【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!

O.T.I

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第十幕 転生歌姫と忍び寄る戦火

第十幕 44 『それぞれの戦い』

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 次から次へとを峡谷から溢れ出す魔物たち。
 それを迎え撃つのは、扇形に展開したレーヴェラント軍。

 そして遂に両者は激突した。



 魔物たちの構成は、ゴブリン、オーク、オーガと人型が中心だが、獣や爬虫類も混じっていて、ブレゼア平原での戦いのときよりも多種多様であり脅威度もこちらのほうが高そうだ。

 対するレーヴェラント軍は、テオのシギルの力で高められた、私の[絶唱]による強力な支援効果を受け、強力な魔物とも互角以上の戦いを繰り広げ着実に侵攻を食い止めている。


 しかし、先制攻撃によってかなり撃破してもなお数の上で不利な状況は変わらない。
 強力な力を持つことが予想されるボスもいる。

 決して楽観出来るものではない。
 前回は奇跡的に死者を出さなかったが、今回もそうとは限らないのだ。
 数的に不利なこちらは、長丁場となる戦いで次第に疲弊するのは避けられない。
 そうなれば、犠牲者も増えてきてしまうかも知れない。


 それでも……

 誰も死んでほしくない。
 無事に帰ってきてほしい。

 そんな思いを込めて、歌を歌う。



「……こんな時だって言うのに、思わず聞き惚れてしまうね」

「全くだな。噂に名高いエーデルワイスの歌姫。戦勝祝の席でまた聞かせてもらいたいものだ」

「じゃあ、ここはキッチリ完勝しなきゃね」

 ハンネス様とお義母さまがそんな会話をする。
 是非、そうしたいね。

















ーーーー ダードレイ ーーーー


「相変わらずデタラメなスキルだな……と言うか、何だか更に効果が増してねぇか?」

 カティアの絶唱の力で支援を受けたことは何度かあったが、以前にもまして力が漲っている気がする。

「ああ。確かに以前より効果が大きいようだな」

 ティダもそう感じるなら気の所為じゃ無さそうだ。


「…あの姫さん、こんなことも出来るんですかい?」

「何だ?『星光の歌姫ディーヴァ・アストライア』の二つ名は知ってんだろ?ラウル・・・よ」

 まさかコイツも居るとは思わなかった。
 どうやら今回もイスファハン王子に雇われて来たらしい。
 何で冒険者組こっちにいるのかは知らねぇが…


「いや、噂には聞いてたっすけど……話半分に聞いてたもんで、まさかこれ程の力だとは思っても見なかったっす」

 そりゃそうだろうな。
 話に聞いただけじゃあ、このスキルの凄さは理解できねぇだろ。

 きっと、噂を聞いたヤツの大半は半信半疑……大袈裟に喧伝されてるだけだろう、と思ってるかも知れねぇ。

 だが、実際に自分で体験すれば否が応でも理解できるってもんだ。


「これなら…どんな魔物が相手でも余裕っすね!!」

「まあ雑魚どもはそうかもしれんが…数が圧倒的に違うんだから集中は切らすなよ。油断してると思わぬところで足を掬われるからな。ボスもいるしな」

「へへっ…分かってますよ!」

 ま、こいつなら心配ねぇか。

 そろそろ敵さんもやって来る。
 気合い入れて蹴散らしてやる!

「よし、やるぞ!!」

「「応!!」」


ーーーーーーーー









ーーーー イスファハン ーーーー


「凄まじいものだな……力が溢れてくる」

 話には聞いていたが…実際に自分の身で体験すると、その効果の凄さが良く分かる。

 隣の副官……ベテラン将校のベルトランも驚きの表情だ。


「そうですね……しかし、よろしかったのですか?」

「ん?何がだ?」

「こんな前線で戦うなんて、王子の立場なら本陣で指揮に当たる…でも良かったのでは?」

「態々カカロニアから来たのに後方でなんて名折れってもんだろ。それに、折角の実戦の機会は逃せんよ。結局…テオフィルス殿との手合わせも、まだ出来ていないしな」

「確かに、カカロニアの名を轟かすには良い機会かも知れませんな。士気も上々のようですし。……ですが無理はしないで下さいよ?」

「わかってるさ。心配性だな。それにしても……カティア姫、やっぱり惜しかったなぁ…」

 あっさり諦めた風を装ったけど、割と本気で一目惚れだったんだよなぁ…
 まあ、あの二人の間に割って入るなんて出来やしないのは見てれば分かるから、もうどうこうするつもりは無いけどな。

 だが、ここで失恋の鬱憤は晴らさせてもらうぞ。


「よし、そろそろこっちにもやって来るぞ。……総員、戦闘準備!!蹴散らすぞ!!」


 おおーーーっっ!!!


 兵の士気も高い。
 カカロニア軍の勇猛さ、存分に見せつけてやれ!!


ーーーーーーーー
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