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第十一幕 転生歌姫と迷宮の輪舞曲〈ロンド〉
第十一幕 23 『探索開始』
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王都ダンジョンはゲームでも登場していた。
但しその階層は確か30階層ほどだったと記憶してる。
それでもゲーム中では最大規模のダンジョンだったが、現実のこの世界では…より深く、より広大なものとなっている。
賢者リュートが遺した書の中でもそれは触れられていて、当然彼はゲームの知識を元に攻略を試みようとしたが、殆どそれは役に立たなかったと言う。
ブレゼンタム東部遺跡の時は構造自体はかなり参考になったのだけど…今回はあまり期待しない方が良いだろう。
迷宮の中に入ると、入口の作りと同じように四方が石造りの人工的な通路が奥へと延びていた。
通路は仄かに淡い光で照らされているが、ブレゼンタム東部遺跡と異なり石材が発光しているのではなく、一種のヒカリゴケのようなものが壁面や天井に生えているためである。
そのため完全な暗闇ではないものの、それだけだは探索するのに心許ないので照明は必要になってくる。
毎度のごとく『代行の魔符』で[光明]の魔法で明かりを灯す。
ロウエンさん、ケイトリンも自前の魔導ランタンを用意してるようだ。
「遺跡タイプ…みたいだな」
「そうですわね。少なくとも第10層までは似たような構造の繰り返しでしたわ」
基本的な作りはゲームと同じように見える。
このタイプは足場は良いのだけど…
「こういうタイプはトラップが多い傾向ッス」
「じゃあ、ロウエンさんの出番ですね。頼りにしてます」
「任せとくッスよ!…まぁ、5階層程度までなら、そんなに気合い入れなくても大丈夫だと思うッスけどね」
リーゼさんの期待の眼差しに、気合を入れて応えるロウエンさん。
……見ようによってはイチャついているようにも。
まぁ、それよりも、だ…
「でも、この間ルシェーラたちは第3層で魔物部屋に遭遇したんでしょ?油断は出来ないんじゃ…」
「確かにそうッスね。それに多分…カティアちゃんがいるから何らかのトラブルが起きる可能性が大きいッス!」
「人聞き悪い…」
人をトラブルメーカーみたいに言わないでよ…って!皆も頷いてるし!
「と、とにかく!今日はそこまで深いところまでいかないけど、油断せずに行きましょう!」
「それにしても……このメンバー、久しぶりですわね」
「え?……ああ、ブレゼンタム東部遺跡の時?」
「ええ、そうですわ」
確かに、今回はあの時のメンバーに、ケイトリンが加わった感じか。
ミーティアは帰りだけで、しかも眠っていたけど。
「あの時は攻略中にいきなりダンジョン化しちゃったんだよね……そうだ、ルシェーラ。あの時のダンジョン・コアってどうなったの?」
「コアですか?まだ侯爵家で保管してるかと思いますが……ああ、ダンジョンの真の役割を考えると、売ったりしない方が良さそうですわね」
「うん。もしかしたら何かの役に立つかも…」
「分かりました。お父様に伝えておきますわ」
「お願いね」
異界の扉を封じるという本来の役割を考えると、ダンジョン化を解除するというのも考えものだ。
これも各国に情報共有しておくべきだろう。
「で、どうするッスか?一通り探索はするんスか?」
「いえ…いくら肩慣らしとは言え、今更このメンバーで第1階層の探索は不要でしょう。もちろん油断は禁物だけど、先ずは3~4階層くらいまでは直行しても良いと思う」
「了解ッス。じゃあ先頭はオイラで、殿は…」
「私ですね!」
先頭はロウエンさん、最後尾はケイトリン。
ミーティアとリーゼさんを真ん中にして、カイトと私が前後を護る隊列となる。
「ママ~、私はまほうで戦えばいいの~?」
「そうだね。前衛は足りてると思うから、そうしてね」
「わかった~!」
この娘は私と同じオールラウンダーだけど、このメンバーなら無理に前に出す必要は無いからね。
そして、第1層はスルーすべく、下へ向かう階段へと直行する事に。
まだそれほど複雑ではないし、一度探索しているルシェーラも居るので迷うことなくサクサク進んで行く……はずだった。
異変を察知したのは入り口からまだ数十メートル程しか進んでいない通路の曲がり角。
そこで何らかの異変を察知したらしきロウエンさんが突然叫んだ。
「カイト!『フォーメーションG』ッス!!」
「りょ、了解!」
?
…って、カイト!?
な、何を…!?
突然、私はカイトの胸の中に抱きすくめられ、視界をふさがれた!?
「にゃにゃにゃにゃにゃにをおぅぅっ!?」
わけも分からず混乱して変な言葉を口走ってしまう!
「ミーティアちゃん!リーゼちゃん!殲滅ッス!」
「了解なの!![氷槍・散]!!」
「はいっ!![地走雷]!!」
「お嬢さんとケイトリンで撃ち漏らしを潰すッス!!」
「「了解 (ですわ)っ!!」」
い、一体何が起きてるの!?
どうも戦闘してるみたいなんだけど…
「……よしっ!殲滅を確認したッス!」
「待ってください、ロウエンさん。まだ形が残ってます。リーゼ、焼却を」
「はい。[渦炎]!」
「ふぅ、これでもう大丈夫ッスね」
ようやくカイトから解放された私は、やりきった感を出しているロウエンさんに確認する。
「ロウエンさん…『フォーメーションG』って……」
ーーーー ??? ーーーー
説明しよう!!
『フォーメーションG』とはっ!!
対『G』戦に特化した特別戦闘態勢の事である!!
いかにヤツをカティアの視界に入れずに、素早く殲滅するか…そのために各メンバーの行動を入念にシミュレートし、最適化されたフォーメーションなのだ。
先ず早期警戒役のロウエンがヤツを察知した瞬間、カティアの視界に入る前に素早く作戦発動を指示する。
それを受けて即座にカイトがカティアの視界を塞ぎ、残りのメンバー全員で素早くヤツを殲滅するのだ。
正に熟達の戦士のみが為せる連携なのであった…!
ーーーーーーーー
「と言う事ッス」
「…そっすか」
いつの間にそんな打ち合わせしてたの…?
まぁ、ヤツを視界に収めずに済むのは有り難いけど…
何だかスミマセン…
「因みに、対ゴースト系の『フォーメーションG+』もあるッス。ミーティアちゃん用ッスね」
…そっすか。
ともかく、ダンジョン探索を開始したのだけど……何だか前途多難だなぁ…
但しその階層は確か30階層ほどだったと記憶してる。
それでもゲーム中では最大規模のダンジョンだったが、現実のこの世界では…より深く、より広大なものとなっている。
賢者リュートが遺した書の中でもそれは触れられていて、当然彼はゲームの知識を元に攻略を試みようとしたが、殆どそれは役に立たなかったと言う。
ブレゼンタム東部遺跡の時は構造自体はかなり参考になったのだけど…今回はあまり期待しない方が良いだろう。
迷宮の中に入ると、入口の作りと同じように四方が石造りの人工的な通路が奥へと延びていた。
通路は仄かに淡い光で照らされているが、ブレゼンタム東部遺跡と異なり石材が発光しているのではなく、一種のヒカリゴケのようなものが壁面や天井に生えているためである。
そのため完全な暗闇ではないものの、それだけだは探索するのに心許ないので照明は必要になってくる。
毎度のごとく『代行の魔符』で[光明]の魔法で明かりを灯す。
ロウエンさん、ケイトリンも自前の魔導ランタンを用意してるようだ。
「遺跡タイプ…みたいだな」
「そうですわね。少なくとも第10層までは似たような構造の繰り返しでしたわ」
基本的な作りはゲームと同じように見える。
このタイプは足場は良いのだけど…
「こういうタイプはトラップが多い傾向ッス」
「じゃあ、ロウエンさんの出番ですね。頼りにしてます」
「任せとくッスよ!…まぁ、5階層程度までなら、そんなに気合い入れなくても大丈夫だと思うッスけどね」
リーゼさんの期待の眼差しに、気合を入れて応えるロウエンさん。
……見ようによってはイチャついているようにも。
まぁ、それよりも、だ…
「でも、この間ルシェーラたちは第3層で魔物部屋に遭遇したんでしょ?油断は出来ないんじゃ…」
「確かにそうッスね。それに多分…カティアちゃんがいるから何らかのトラブルが起きる可能性が大きいッス!」
「人聞き悪い…」
人をトラブルメーカーみたいに言わないでよ…って!皆も頷いてるし!
「と、とにかく!今日はそこまで深いところまでいかないけど、油断せずに行きましょう!」
「それにしても……このメンバー、久しぶりですわね」
「え?……ああ、ブレゼンタム東部遺跡の時?」
「ええ、そうですわ」
確かに、今回はあの時のメンバーに、ケイトリンが加わった感じか。
ミーティアは帰りだけで、しかも眠っていたけど。
「あの時は攻略中にいきなりダンジョン化しちゃったんだよね……そうだ、ルシェーラ。あの時のダンジョン・コアってどうなったの?」
「コアですか?まだ侯爵家で保管してるかと思いますが……ああ、ダンジョンの真の役割を考えると、売ったりしない方が良さそうですわね」
「うん。もしかしたら何かの役に立つかも…」
「分かりました。お父様に伝えておきますわ」
「お願いね」
異界の扉を封じるという本来の役割を考えると、ダンジョン化を解除するというのも考えものだ。
これも各国に情報共有しておくべきだろう。
「で、どうするッスか?一通り探索はするんスか?」
「いえ…いくら肩慣らしとは言え、今更このメンバーで第1階層の探索は不要でしょう。もちろん油断は禁物だけど、先ずは3~4階層くらいまでは直行しても良いと思う」
「了解ッス。じゃあ先頭はオイラで、殿は…」
「私ですね!」
先頭はロウエンさん、最後尾はケイトリン。
ミーティアとリーゼさんを真ん中にして、カイトと私が前後を護る隊列となる。
「ママ~、私はまほうで戦えばいいの~?」
「そうだね。前衛は足りてると思うから、そうしてね」
「わかった~!」
この娘は私と同じオールラウンダーだけど、このメンバーなら無理に前に出す必要は無いからね。
そして、第1層はスルーすべく、下へ向かう階段へと直行する事に。
まだそれほど複雑ではないし、一度探索しているルシェーラも居るので迷うことなくサクサク進んで行く……はずだった。
異変を察知したのは入り口からまだ数十メートル程しか進んでいない通路の曲がり角。
そこで何らかの異変を察知したらしきロウエンさんが突然叫んだ。
「カイト!『フォーメーションG』ッス!!」
「りょ、了解!」
?
…って、カイト!?
な、何を…!?
突然、私はカイトの胸の中に抱きすくめられ、視界をふさがれた!?
「にゃにゃにゃにゃにゃにをおぅぅっ!?」
わけも分からず混乱して変な言葉を口走ってしまう!
「ミーティアちゃん!リーゼちゃん!殲滅ッス!」
「了解なの!![氷槍・散]!!」
「はいっ!![地走雷]!!」
「お嬢さんとケイトリンで撃ち漏らしを潰すッス!!」
「「了解 (ですわ)っ!!」」
い、一体何が起きてるの!?
どうも戦闘してるみたいなんだけど…
「……よしっ!殲滅を確認したッス!」
「待ってください、ロウエンさん。まだ形が残ってます。リーゼ、焼却を」
「はい。[渦炎]!」
「ふぅ、これでもう大丈夫ッスね」
ようやくカイトから解放された私は、やりきった感を出しているロウエンさんに確認する。
「ロウエンさん…『フォーメーションG』って……」
ーーーー ??? ーーーー
説明しよう!!
『フォーメーションG』とはっ!!
対『G』戦に特化した特別戦闘態勢の事である!!
いかにヤツをカティアの視界に入れずに、素早く殲滅するか…そのために各メンバーの行動を入念にシミュレートし、最適化されたフォーメーションなのだ。
先ず早期警戒役のロウエンがヤツを察知した瞬間、カティアの視界に入る前に素早く作戦発動を指示する。
それを受けて即座にカイトがカティアの視界を塞ぎ、残りのメンバー全員で素早くヤツを殲滅するのだ。
正に熟達の戦士のみが為せる連携なのであった…!
ーーーーーーーー
「と言う事ッス」
「…そっすか」
いつの間にそんな打ち合わせしてたの…?
まぁ、ヤツを視界に収めずに済むのは有り難いけど…
何だかスミマセン…
「因みに、対ゴースト系の『フォーメーションG+』もあるッス。ミーティアちゃん用ッスね」
…そっすか。
ともかく、ダンジョン探索を開始したのだけど……何だか前途多難だなぁ…
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