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第十一幕 転生歌姫と迷宮の輪舞曲〈ロンド〉
第十一幕 8 『カティアvsシフィル 再び』
しおりを挟むーーーー ある生徒の視点 ーーーー
はぁ…カティア様…今日もお美しいなぁ…
シフィルさんも負けず劣らずキレイだし…
何という眼福だろうか!
今日の武術の授業は、休み前の素振りやら型やらからいよいよ脱却して本格的なものになると聞いていたので、男子も女子もみんな楽しみにしていた。
その辺はやっぱり武神の国の民だよな…なんて思ったものだ。
だが、授業が始まって早々にスレイン先生が何人かを指名して、それぞれ手合わせするようにと指示をした。
他の生徒らは見学するように、と。
どうやら達人クラスの戦いを見て勉強しろ、という事らしい。
クラスでもそこそこ実力がある連中からしてみれば肩透かしを食らった感じ…かと思ったのだが、カティア様の戦いが見れるとあっては直ぐに観戦モードに切り替え、少しでも良い場所を確保しようと争いになる。
最初の組み合わせは、カティア様対シフィルさん。
1組2組…いや、1年全体…いやいや、学園全体でもトップクラスであろう二人だ。
彼女たちが武神杯で素晴らしい戦いを繰り広げた事は、王都民の多くが知るところだ。
今回はあくまでも武術の授業だから魔法無しとのことだけど、否が応でも期待が高まる。
そして、生徒が見守る中、二人の美少女が相対する。
彼女たちはお互いに、彼女たちの可憐な容姿には似つかわしくない獰猛な笑みを浮かべていた。
ひゃ~……あんな表情を向けられたら、それだけで降参してしまいそうだよ。
…いや、アレはアレで良いかも。
ゾクゾク来るね。
ちょっと変な扉を開きかけたけど、もうすぐ試合開始だ。
そして、スレイン先生立ち会いのもと、戦いの火蓋が切られた!
ーーーーーーーー
試合開始の合図と共にシフィルが矢を放つ。
戦いの嚆矢となるその一射は、正確に私の眉間を狙ってきた。
私は軽く頭を傾けて最小限の動きでそれを回避する。
相変わらずの正確さだ。
射るまでの速度も凄まじく速い。
しかし、挨拶代わりにしてはエグい攻撃だねぇ…
感心している間にも、次から次へと矢は放たれる。
直接狙ってくるものもあれば、こちらの動きを予測して逃げ道を塞ぐようなものもあり、一方的に攻撃されると中々に厄介だ。
こちらもそろそろ仕掛けさせてもらうよ!
私は、矢を散らすように薙刀を大きく振るいながら前進する。
微妙にタイミングをずらしてきたり、対処しづらいが、とにかく近付かない事には始まらない。
当然シフィルも容易に接近などさせまいと、矢を射掛けながらも距離を取ろうと常に動いている。
「うわっ!?危なっ!?」
「ぼーっと見てると流れ矢に当たるぞ!!集中して見てろよ!」
「せんせ~、結界張ります?」
「いや、いらん。これも訓練の内だ。当たったやつが悪い」
…そんなやり取りが聞こえてきた。
流石のスパルタである。
さて、少しづつ間合いを詰めてきてはいるけど…これ以上踏み込むのは勇気がいるね。
流石に武神杯の時みたいな魔道具の矢筒ではないから、このまま躱し続ければ何れは矢も尽きるとは思うのだけど…
それは無粋だね。
そう考えた私は、意を決して強引に飛び込んだ!
「やっぱりそう来たわね!流石はカティア!」
私の動きを予測していたシフィルは、残りの矢を全て撃ち尽くすかのように怒涛の連射を繰り出す!
全方位を埋め尽くすのような無数の矢が飛来する!
「はぁーーっ!!」
私は前進しながら薙刀を扇風機の様に高速回転させて、前面の矢の尽くを弾き返す!!
そして、遂にシフィルの元へと辿り着く。
「せぇーーーぃ!やぁっ!!!」
高速回転の勢いのまま、渾身の斬撃を叩き込む!!
ぶおんっ!!
だがそれをギリギリのところで避けたシフィルは弓を放り投げて、矢筒と共に腰に下げていた刺突短剣を抜いて、目にも留まらぬ速さで突き出す!
斬撃を振るった直後をカウンター気味に攻撃されたが、私は慌てず冷静に石突でそれを弾く。
その流れに乗って、身を屈めつつ身体を回転させ足払いを仕掛けるが、シフィルはバックステップでこれを躱す。
…あ!?
シフィルはいつの間にやら地面に落ちていた矢の何本かを回収して、さっき放り投げた弓も手にしている!?
そして素早く的確に3連射してくる!!
ひゅんっ!
ひゅんひゅんっ!
「うわっとぉっ!!」
何とかギリギリでバク転しながら回避!
ふぇ~…危なかったぁ…
いや、シフィルはやっぱり強いわ。
魔法がなくても攻撃のバリエーションが豊富だよ。
だけど、私だってこれからだよ!
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