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第十幕 転生歌姫と忍び寄る戦火
第十幕 11 『迎賓館』
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私達が宿泊する予定の迎賓館は敷地が学院に隣接しているが、直接は繋がっていないので一旦正門から出てから向かうことになる。
学院自体の敷地が非常に広大なので、隣接すると言っても徒歩だと結構な距離がある。
なので、案内の人は馬車を手配してくれようとしたのだけど、母様も含めてみんな歩いていきたいと言って断った。
他国の王妃と王女に、ほんの僅かとはいえ街歩きさせるのは気が引けただろうけど、こちらの意を汲んでくれた。
…ちょっと悪いことをしたかな。
そんなわけで、私達は正門を出て学院の敷地沿いの街路を歩いている。
案内の人の他に、学内では気を利かせて少し離れて付いてきていた護衛や付き人たちも一緒だ。
「本当はね、もっと街歩きもしたかったんだけど…流石にそれは皆反対するでしょうしね。学生の頃は気軽に出歩けたのにねぇ…」
「あら~、だったら変装でもすればいいじゃない~。大体~、カティアちゃんなんかいつも普通に出歩いてるわよね~」
「そうだね…父様も母様も特に何も言わないから……本当なら私だって気軽に出歩くような立場じゃないよね」
「ふふ…あなたと会う前にね、ユリウスと話したのよ。なるべくあなたに不自由な思いはさせないようにしよう…ってね。何せ、あなたたちは旅から旅への暮らしだったでしょう?お城に閉じ込めて束縛したら…嫌われちゃうと思ったの」
「母様……ありがとうございます」
例えそう思っていても…王族としての立場を考えるなら、そう簡単に城から出すようなことはしないだろう。
でも、私の気持ちを第一に考えてくれた。
それが凄く嬉しいし、だからこそ王族としての務めもちゃんと果たしたいと思うのだ。
「でも…変装、良いじゃないですか。私も、母様と一緒に街歩きしてみたいです。ほら、お忍びで街の皆の普段の暮らしを見るのも大切だと思いますよ」
「そうね…それは良いかもしれないわ。民の普段の暮らしを知るのは、為政者として大切なことよね」
まあ、父様も母様も、そんなことをしなくても常に民のことを考える人たちだけど。
リアルな風景を見るのも重要だよね。
そんな話をしているうちに目的地に到着する。
訪問予定の賓客が徒歩でやってきたものだから守衛の人が凄く驚いていたが、そこはプロフェッショナルと言おうか、直ぐに気を取り直して丁重に迎え入れてくれた。
「うにゃ?リィナお姉ちゃん、どうしたの?」
「…え?え~と、ちょっと圧倒されたと言うか……お母さん、私もここに泊まっていいの?何だか場違いのような…」
迎賓館は王族クラスの国費を迎えたりするので、当然ながら相当に立派な建物だ。
歴史を感じさせる重厚な佇まい。
それでいて華やかであり、しかし華美にはなりすぎないように調度品一つ一つが洗練されている。
古い建物のようだが、手が行き届いていて、正に国賓を迎えるのに相応しい品格を持っている。
…私は王城暮らしにだいぶ慣れてきてるけど、確かに一般市民感覚だと気後れしちゃうか…
姉さんの出自的に、リィナも本当はお嬢様なんだけどね。
「そんなに緊張しなくても大丈夫よ~。遠慮しないで~寛がせてもらえばいいのよ~」
「そうよ、リィナちゃん。あまり緊張しすぎると、ここのスタッフも責任を感じてしまうわよ?」
これまで縁がないのだから仕方がないよね。
「まあ、姉さんの実家だって貴族家なんだからここで少しでも慣れるといいよ」
「う、うん…(お母さんが貴族令嬢と言うのが一番ピンと来ないんだけど…)」
中に通された私達は、一旦それぞれの部屋へ案内される。
母様と私とミーティア、姉さんとリィナが同室となる。
部屋の中は王城の私の自室にも劣らないくらいに広く快適そうである。
「母様と泊まるのは初めてですね」
「おばあちゃんといっしょ!」
「ふふふ…家族水入らずってわけね」
