる。
「ありがとう、バッチリだと思うよ」
今日の私の装いは、スカイブルーのノースリーブのワンピースドレスにホワイトのボレロ。
髪はアップに結い上げてもらった。
晴れ渡った夏空のイメージ、爽やかな感じでまとめてみた。
「じゃあ時間も丁度よいし行きましょうか」
「はい、行ってらっしゃいませ」
マリーシャに見送られて部屋を出ると、外に待機していたケイトリンとオズマと共に集合場所へと向う。
「二人とも、似合ってるじゃないの」
「へへ~、そうでしょうそうでしょう」
「…馬子にも衣装ってやつだな」
「なんだとぉっ!?」
「はい、そこ喧嘩しないの」
今二人は通常の騎士ではなく、近衛の格好をしているので、いつもより華やかな感じだ。
私の専属護衛騎士という事で近衛に配置換えとなったらしい。
「しかし、あんな事件を起こした私が近衛など…よろしかったんでしょうか?」
「別にあなたが起こしたわけではないでしょう。私は信頼してるし、父様やリュシアンさんもそう判断したのでしょう?問題ないわ」
「そ~そ~、細かいことは気にしない気にしない」
「…なら良いのですが(二人だけだと暴走しがちだから、とストッパー役を期待されてるんだが…多分振り回されるんだろうな)」
…何だろ。
悩んでるような表情をしたかと思ったら、直ぐに達観したような雰囲気になってる。
…ま、いいか。
そして、父様母様やミーティア、クラーナとも合流して、開催の儀が執り行われる会場…ディザール神殿がある北大広場に馬車で向う。
「おねえさま、おまつりたのしみですね!」
「うん、そうだね。クラーナはどこか行きたいところはあるの?」
「おねえさまのげきだんがみたいです!ミーティアちゃんもでるってききました」
「うん、ミーティアも出るよ!がんばるの!」
「うん、たのしみにしてるね!」
「ああ、明日だね。…結局、広場で公演するのは見送りになっちゃったんだよね…」
今の盛況ぶりから見て混乱は必至であることと、襲撃騒ぎのせいで警備上の問題もあるという事で、公演自体は劇場内で行い、映像投写の魔道具で広場からも見れるようにする事になったのだ。
劇場内での観覧は特別に招待した人たちのみが入れる。
父様母様も招待してるので、クラーナも一緒に連れて行ってもらうのだろう。
「まあ、今回は仕方ないだろ。だが…俺たちはおかげでゆっくりと観覧出来るが、民たちには申し訳ない事をしたな…」
「それでも広場には相当数の観客が押し寄せる事になるでしょうね。人気が出るのは間違いないと思ってましたし、予想通りだったと言うことね」
王都の人口規模はこれまで公演を行った都市とは比べ物にならないし、人の出入りも多いから今後にも期待ができる。
まだそれほど日は経っていないけど、王都を拠点に据えたのは現時点で成功だと言えるだろう。
「でも、その盛況ぶりも父様母様をはじめ、色々な方が尽力してくださったおかげだと思います。父さんたちもそう思っているでしょう」
「そう言ってもらえると甲斐があるな。だが、それは唯のきっかけに過ぎないだろう。お前たちのこれまでの活動が認められた結果だと思うぞ。胸を張って誇ると良い」
「…はい、ありがとうございます」
そう評価してもらえるのは凄く嬉しい。
「そう言えば…入団希望の人も凄く多いと聞いたけど?」
と、母様が聞いてくる。
確かに公演初日以来そういう人が多くて、実際に面談したりもしてるらしいけど。
「今のところ採用したと言う話は聞いてないですね。今はまだ初回公演を始めたばかりですし、あんな騒ぎもありましたから…ただ、将来の事を考えると何れは正式に募集はかけると思います」
今は初期メンバー中心だから徐々に平均年齢も上がってきたからね。
ハンナちゃんやリィナ、ミーティアなど若い世代もいるけど、本格的にそういう事も考えないと行けない時期に来ている。
「…もし劇団員募集の話があるのであれば、こちらにも知らせてくれるか?」
「あ、はい。それは構いませんが…」
「一応王女が所属してるんだ。身辺調査なんかはしておかないとな」
「ああ、そういう事ですか…」
それは当たり前の話か…
私のせいで労力をかけてしまうのは心苦しい気もするのだけど。
「私達王族が活動するにはどうしてもそういった事も必要になって来ます。それを気に病む必要はありませんが…大切なのは、そうやって様々な人達が尽力してくれている事を忘れずに感謝することです。国を支えているのは民。私達が成すべきことはその民を守り導くこと。カティア、あなたの歌声は皆に夢と感動を与える素晴らしいものなのですから、どうか胸を張りなさい」
私の内心を察した母様がそう諭してくれる。
「そうだぞ。大体だな、もう俺なんかよりもカティアの方が人気者だしな!」
「そんなことは…でも、父様母様ありがとうございます。そうですよね…私は皆への感謝を忘れずに頑張ろうと思います」
「クラーナも…今の言葉を忘れないでね」
「はい!クラーナはみんなにいっぱいありがとうをいいます!」
「ミーティアも!」
「ハッハッハ!そうだ、二人とも偉いぞ!」
と、父様が二人のちびっ子の頭をワシャワシャするが…
「あああ……父様!せっかくセットしてるのに乱れてしまうではないですか!」
「おっと、すまんすまん」
「もう…」
と、文句を言いながらもクシャクシャになってしまった二人の髪を整えてあげる。
でも、こうやって家族だけの時は威厳ある王と言うよりは父親として接してくれるのがとても嬉しいと思う。
「…父様。私、武神杯に出場したいです」
武神祭の催し物についての会話の流れで、私は恐る恐る話を切り出してみた。
「ん?構わんぞ」
「やっぱりダメで……え!?良いんですか!?」
ダメ元で聞いてみなのに、まさかあっさり許可されるとは…
「ディザール様の裔たる者が武名を轟かす事に何の否やがあるものか。闘技場では神代遺物によって安全性も担保されてるし何の問題もないぞ。むしろ推奨する」
「そ、そうですか、じゃあエントリーしてみようと思います」
何だか拍子抜けしたけど…取り敢えずは良かったよ。
そんな話をしながら、馬車は会場となる北大広場…ディザール神殿前広場に到着する。
既に広場には多くの人が押しかけているが、馬車が通る道は騎士団員によって確保されており特にスピードを緩めることもなく神殿前まで寄せる。
馬車の扉が開くと父様が先に降りて母様や私達に手を貸して降ろしてくれる。
私達が登場すると人々から大きな歓声が上がった。
中には私の名を呼ぶ声も聞こえる。
う~ん…すっかりロイヤルファミリーの一員だね…
「ほら、言ったとおりだろ?カティアを呼ぶ声が一番多いぞ?」
「そ、そうでしょうか?」
「そうよ。ほら、応えてあげなさいな」
そういわれて、みんなに向かって笑顔で手を降ると、歓声はより大きなものとなる。
うわ~…すごいなぁ…
いまいち現実感が湧いてこないけど…でも、純粋に嬉しい気持ちになる。
この声援を裏切らないようにしないとね。
王女として開催の儀に参加するのだが、今回は特に挨拶とかするわけではない。
ニコニコ笑って手を振ってれば良いんだって…
その後も父様母様にくっついて主な催し物に出席…主催者に挨拶したりするとのこと。
そして今回はクラーナとミーティアも一緒だ。
二人ともクラーナの部屋で支度をしているはず。
ミーティアは最近、王城にいるときはクラーナの部屋に遊びに行っていることが多い。
私がいろいろと忙しくしていると言うのもあるけど、二人はすっかり親友って感じである。
「如何でしょうか、カティア様」
私の髪を整えてくれていたマリーシャが仕上がり具合を確認してくる。
「ありがとう、バッチリだと思うよ」
今日の私の装いは、スカイブルーのノースリーブのワンピースドレスにホワイトのボレロ。
髪はアップに結い上げてもらった。
晴れ渡った夏空のイメージ、爽やかな感じでまとめてみた。
「じゃあ時間も丁度よいし行きましょうか」
「はい、行ってらっしゃいませ」
マリーシャに見送られて部屋を出ると、外に待機していたケイトリンとオズマと共に集合場所へと向う。
「二人とも、似合ってるじゃないの」
「へへ~、そうでしょうそうでしょう」
「…馬子にも衣装ってやつだな」
「なんだとぉっ!?」
「はい、そこ喧嘩しないの」
今二人は通常の騎士ではなく、近衛の格好をしているので、いつもより華やかな感じだ。
私の専属護衛騎士という事で近衛に配置換えとなったらしい。
「しかし、あんな事件を起こした私が近衛など…よろしかったんでしょうか?」
「別にあなたが起こしたわけではないでしょう。私は信頼してるし、父様やリュシアンさんもそう判断したのでしょう?問題ないわ」
「そ~そ~、細かいことは気にしない気にしない」
「…なら良いのですが(二人だけだと暴走しがちだから、とストッパー役を期待されてるんだが…多分振り回されるんだろうな)」
…何だろ。
悩んでるような表情をしたかと思ったら、直ぐに達観したような雰囲気になってる。
…ま、いいか。
そして、父様母様やミーティア、クラーナとも合流して、開催の儀が執り行われる会場…ディザール神殿がある北大広場に馬車で向う。
「おねえさま、おまつりたのしみですね!」
「うん、そうだね。クラーナはどこか行きたいところはあるの?」
「おねえさまのげきだんがみたいです!ミーティアちゃんもでるってききました」
「うん、ミーティアも出るよ!がんばるの!」
「うん、たのしみにしてるね!」
「ああ、明日だね。…結局、広場で公演するのは見送りになっちゃったんだよね…」
今の盛況ぶりから見て混乱は必至であることと、襲撃騒ぎのせいで警備上の問題もあるという事で、公演自体は劇場内で行い、映像投写の魔道具で広場からも見れるようにする事になったのだ。
