310 / 683
第十幕 転生歌姫と忍び寄る戦火
第十幕 30 『婚約パーティー2』
しおりを挟む
イスファハン王子の次は父さんとミーティアがやって来た。
「よう、おめでとさん」
「おめでとうなの~」
「あ、父さん!やたっ、これで少しは食べれる!」
気兼ねなく料理に手が伸ばせる。
「お前な……まあ、いい。しかし、お前たちもやっとこさ婚約か。もうそのまま結婚しちまえばいいのによ」
「いろいろあるんだよ。調整とか手続きとか。それに、私まだ学生だし……もぐもぐ」
「ママ~、私も!」
学生結婚とかって結構あるみたいだけど。
私としては、結婚は一応卒業してからだと思ってる。
「まぁ、お前らのペースで進めりゃ良いんだけどよ。カイト……じゃねえ、テオはイスパルに婿入りなんだろ?」
「ええ。そうなります。引き続きよろしくお願いします」
「劇団か?」
「はい。カティアが歌姫続けるなら、俺も…と。将来的に公務などでどれだけ活動出来るかは分かりませんけど…」
「そっちも、お前たちのペースでやってくれりゃいいさ。最近は入団希望者も増えてきたし、割と余裕も出てきた」
「そだね……あ、これおいし~。ミーティア食べる?「うん!」……そうだ、アリシアさんはどんな感じ?」
「(こいつホントに遠慮がねぇな…)ああ、何度か来てもらっているが…ありゃあ凄えよな。もう後はいつデビューさせようかって話だな」
「やっぱり私の目に狂いはなかったね。いまいち本人が自信持てないみたいだけど。…外堀から埋めていきましょう!…あ、父さん、これ美味しいよ「ちょうだい!」はいはい、食べすぎないでね」
「……程々にしとけよ。注目はされてんだからよ。それよりもだ、テオ」
「はい?」
「今日は、大丈夫なのか?」
何が…とは言わないが、言わんとしてる事は分かった。
以前も私のお披露目パーティーの時もあったからねぇ…
「可能性はあると思います。ですから、警備は通常よりもかなり強化はしていますね」
うん。
衣装はパーティーに合わせた正装だけど、騎士らしき人がそこかしこに配置されてるよね。
「あの、黒角だか黒牙だったか…本拠はまだ分からねぇんだろ?」
「黒爪ですね。捜査は力を入れてやってるんですが、中々…」
「そうか。ま、返り討ちにすりゃいいだけの話だ。お前は武器も持ってねぇんだから大人しく護られてるんだな」
「いやいや、大丈夫だよ。ほら、コレ」
そう言って私は父さんに手を見せる。
その指には光り輝くものが。
「あん?指輪?…婚約指輪か。何だ、惚気か?」
そう、私の指に嵌められているのは大粒の宝石が光り輝く婚約指輪。
宝石は何と魔素結晶だ。
ウパルパ様に貰ったものとは比べることはできないけど、これでもかなり大きな部類に入るからその価値は計り知れない。
テオが迎えに来てくれたときに贈ってくれたものだ。
私の手をとって、そっと嵌めてくれて…真剣な顔で……
きゃあ~!!
思い出しただけで照れるよ!!
……と、そうじゃなくて。
実はコレ、唯の指輪ではなく魔道具なのだ。
その効果は…
「これ、実は収納倉庫の魔道具なんだよ。ルシェーラが持ってたやつと同じだね。で、バッチリ武器一式入ってます」
常在戦場の心得!
