184 / 683
第七幕 転生歌姫と王都大祭
第七幕 32 『武神杯〜本戦 四強』
しおりを挟む『勝者、ティダ!!』
ワァーーーーッッ!!!
私とシフィルさんの試合のあと順調に試合が消化され、今は第一回戦第六試合…ティダ兄が圧倒的な強さを見せて瞬殺で終わらせたところだ。
『ティダ選手、あっと言う間に…きゃっ!?』
『きゃ~~っ!!ステキよ~ティダ~!!愛してるわ~!!!』
『…うるせえぞ、アネッサ』
もう…恥ずかしいよ姉さん…
と言うか、ずっとそこで解説(?)続けるの…?
『え、え~と…ティダ選手はエーデルワイス歌劇団所属で、Aランク冒険者でもあると言うことですが…ダードレイさん、予選では他の選手全員を戦わずして降参させ、今も試合開始とほぼ同時に決着がついてしまったので、未だにその実力の底が見えないのですが…』
『ティダは凄いのよ~!私の旦那さんなのよ~!』
…これはアレだね。
女性人気が出そうなのを牽制しようとしてるね。
素の可能性もあるが…
『ええいっ!お前は黙ってろ、このバカップルが!…コホン。ああ、アイツは猛者揃いのウチの中でも特に強えんだがな…[閃刃]の二つ名が示す通りとにかく速え。さっきはまるで本気出しちゃいねえんだが、本気になりゃあ目で追うのすら難しくなるぞ』
そうだね、ティダ兄がウチのメンバーでは最速だ。
私や父さんでもその動きを捉えるのは一苦労だよ。
『で、見ての通り二刀流だ。あの速さで二刀が襲いかかってくるんだ。生半可な実力じゃあ、一合たりとも打ち合うことは出来ねぇだろ』
二刀流ってのは単純に二刀あるから強くなる訳じゃない。
優れた技が無ければむしろ一刀よりも弱体化してしまうだろう。
その点、ティダ兄は二刀剣士の到達点にいると言っても過言ではない。
『なるほど…まだまだその実力の全てを見せてはいませんが、今後の強者との戦いが楽しみですね!』
『ああ。少なくとも準決勝、決勝あたりになれば、アイツと互角に闘えるヤツが出てくるだろうからな』
私がこのまま勝ち進めば、決勝戦で当たる可能性があるということだ。
その前に、あのイーディス選手も相当な強者だと思うけど。
そして更に試合が消化され、当のイーディス選手の試合はと言うと…
『そ、そこまで!!勝者、イーディス!!』
第一回戦最後の第八試合。
ティダ兄と同じく一瞬で勝敗が決まる。
相手が不用意に近付いて来たところを、あの鞭のようにしなる奇剣で一撃。
対戦相手から見たら、懐に入った!と思ったら背後から斬られて何が起きたのか分からなかっただろう。
『イーディス選手、強い!!たった一撃で試合を決めてしまいました!!』
『ふむ…やはり強えな。しかもだ、[双蛇剣]の二つ名から察するに…本来は二刀流なんだろ?あの奇剣を二刀同時に扱うとすれば…とんでもねぇ技量ってことだ』
『彼もまだまだその実力を出してはいないと言うことですね!!』
『ああ。準決勝まで行けば面白い試合が見れそうだな』
『勝つのはティダよ~!』
『だぁ!?まだいるのかお前!』
父さんが呼んだんでしょ。
ともかく、これで第一回戦の全ての試合が終わり、ベスト8が出揃った。
特に強者と見込まれているのは、ラウルさん、ティダ兄、イーディスさん、そして自分で言うのも何だが、私、の四人だろう。
それぞれがAランク冒険者級の実力を持つが、当たるのは準決勝以降となる。
他の選手たちはBランク上位くらいの実力と見ている。
弱いわけではないが、Aランクと比べたら今一歩と言うところ。
もちろん油断は出来ないのだが、第二回戦は順当な結果になるだろう。
と言うことで、第二回戦の各試合はダイジェストでお届けします。
~第二回戦第一試合 ラウル 対 ジャン
「オラァーーーっ!!!」
「ぐはっ!?」
試合開始とともに飛び出したラウルさんの拳が、対戦相手にクリーンヒットする!
相手は敢え無く舞台外まで吹き飛ばされて試合終了。
『勝者、ラウル!!』
~第二回戦第二試合 カティア 対 オーベール
「[雷槍]!!」
「くっ!」
私の放った雷撃の魔法は既のところで躱されるが…
「[烈]!!」
私の言葉と共に雷の槍が破裂し、細かな電撃が相手に纏わり付く!
「アバババババッッ!!?」
「せやぁーーっ!!」
ビュンッ!!
「ぐはぁ!!」
電撃で痺れて動けなくなったところを、間合いを詰めて薙刀の斬撃でとどめを刺す!
『そこまで!!勝者、カティア!!』
~第二回戦第三試合 ティダ 対 ロラン
「…ふっ!!」
「あぐっ!?」
ティダ兄は目にも止まらぬ速さで敵の背後に回り込み、双剣の斬撃を見舞った。
まともに打ち合うことなく相手は戦闘不能に。
『勝者、ティダ!!』
~第二回戦第四試合 イーディス 対 アルド
「…」
「…ちっ!俺も一刀で十分って事かよ!舐めるなァ!!」
激昂したアルド選手が一気に間合いを詰める!
イーディスさんの蛇のようにうねる剣が襲いかかるが、流石にここまで勝ち抜いただけあって難なくそれを躱す。
だが、イーディスさんが、クンッ!と手首を返すと、躱したと思った剣の切っ先がアルド選手の背後に回り込んで首筋を狙う!
「はっ!それは前の試合で見たぜ!!」
一回戦でそれを見ていたのが功を奏したのか、アルド選手は背後からの攻撃も躱して遂に剣の届く範囲まで踏み込んだ!!
「もらったァ!!」
あ…それはアカンやつだ。
『もらった!』の80%は、実はもらってないんだよ(経験者談)。
ドゴォっ!!
「ぐはぁっ!!?」
イーディスさんの剣を持っていない方の拳が深々とアルド選手の腹にめり込み…
そのまま戦闘不能と判定されて場外に弾き出されてしまった。
ラウルさんばりの拳打だったねぇ…
あんな技巧を要する武器を使ってるのに、パワーも凄まじい。
というか、全身を鎧で身を固めながら、それを感じさせない俊敏さで動いてるのだからパワーもあるってことだよね。
『勝者、イーディス!!』
これで四強が決まった。
本戦初日の試合はここまで。
明日は準決勝、決勝となる。
いよいよラウルさんとの戦い、そしてそれに勝てれば…ティダ兄かイーディスさんだ。
実力伯仲で誰が優勝してもおかしくないとは思うが…もちろん、私も負けるつもりは無いよ!!
11
あなたにおすすめの小説
異世界で一番の紳士たれ!
だんぞう
ファンタジー
十五歳の誕生日をぼっちで過ごしていた利照はその夜、熱を出して布団にくるまり、目覚めると見知らぬ世界でリテルとして生きていた。
リテルの記憶を参照はできるものの、主観も思考も利照の側にあることに混乱しているさなか、幼馴染のケティが彼のベッドのすぐ隣へと座る。
リテルの記憶の中から彼女との約束を思いだし、戸惑いながらもケティと触れ合った直後、自身の身に降り掛かった災難のため、村人を助けるため、単身、魔女に会いに行くことにした彼は、魔女の館で興奮するほどの学びを体験する。
異世界で優しくされながらも感じる疎外感。命を脅かされる危険な出会い。どこかで元の世界とのつながりを感じながら、時には理不尽な禍に耐えながらも、自分の運命を切り拓いてゆく物語。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件
フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。
だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!?
体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる