【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!

O.T.I

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幕間

幕間20 『戦利品』

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「僕達は助けていただいたので…戦利品ドロップ・アイテムは皆さんで分けてください」

「よろしいのですか?低層階とは言え魔物部屋モンスター・ハウスでしたから…レアなものが期待できるかもしれませんわよ?」

 助けた少年たちのリーダー(やはり学園生、それもルシェーラ達と同学年だった)…アランの言葉に、本当にいいのか?と確認するルシェーラ。

 彼女の言う通り、まるで試練のご褒美であるとばかりに、このようなケースではレアドロップの可能性が高くなる。
 カティアやレティシアだったら、ますますゲームじみてるな…と思ったことだろう。

 ルシェーラの念押しにも意思は変わらないようで、頭を振ってアランは言う。

「いえ、命が助かっただけでも儲けものですよ。あなた達が来なければ今頃…」

 彼のパーティーメンバーも同意するように頷く。
 悔しそうな様子だが、それは自分たちの不甲斐なさを嘆いてのことだろう。
 同級生に助けられた上、おこぼれに預かるなど…プライドが許さない、という事なのかもしれない。

 それを察したルシェーラは、もうそれ以上は言わないことにした。

「…分かりました。では、私達とフリードさんのパーティーで分配いたしますわ」


「よっしゃ!ほら、これ見ろよ!多分ミスリルだぜ!」

 一応はルシェーラ達のやり取りを待っていたフリードだったが、話が終わったのを見ると早速、既に目星をつけていたミスリル製と思しきレイピアを手に取って確かめる。

「ちょっと!ちゃんと話し合ってからだよ!」

「分かってるって。でも、自分の使えそうな武器だったら気になるだろ?」

「それはそうだけど……あ、あそこに落ちてるのは、もしかして…」

「はいはい、とにかく…先ずは手分けして集めてから相談しましょう」

 フリードとシフィルのやり取りを制して、ステラが収拾を図る。
 そうして、部屋のあちこちに散乱しているアイテムを皆で手分けして集めていくのだった。



















「ふぅ…これで全部かな?」

「ふわぁ~……凄いねぇ」

「ガラクタも多いけど、予想外の収入になるんじゃない?」

「まぁ、この人数で分配するからそこまでじゃねえけど…それでも十分な収入かもな」

 集めた戦利品の数々は、魔物の数に見合うほどのもので、全て換金すればかなりの収入が見込めそうであった。


「どうしましょうか?一旦持ち帰って、ギルドで鑑定した後に価値に応じて平等に分配するのが良いと思うのだけど…」

 ステラがそのように提案する。

「ああ、それで良いんじゃないかな。欲しいものがあれば金額換算で平等になればある程度は融通をきかせるとして…」

 ユーグが同意すると、他の面々もそれに頷く。


「…だが、これはどうする?」

 ガエルが指し示したのは、見るからに曰く有りげな収納箱チェスト…要するに宝箱である。

「今回の目玉…って感じ?」

「とにかく、開けてみないことには何とも言えないわね」

「あ、開けるのはちょっと待って。罠がないか調べてみるから」

 そう言ってレイラは箱を仔細に調査し始める。
 先ずは外観から怪しいところがないかを見て、軽く叩いて音を聞いたり、僅かに揺すってみたり……

「ん~…どうやら罠の類は無いみたいだけど…私じゃ魔法トラップまでは分からないのよね……メリエルちゃんは[看破]は使えない?」

 [看破]は対象にかけられた魔法術式を見破る魔法だ。
 このメンバーの中では一番の魔法の使い手であるメリエルに聞くが、彼女は申し訳無さそうに首を横に振る。

「あ、僕は使えますよ。…『その内に秘めたるものを明らかにせよ』」

 ユーグが[看破]の魔法を行使すると、彼の手から放たれた淡い光が箱を包み込む。

「……特に何らかの魔法がかけられてる様子は無いですね」

「よし、それじゃあ開けるわよ…」

 ユーグの魔法の結果を聞いて、レイラは箱の留め金を解除し、意を決して蓋に手をかけて…念の為警戒しながらゆっくりと開けていく。

 皆が固唾をのんで見守る中、開かれた箱の中に入っていたのは……


「……本?」

「…みたいですわね」

「ダンジョンの戦利品ドロップアイテムで本というのは聞いたことがないわね…」

 そう言ってレイラは本を手に取る。
 装丁は皮らしき表紙に縁取りが金属で補強され、多少薄汚れているがかなり豪華なものだ。
 古めかしい感じはするが保存状態は良く、ページを捲るにも支障はなさそうで、レイラはパラパラと中身を確認する。

「……見たことのない文字ね。何が書いてあるのかサッパリだわ」

 その本に書かれている文字は、この大陸で一般的に使われている言語でも神代語でもなさそうで…その場にいた誰も知るものではなかった。

「神代語なら、私読めるんだけどな~」

 学園入試を、ほぼ神学と魔法だけで乗り切ったと言っても過言ではないメリエルが残念そうに言う。

「何でしょうかしらねこれ?……こう言うのはカティアさんに見せると良いかもしれませんわ。あの方、色々なことを御存知ですし、もしかしたら読めたりするかも……先ずはギルドで鑑定してから、と思いますけど」

 これまでもカティアの博識ぶり(?)を目の当たりにしてきたルシェーラがそう言う。


 そして後日、そのルシェーラの判断は正しかったことが判明するのだった。
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