【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!

O.T.I

文字の大きさ
360 / 683
第十一幕 転生歌姫と迷宮の輪舞曲〈ロンド〉

第十一幕 16 『賢者は誘う』

しおりを挟む
 ダンジョンに関する賢者リュートの研究成果。
 その結論を一言で言えば…

 ダンジョンとは一種の魔法装置…と言う事になる。


 現在の通説ではダンジョンは一種の魔物ではないか、と言われている。
 それはこの本でも言及されていて、特に否定もされていない。
 ただ…その発生プロセスは他の魔物たちとは異なり、人為的に仕組まれたものではないか?と言う推論に基づいて考察を重ね、実地で確認して結論に至ったと言う事らしい。


 装置と言うからには目的がある。
 ダンジョンの存在意義、その目的とは……異界の扉を封じること。

 これには私も驚いた。

 だが、その結論に至った決定的な理由については詳しく書かれていなかった。
 と言うか、それについては……


『詳しくはWEBで!!』

 …イラッ!
 真面目にやれ!!

 
『……ではなく、アクサレナ丘陵ダンジョンの第5階層に隠し部屋があるので、そこに行けば更に詳しいことが分かる。この本が鍵となって道が開かれるだろう』


 …と言うことらしい。
 実際にその目で確かめてみろ、と。

 果たしてそこに何があるのか…それは見てみないと分からないけど。

 とにかく…賢者のいざないに従って、私もダンジョン探索をする必要がありそうだ。






















 翌日、教室に顔を出すと早速ルシェーラ達に本の事を聞かれた。
 メリエルちゃんやガエル君も態々ウチのクラスにきてくれた。


 なお、レティには賢者の塔の経緯も含めて通信魔道具スマホで説明しておいた。
 人のこと言えないけど、やっぱり夜更ししてたよ。
 そして、『流石、主人公だね』って言われた。
 何か反論出来なかったよ…






「……と言う訳なんだよ」

「異界の扉を封じる…ですか」

 一通り説明し終わると、皆神妙な面持ちになる。
 異界の魂関連の話は、レティやルシェーラ、ステラであれば、ある程度は事情も知ってると思うけど、他の皆は詳しい経緯は知らないだろうし突然こんな話を聞いても戸惑うよね。
 一応、口止めはお願いしておいた。


「そうすると…カティアさんがダンジョンに潜って確認すると言う事でしょうか?」

「うん、そうしようと思ってる。でも、色々予定があるから…上手く調整して空き時間を作らないと…週末になっちゃうかな?」

 学園はもちろん、公務や歌劇団の仕事もあるから…ゆっくり休む暇がないねぇ…


「でしたら、是非私も連れて行って下さいな。私達は10階層まで攻略してますし、ご案内出来るかと思いますわ」

「そうね、私も連れて行って頂戴。何だか面白そうだし」

「シフィル…遊びじゃないのよ。でも、私も力になりたいわ」

「私も!!」

 皆がそう申し出てくれる。
 確かに単独で探索するのは危険だし、劇団の皆も忙しいだろうし…ここは好意を素直に受け取っておこう。

「ありがとう、皆。是非お願いするよ」


「俺っちも!……と言いたいとこなんだけど、俺らは週末予定が入っちまったなぁ…」

「ですね」

 男子組は予定があると。
 まあ、気持ちだけでも受け取っておく。

「ううん、その気持ちだけでも嬉しいよ。ありがとうね」

「ま、今回に限らず何かあったら言ってくれ。都合が合えば協力するぜ」

「うむ」

「まぁ、僕らじゃ頼りないかもしれませんけど」

「そんなことないよ、ユーグ。皆休みの間に随分腕を上げたんでしょ?分かるよ」

 男子三日会わざれば…じゃないけど、相当な経験を積んだのが纏う空気で何となく察せられた。

「カティアさんにそう言ってもらえるのは嬉しいですね」

「だな」

「日々精進あるのみだ」


 この三人、性格なんかはバラバラだけど随分気が合うんだね。
 何か、そう言う男同士の友情と言うのも良いものだな…なんて思ったりするのだった。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

異世界で一番の紳士たれ!

だんぞう
ファンタジー
十五歳の誕生日をぼっちで過ごしていた利照はその夜、熱を出して布団にくるまり、目覚めると見知らぬ世界でリテルとして生きていた。 リテルの記憶を参照はできるものの、主観も思考も利照の側にあることに混乱しているさなか、幼馴染のケティが彼のベッドのすぐ隣へと座る。 リテルの記憶の中から彼女との約束を思いだし、戸惑いながらもケティと触れ合った直後、自身の身に降り掛かった災難のため、村人を助けるため、単身、魔女に会いに行くことにした彼は、魔女の館で興奮するほどの学びを体験する。 異世界で優しくされながらも感じる疎外感。命を脅かされる危険な出会い。どこかで元の世界とのつながりを感じながら、時には理不尽な禍に耐えながらも、自分の運命を切り拓いてゆく物語。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件

フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。 だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!? 体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

処理中です...