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第九幕 転生歌姫の学園生活
第九幕 5 『クラブ見学2』
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教室棟を離れた私達は、隣接する実験棟に向かった。
…アルフレドさんと勧誘の先輩たちが揉めてる間にコソコソっと抜け出してきたのだ。
「良かったのかな、あのままで…」
「良いのですよ。兄が自分で撒いた種なんですから」
「そ、そう?でも、私のために色々と尽力してくださったみたいだし…」
心苦しいのだ。
「大丈夫ですわ。兄も言っていた通り、カティアさんが気に病むことではありません。むしろ喜々としてましたし」
「それなら良いのだけど…」
「はいはい、そのうち慣れるだろうからもう良いじゃないの。カティアはさ、もっとど~んと構えて『お~っほっほっほ!良きに計らいなさい!』とか言っても良いんだよ?」
「いや、どこの悪役令嬢なの、それは……まあ、いいや。気を取り直していきましょう」
と言う訳で最初にやって来たのは、レティの希望である『魔道具研究会』だ。
なかなか人気のあるクラブらしく、かなり広い実験室が割り当てられているみたい。
「失礼しま~す、見学に参りました~」
部屋の扉を開けながら、レティが元気よく挨拶する。
中にいた人達の視線が一斉にこちらに向いた。
「おお、これはこれはレティシア様…それにカティア様も」
お?
ここではどうやらレティの方が注目度が高いらしい。
神童って言われるほどいろんな魔道具を発明してるんだもんね。
きっと魔道具界隈では有名人に違いない。
「かの『鉄の公爵令嬢』にお越しいただけるとは、光栄の至りでございます」
「やだな~先輩。ふつ~に後輩相手する感じで良いですよ。こっちもその方がやりやすいですし」
『鉄の公爵令嬢』と言う二つ名は特に気にならないんだね、レティは…
「ふむ、そうですか……では改めて。ようこそ我が魔道具研究会へ。僕が会長のリーアムだ。よろしく頼むよ」
「「「よろしくお願いします!」」」
私たちの他にも新入生が何人か来ていて、丁度これからクラブの活動内容を説明するところだったらしい。
ナイスタイミング、だね。
クラブのメンバーはリーアムさんの他に二年生と三年生がそれぞれ十名ほど…中々の大所帯のような気がするが、これでも規模としては中堅と言ったところらしい。
「さて、僕たちの活動内容だが……まあ、一言で言えばクラブ名の通り魔道具を研究する、と言うことになるのだけど……既存の魔道具を改良したりもするのだけど、やっぱり最大の目的は新たな魔道具を生み出す。これに尽きるね」
「例えば、どんなのです?」
「そうだね…目覚ましい成果がいつも出せるわけじゃないけど、コレなんか結構凄いと思うよ」
と言って見せてくれたのは、掌に収まるくらいの四角い箱のようなもの。
一方の面に丸い穴が開いていて、そこに透明なガラス玉のような物が埋まっている。
一見して前世のある道具を連想させるが、まさか…
「これはどう言う魔道具なんですか?」
「映像を離れた場所に映し出すと言う魔道具があるだろう?…ああ、そうだね、国立劇場でも使われてるやつだ。その魔道具の原理を応用してるんだけど、風景を紙に複写することが出来るんだ」
…カメラだ!!
思わずレティと視線を交わすと、彼女もこっちを見て頷いた。
「今、特許申請しているところで…それが通ったらアズール商会より発売予定なんだよ。アイディアと基本的な術式は何年か前に卒業した先輩が出したものなんだけど、それが引き継がれて…最近ようやく完成したばかりなんだ。特許料と売上の一部はその先輩と…少しばかり僕たちのクラブにも入ってくる事になってる。どうだい?夢があるだろう?」
そう誇らしげに語るリーアムさん。
そうだね、凄く夢があるよね。
そして、それ欲しい!!
ミーティアとクラーナを激写したいっ!!
超絶カワイイのが撮れること間違いなしっ!
「そ、それいつ発売予定なんですか?」
興奮して、思わず詰め寄って質問をぶつける。
「わっ!?え、え~と、そうだね……もう特許の審査は終わると思うけど、多分生産体制が整わないと…最初は貴族や富裕層向けに受注生産になるんじゃないかな?」
よしっ!!
権力バンザイっ!
今こそ使わずしていつ使うのか!?
…いや待てよ?
そう言えば私、アズール商会の紹介状もらってたんだった。
以前行きそびれたままだったけど、いい機会だから今度の休みにアズール商会に行ってみようかな。
マイエンジェルたちの姿を永久保存できると思ったら、ついつい暴走しそうになってしまったよ。
「そうそう、これもその先輩が作ったやつでね。簡単な術式だから特許とかは取ってないんだけど、その先輩が開いてるお店では、大人気商品になってるらしいよ」
と、今度見せてくれたのは、一見何の変哲もない髪留めだ。
…いや、これはもしかして?
「これって…『美容の髪留め』ですか?」
「ああ、知ってるんだ。ほんとに人気なんだな」
「…その先輩って、プルシア…と言う名前だったり?」
「そうそう…って知り合いなのかい?」
「あ、はい、そうなんですよ。以前にブレゼンタムのお店の方でお会いしまして…」
「あ、私も商会の仕事の関係でお世話になってますよ。今は王都に来られてますね」
私とレティがそう答えると、リーアムさんは驚いて目を丸くしている。
「へぇ…世間は意外と狭いもんだね。僕らは直接の面識はなかったんだけど、先輩たちから色々な伝説を聞いてたからね……王都にいらっしゃるなら、是非教えを乞いたいものだよ」
伝説……聞きたいような聞きたくないような。
魔道具のことになると周りが見えなくなる人だからねぇ…
でも、リーアムさんが教えを乞いたいと言うくらいだから案外まともな話なのかも。
その後も色々な活動の話を聞いたが、レティは前向きに入会を検討するみたい。
鉄道のプロジェクトや商会の仕事が忙しくない時に限られるが、リーアムさんはそれでも喜んで歓迎すると言ってくれた。
あとは、魔法が得意なメリエルちゃんも少し興味を示していた。
そして、他のクラブを見学する時間もあるので、と魔道具研究会を後にした。
「もう決めちゃうなら、残ってもう少しお話してても良かったんだよ?」
「え~、私だけ仲間外れにする気?」
「仲間外れは良くないよ!」
「いや、そういうわけじゃないけど…もっと色々話を聞きたかったんじゃないの?」
「別に入会すれば、これから幾らでも聞けるでしょ」
「それもそっか。…でも、驚いたよ。プルシアさんって学園の卒業生だったんだね」
本当にいろんなところで人の繋がりがあるものだね。
もしかして、ユリシアさんもそうなのかな?
アパレル同好会とかで伝説になってたり。
「ホントだね~。今度会ったらお話聞いてみるよ」
「私もアズール商会には一度顔を出しておきたいな」
「あ、じゃあさ、今度皆で街に遊びに行こうよ」
と、シフィルが提案する。
うん、それは凄く楽しそうだね。
同年代の友達と遊びに行くと言うのはあまり経験がなくて、この前レティとルシェーラと一緒に武神祭を見に行ったくらいなんだよね。
「じゃあ、次のお休みに皆でお出かけする?」
「「「賛成!」」」
と言うことで決まりだね。
凄い楽しみで週末が待ち遠しいよ。
…アルフレドさんと勧誘の先輩たちが揉めてる間にコソコソっと抜け出してきたのだ。
「良かったのかな、あのままで…」
「良いのですよ。兄が自分で撒いた種なんですから」
「そ、そう?でも、私のために色々と尽力してくださったみたいだし…」
心苦しいのだ。
「大丈夫ですわ。兄も言っていた通り、カティアさんが気に病むことではありません。むしろ喜々としてましたし」
「それなら良いのだけど…」
「はいはい、そのうち慣れるだろうからもう良いじゃないの。カティアはさ、もっとど~んと構えて『お~っほっほっほ!良きに計らいなさい!』とか言っても良いんだよ?」
「いや、どこの悪役令嬢なの、それは……まあ、いいや。気を取り直していきましょう」
と言う訳で最初にやって来たのは、レティの希望である『魔道具研究会』だ。
なかなか人気のあるクラブらしく、かなり広い実験室が割り当てられているみたい。
「失礼しま~す、見学に参りました~」
部屋の扉を開けながら、レティが元気よく挨拶する。
中にいた人達の視線が一斉にこちらに向いた。
「おお、これはこれはレティシア様…それにカティア様も」
お?
ここではどうやらレティの方が注目度が高いらしい。
神童って言われるほどいろんな魔道具を発明してるんだもんね。
きっと魔道具界隈では有名人に違いない。
「かの『鉄の公爵令嬢』にお越しいただけるとは、光栄の至りでございます」
「やだな~先輩。ふつ~に後輩相手する感じで良いですよ。こっちもその方がやりやすいですし」
『鉄の公爵令嬢』と言う二つ名は特に気にならないんだね、レティは…
「ふむ、そうですか……では改めて。ようこそ我が魔道具研究会へ。僕が会長のリーアムだ。よろしく頼むよ」
「「「よろしくお願いします!」」」
私たちの他にも新入生が何人か来ていて、丁度これからクラブの活動内容を説明するところだったらしい。
ナイスタイミング、だね。
クラブのメンバーはリーアムさんの他に二年生と三年生がそれぞれ十名ほど…中々の大所帯のような気がするが、これでも規模としては中堅と言ったところらしい。
「さて、僕たちの活動内容だが……まあ、一言で言えばクラブ名の通り魔道具を研究する、と言うことになるのだけど……既存の魔道具を改良したりもするのだけど、やっぱり最大の目的は新たな魔道具を生み出す。これに尽きるね」
「例えば、どんなのです?」
「そうだね…目覚ましい成果がいつも出せるわけじゃないけど、コレなんか結構凄いと思うよ」
と言って見せてくれたのは、掌に収まるくらいの四角い箱のようなもの。
一方の面に丸い穴が開いていて、そこに透明なガラス玉のような物が埋まっている。
一見して前世のある道具を連想させるが、まさか…
「これはどう言う魔道具なんですか?」
「映像を離れた場所に映し出すと言う魔道具があるだろう?…ああ、そうだね、国立劇場でも使われてるやつだ。その魔道具の原理を応用してるんだけど、風景を紙に複写することが出来るんだ」
…カメラだ!!
思わずレティと視線を交わすと、彼女もこっちを見て頷いた。
「今、特許申請しているところで…それが通ったらアズール商会より発売予定なんだよ。アイディアと基本的な術式は何年か前に卒業した先輩が出したものなんだけど、それが引き継がれて…最近ようやく完成したばかりなんだ。特許料と売上の一部はその先輩と…少しばかり僕たちのクラブにも入ってくる事になってる。どうだい?夢があるだろう?」
そう誇らしげに語るリーアムさん。
そうだね、凄く夢があるよね。
そして、それ欲しい!!
ミーティアとクラーナを激写したいっ!!
超絶カワイイのが撮れること間違いなしっ!
「そ、それいつ発売予定なんですか?」
興奮して、思わず詰め寄って質問をぶつける。
「わっ!?え、え~と、そうだね……もう特許の審査は終わると思うけど、多分生産体制が整わないと…最初は貴族や富裕層向けに受注生産になるんじゃないかな?」
よしっ!!
権力バンザイっ!
今こそ使わずしていつ使うのか!?
…いや待てよ?
そう言えば私、アズール商会の紹介状もらってたんだった。
以前行きそびれたままだったけど、いい機会だから今度の休みにアズール商会に行ってみようかな。
マイエンジェルたちの姿を永久保存できると思ったら、ついつい暴走しそうになってしまったよ。
「そうそう、これもその先輩が作ったやつでね。簡単な術式だから特許とかは取ってないんだけど、その先輩が開いてるお店では、大人気商品になってるらしいよ」
と、今度見せてくれたのは、一見何の変哲もない髪留めだ。
…いや、これはもしかして?
「これって…『美容の髪留め』ですか?」
「ああ、知ってるんだ。ほんとに人気なんだな」
「…その先輩って、プルシア…と言う名前だったり?」
「そうそう…って知り合いなのかい?」
「あ、はい、そうなんですよ。以前にブレゼンタムのお店の方でお会いしまして…」
「あ、私も商会の仕事の関係でお世話になってますよ。今は王都に来られてますね」
私とレティがそう答えると、リーアムさんは驚いて目を丸くしている。
「へぇ…世間は意外と狭いもんだね。僕らは直接の面識はなかったんだけど、先輩たちから色々な伝説を聞いてたからね……王都にいらっしゃるなら、是非教えを乞いたいものだよ」
伝説……聞きたいような聞きたくないような。
魔道具のことになると周りが見えなくなる人だからねぇ…
でも、リーアムさんが教えを乞いたいと言うくらいだから案外まともな話なのかも。
その後も色々な活動の話を聞いたが、レティは前向きに入会を検討するみたい。
鉄道のプロジェクトや商会の仕事が忙しくない時に限られるが、リーアムさんはそれでも喜んで歓迎すると言ってくれた。
あとは、魔法が得意なメリエルちゃんも少し興味を示していた。
そして、他のクラブを見学する時間もあるので、と魔道具研究会を後にした。
「もう決めちゃうなら、残ってもう少しお話してても良かったんだよ?」
「え~、私だけ仲間外れにする気?」
「仲間外れは良くないよ!」
「いや、そういうわけじゃないけど…もっと色々話を聞きたかったんじゃないの?」
「別に入会すれば、これから幾らでも聞けるでしょ」
「それもそっか。…でも、驚いたよ。プルシアさんって学園の卒業生だったんだね」
本当にいろんなところで人の繋がりがあるものだね。
もしかして、ユリシアさんもそうなのかな?
アパレル同好会とかで伝説になってたり。
「ホントだね~。今度会ったらお話聞いてみるよ」
「私もアズール商会には一度顔を出しておきたいな」
「あ、じゃあさ、今度皆で街に遊びに行こうよ」
と、シフィルが提案する。
うん、それは凄く楽しそうだね。
同年代の友達と遊びに行くと言うのはあまり経験がなくて、この前レティとルシェーラと一緒に武神祭を見に行ったくらいなんだよね。
「じゃあ、次のお休みに皆でお出かけする?」
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と言うことで決まりだね。
凄い楽しみで週末が待ち遠しいよ。
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