「お姫様になってもお転婆なのは変わらんか。自分の身を自分で護れるには越したことはねぇがな」
「無論、俺もカティアを護りますよ」
ま、何事も起きないのが一番ではあるけどね。
そうして父さんと話していると、今度はティダ兄と姉さん、リィナもこちらにやって来た。
そして、イースレイさんや家族の方々も。
「カティア、テオ、おめでとう」
「二人とも~おめでとう~」
「お姉ちゃん、テオお兄さん、おめでとう」
「ありがとう、みんな。それで、そちらは……」
「ええ、紹介するわね~。兄のイースレイは知ってるわよね~?」
「うん。でも、直接お話したことはありませんでしたね。よろしくお願いします」
「イースレイ=ブラバントと申します。お二人には妹がいつもお世話になっております」
「こちらこそ、アネッサさんにはいつもお世話になっております。それにしても…アネッサさんがブラバント家の出身とは驚きましたよ」
レーヴェラントの有力貴族ブラバント家は、何と公爵家だったりする。
初めて聞いたときは私も驚いた。
…見た目や雰囲気は良いとこのお嬢様っぽいんだけど、どうも黒アネッサを知ってる身としてはね~。
「もう私は~『ブラバント家の者』とは言えないし~、名乗るつもりも無いけどね~」
「あれ?仲直り出来たんじゃないの?」
「和解はしたわよ~。でも~、私はティダに嫁いだのだし~、今更生き方は変えられないわ~。…たまに帰省するくらいはすると思うけど~」
そっか。
これまで通りだけど、ちゃんと仲直り出来たみたいだし良かったよ。
「というわけで~、紹介するわね~。こっちが~私の父さん~」
「…テオフィルス様お久しぶりでございます。カティア様は、はじめまして。この度はまことにおめでとうございます。私はブラバント公爵家前当主のクラウス=ブラバントと申します。娘がいつもお世話になっております」
この人がアネッサ姉さんのお父さんか…
話に聞いていたイメージだと、もっと偏屈な頑固者って感じだったんだけど、実際には穏やかな顔つきの優しそうな方だった。
「はじめまして、カティア=イスパルと申します。アネッサさんは私にとっては実の姉のように大事な人です。仲直りが出来て本当に良かったです」
「…娘を気にかけて下さり、本当に有り難うございます」
「で~、こっちが私の上の兄さんね~」
「お二人共、本日はおめでとうございます。私はブラバント公爵家の現当主で、アネッサの兄であるエリアス=ブラバントです。よろしくお願いします」
お兄さんはクラウスさんに似た面影の方で、にこやかに挨拶をしてきてくれた。
こうして私は姉さんの家族と初めての顔合わせを果たし、終始穏やかに言葉を交わすのであった。
「よう、おめでとさん」
「おめでとうなの~」
「あ、父さん!やたっ、これで少しは食べれる!」
気兼ねなく料理に手が伸ばせる。
「お前な……まあ、いい。しかし、お前たちもやっとこさ婚約か。もうそのまま結婚しちまえばいいのによ」
「いろいろあるんだよ。調整とか手続きとか。それに、私まだ学生だし……もぐもぐ」
「ママ~、私も!」
学生結婚とかって結構あるみたいだけど。
私としては、結婚は一応卒業してからだと思ってる。
「まぁ、お前らのペースで進めりゃ良いんだけどよ。カイト……じゃねえ、テオはイスパルに婿入りなんだろ?」
「ええ。そうなります。引き続きよろしくお願いします」
「劇団か?」
「はい。カティアが歌姫続けるなら、俺も…と。将来的に公務などでどれだけ活動出来るかは分かりませんけど…」
「そっちも、お前たちのペースでやってくれりゃいいさ。最近は入団希望者も増えてきたし、割と余裕も出てきた」
「そだね……あ、これおいし~。ミーティア食べる?「うん!」……そうだ、アリシアさんはどんな感じ?」
「(こいつホントに遠慮がねぇな…)ああ、何度か来てもらっているが…ありゃあ凄えよな。もう後はいつデビューさせようかって話だな」
「やっぱり私の目に狂いはなかったね。いまいち本人が自信持てないみたいだけど。…外堀から埋めていきましょう!…あ、父さん、これ美味しいよ「ちょうだい!」はいはい、食べすぎないでね」
「……程々にしとけよ。注目はされてんだからよ。それよりもだ、テオ」
「はい?」
「今日は、大丈夫なのか?」
何が…とは言わないが、言わんとしてる事は分かった。
以前も私のお披露目パーティーの時もあったからねぇ…
「可能性はあると思います。ですから、警備は通常よりもかなり強化はしていますね」
うん。
衣装はパーティーに合わせた正装だけど、騎士らしき人がそこかしこに配置されてるよね。
「あの、黒角だか黒牙だったか…本拠はまだ分からねぇんだろ?」
「黒爪ですね。捜査は力を入れてやってるんですが、中々…」
「そうか。ま、返り討ちにすりゃいいだけの話だ。お前は武器も持ってねぇんだから大人しく護られてるんだな」
「いやいや、大丈夫だよ。ほら、コレ」
そう言って私は父さんに手を見せる。
その指には光り輝くものが。
「あん?指輪?…婚約指輪か。何だ、惚気か?」
そう、私の指に嵌められているのは大粒の宝石が光り輝く婚約指輪。
宝石は何と魔素結晶だ。
ウパルパ様に貰ったものとは比べることはできないけど、これでもかなり大きな部類に入るからその価値は計り知れない。
テオが迎えに来てくれたときに贈ってくれたものだ。
私の手をとって、そっと嵌めてくれて…真剣な顔で……
きゃあ~!!