ミーティアは早速母様の膝の上だ。
そうして私達は、一先ず旅装を解いて旅の疲れを癒やすために、暫くまったりと部屋で寛ぐのであった。
学院自体の敷地が非常に広大なので、隣接すると言っても徒歩だと結構な距離がある。
なので、案内の人は馬車を手配してくれようとしたのだけど、母様も含めてみんな歩いていきたいと言って断った。
他国の王妃と王女に、ほんの僅かとはいえ街歩きさせるのは気が引けただろうけど、こちらの意を汲んでくれた。
…ちょっと悪いことをしたかな。
そんなわけで、私達は正門を出て学院の敷地沿いの街路を歩いている。
案内の人の他に、学内では気を利かせて少し離れて付いてきていた護衛や付き人たちも一緒だ。
「本当はね、もっと街歩きもしたかったんだけど…流石にそれは皆反対するでしょうしね。学生の頃は気軽に出歩けたのにねぇ…」
「あら~、だったら変装でもすればいいじゃない~。大体~、カティアちゃんなんかいつも普通に出歩いてるわよね~」
「そうだね…父様も母様も特に何も言わないから……本当なら私だって気軽に出歩くような立場じゃないよね」
「ふふ…あなたと会う前にね、ユリウスと話したのよ。なるべくあなたに不自由な思いはさせないようにしよう…ってね。何せ、あなたたちは旅から旅への暮らしだったでしょう?お城に閉じ込めて束縛したら…嫌われちゃうと思ったの」
「母様……ありがとうございます」
例えそう思っていても…王族としての立場を考えるなら、そう簡単に城から出すようなことはしないだろう。
でも、私の気持ちを第一に考えてくれた。
それが凄く嬉しいし、だからこそ王族としての務めもちゃんと果たしたいと思うのだ。
「でも…変装、良いじゃないですか。私も、母様と一緒に街歩きしてみたいです。ほら、お忍びで街の皆の普段の暮らしを見るのも大切だと思いますよ」
「そうね…それは良いかもしれないわ。民の普段の暮らしを知るのは、為政者として大切なことよね」
まあ、父様も母様も、そんなことをしなくても常に民のことを考える人たちだけど。
リアルな風景を見るのも重要だよね。
そんな話をしているうちに目的地に到着する。
訪問予定の賓客が徒歩でやってきたものだから守衛の人が凄く驚いていたが、そこはプロフェッショナルと言おうか、直ぐに気を取り直して丁重に迎え入れてくれた。
「うにゃ?リィナお姉ちゃん、どうしたの?」
「…え?え~と、ちょっと圧倒されたと言うか……お母さん、私もここに泊まっていいの?何だか場違いのような…」
迎賓館は王族クラスの国費を迎えたりするので、当然ながら相当に立派な建物だ。
歴史を感じさせる重厚な佇まい。
それでいて華やかであり、しかし華美にはなりすぎないように調度品一つ一つが洗練されている。
古い建物のようだが、手が行き届いていて、正に国賓を迎えるのに相応しい品格を持っている。
…私は王城暮らしにだいぶ慣れてきてるけど、確かに一般市民感覚だと気後れしちゃうか…
姉さんの出自的に、リィナも本当はお嬢様なんだけどね。
「そんなに緊張しなくても大丈夫よ~。遠慮しないで~寛がせてもらえばいいのよ~」
「そうよ、リィナちゃん。あまり緊張しすぎると、ここのスタッフも責任を感じてしまうわよ?」
これまで縁がないのだから仕方がないよね。
「まあ、姉さんの実家だって貴族家なんだからここで少しでも慣れるといいよ」
「う、うん…(お母さんが貴族令嬢と言うのが一番ピンと来ないんだけど…)」
中に通された私達は、一旦それぞれの部屋へ案内される。
母様と私とミーティア、姉さんとリィナが同室となる。
部屋の中は王城の私の自室にも劣らないくらいに広く快適そうである。
「母様と泊まるのは初めてですね」
「おばあちゃんといっしょ!」
「ふふふ…家族水入らずってわけね」
ミーティアは早速母様の膝の上だ。
そうして私達は、一先ず旅装を解いて旅の疲れを癒やすために、暫くまったりと部屋で寛ぐのであった。
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