劇場内での観覧は特別に招待した人たちのみが入れる。
父様母様も招待してるので、クラーナも一緒に連れて行ってもらうのだろう。
「まあ、今回は仕方ないだろ。だが…俺たちはおかげでゆっくりと観覧出来るが、民たちには申し訳ない事をしたな…」
「それでも広場には相当数の観客が押し寄せる事になるでしょうね。人気が出るのは間違いないと思ってましたし、予想通りだったと言うことね」
王都の人口規模はこれまで公演を行った都市とは比べ物にならないし、人の出入りも多いから今後にも期待ができる。
まだそれほど日は経っていないけど、王都を拠点に据えたのは現時点で成功だと言えるだろう。
「でも、その盛況ぶりも父様母様をはじめ、色々な方が尽力してくださったおかげだと思います。父さんたちもそう思っているでしょう」
「そう言ってもらえると甲斐があるな。だが、それは唯のきっかけに過ぎないだろう。お前たちのこれまでの活動が認められた結果だと思うぞ。胸を張って誇ると良い」
「…はい、ありがとうございます」
そう評価してもらえるのは凄く嬉しい。
「そう言えば…入団希望の人も凄く多いと聞いたけど?」
と、母様が聞いてくる。
確かに公演初日以来そういう人が多くて、実際に面談したりもしてるらしいけど。
「今のところ採用したと言う話は聞いてないですね。今はまだ初回公演を始めたばかりですし、あんな騒ぎもありましたから…ただ、将来の事を考えると何れは正式に募集はかけると思います」
今は初期メンバー中心だから徐々に平均年齢も上がってきたからね。
ハンナちゃんやリィナ、ミーティアなど若い世代もいるけど、本格的にそういう事も考えないと行けない時期に来ている。
「…もし劇団員募集の話があるのであれば、こちらにも知らせてくれるか?」
「あ、はい。それは構いませんが…」
「一応王女が所属してるんだ。身辺調査なんかはしておかないとな」
「ああ、そういう事ですか…」
それは当たり前の話か…
私のせいで労力をかけてしまうのは心苦しい気もするのだけど。
「私達王族が活動するにはどうしてもそういった事も必要になって来ます。それを気に病む必要はありませんが…大切なのは、そうやって様々な人達が尽力してくれている事を忘れずに感謝することです。国を支えているのは民。私達が成すべきことはその民を守り導くこと。カティア、あなたの歌声は皆に夢と感動を与える素晴らしいものなのですから、どうか胸を張りなさい」
私の内心を察した母様がそう諭してくれる。
「そうだぞ。大体だな、もう俺なんかよりもカティアの方が人気者だしな!」
「そんなことは…でも、父様母様ありがとうございます。そうですよね…私は皆への感謝を忘れずに頑張ろうと思います」
「クラーナも…今の言葉を忘れないでね」
「はい!クラーナはみんなにいっぱいありがとうをいいます!」
「ミーティアも!」
「ハッハッハ!そうだ、二人とも偉いぞ!」
と、父様が二人のちびっ子の頭をワシャワシャするが…
「あああ……父様!せっかくセットしてるのに乱れてしまうではないですか!」
「おっと、すまんすまん」
「もう…」
と、文句を言いながらもクシャクシャになってしまった二人の髪を整えてあげる。
でも、こうやって家族だけの時は威厳ある王と言うよりは父親として接してくれるのがとても嬉しいと思う。
「…父様。私、武神杯に出場したいです」
武神祭の催し物についての会話の流れで、私は恐る恐る話を切り出してみた。
「ん?構わんぞ」
「やっぱりダメで……え!?良いんですか!?」
ダメ元で聞いてみなのに、まさかあっさり許可されるとは…
「ディザール様の裔たる者が武名を轟かす事に何の否やがあるものか。闘技場では神代遺物によって安全性も担保されてるし何の問題もないぞ。むしろ推奨する」
「そ、そうですか、じゃあエントリーしてみようと思います」
何だか拍子抜けしたけど…取り敢えずは良かったよ。
そんな話をしながら、馬車は会場となる北大広場…ディザール神殿前広場に到着する。
既に広場には多くの人が押しかけているが、馬車が通る道は騎士団員によって確保されており特にスピードを緩めることもなく神殿前まで寄せる。
馬車の扉が開くと父様が先に降りて母様や私達に手を貸して降ろしてくれる。
私達が登場すると人々から大きな歓声が上がった。
中には私の名を呼ぶ声も聞こえる。
う~ん…すっかりロイヤルファミリーの一員だね…
「ほら、言ったとおりだろ?カティアを呼ぶ声が一番多いぞ?」
「そ、そうでしょうか?」
「そうよ。ほら、応えてあげなさいな」
そういわれて、みんなに向かって笑顔で手を降ると、歓声はより大きなものとなる。
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