思い出しただけで照れるよ!!
……と、そうじゃなくて。
実はコレ、唯の指輪ではなく魔道具なのだ。
その効果は…
「これ、実は収納倉庫の魔道具なんだよ。ルシェーラが持ってたやつと同じだね。で、バッチリ武器一式入ってます」
常在戦場の心得!
「お姫様になってもお転婆なのは変わらんか。自分の身を自分で護れるには越したことはねぇがな」
「無論、俺もカティアを護りますよ」
ま、何事も起きないのが一番ではあるけどね。
そうして父さんと話していると、今度はティダ兄と姉さん、リィナもこちらにやって来た。
そして、イースレイさんや家族の方々も。
「カティア、テオ、おめでとう」
「二人とも~おめでとう~」
「お姉ちゃん、テオお兄さん、おめでとう」
「ありがとう、みんな。それで、そちらは……」
「ええ、紹介するわね~。兄のイースレイは知ってるわよね~?」
「うん。でも、直接お話したことはありませんでしたね。よろしくお願いします」
「イースレイ=ブラバントと申します。お二人には妹がいつもお世話になっております」
「こちらこそ、アネッサさんにはいつもお世話になっております。それにしても…アネッサさんがブラバント家の出身とは驚きましたよ」
レーヴェラントの有力貴族ブラバント家は、何と公爵家だったりする。
初めて聞いたときは私も驚いた。
…見た目や雰囲気は良いとこのお嬢様っぽいんだけど、どうも黒アネッサを知ってる身としてはね~。
「もう私は~『ブラバント家の者』とは言えないし~、名乗るつもりも無いけどね~」
「あれ?仲直り出来たんじゃないの?」
「和解はしたわよ~。でも~、私はティダに嫁いだのだし~、今更生き方は変えられないわ~。…たまに帰省するくらいはすると思うけど~」
そっか。
これまで通りだけど、ちゃんと仲直り出来たみたいだし良かったよ。
「というわけで~、紹介するわね~。こっちが~私の父さん~」
「…テオフィルス様お久しぶりでございます。カティア様は、はじめまして。この度はまことにおめでとうございます。私はブラバント公爵家前当主のクラウス=ブラバントと申します。娘がいつもお世話になっております」
この人がアネッサ姉さんのお父さんか…
話に聞いていたイメージだと、もっと偏屈な頑固者って感じだったんだけど、実際には穏やかな顔つきの優しそうな方だった。
「はじめまして、カティア=イスパルと申します。アネッサさんは私にとっては実の姉のように大事な人です。仲直りが出来て本当に良かったです」
「…娘を気にかけて下さり、本当に有り難うございます」
「で~、こっちが私の上の兄さんね~」
「お二人共、本日はおめでとうございます。私はブラバント公爵家の現当主で、アネッサの兄であるエリアス=ブラバントです。よろしくお願いします」
お兄さんはクラウスさんに似た面影の方で、にこやかに挨拶をしてきてくれた。
こうして私は姉さんの家族と初めての顔合わせを果たし、終始穏やかに言葉を交わすのであった。
11
あなたにおすすめの小説
異世界で一番の紳士たれ!
だんぞう
ファンタジー
十五歳の誕生日をぼっちで過ごしていた利照はその夜、熱を出して布団にくるまり、目覚めると見知らぬ世界でリテルとして生きていた。
リテルの記憶を参照はできるものの、主観も思考も利照の側にあることに混乱しているさなか、幼馴染のケティが彼のベッドのすぐ隣へと座る。
リテルの記憶の中から彼女との約束を思いだし、戸惑いながらもケティと触れ合った直後、自身の身に降り掛かった災難のため、村人を助けるため、単身、魔女に会いに行くことにした彼は、魔女の館で興奮するほどの学びを体験する。
異世界で優しくされながらも感じる疎外感。命を脅かされる危険な出会い。どこかで元の世界とのつながりを感じながら、時には理不尽な禍に耐えながらも、自分の運命を切り拓いてゆく物語。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件
フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。
だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!?
体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる