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第十一幕 転生歌姫と迷宮の輪舞曲〈ロンド〉
第十一幕 29 『妖精事件』
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無限回廊を突破した私達は、遂に隠し部屋に辿り着いた。
その部屋は凡そ20メートル四方の正方形で、部屋の丁度真ん中くらいに何らかの台座のようなものがあった。
それは精緻なレリーフが彫り込まれた、直径3メートル、高さは1メートル程の石造りで円柱型の台座だ。
上面を覗き込んでみると、これまた精緻な魔法円が描かれており、その中央部には窪みがある。
大体10センチくらいの球体が嵌まるような感じだ。
「…何らかの魔法装置のようですね。以前ブレゼンタム東部遺跡で見たものに似てるような…」
確かに。
魔法円の大きさとか雰囲気が似てる気がする。
「多分、この窪みに装置を起動させるための何かを嵌め込むッスかね?」
ロウエンさんの言う通りだね。
実は、これに関して私は答えを知っている。
私は鞄からあるものを取り出す。
「ま、まさか…それは!?」
私が手にしたものを見て、リーゼさんが驚愕する。
それは拳大の青く透き通った宝玉のようなもの。
そう…以前ウパルパ様から頂いた魔素結晶だ。
これは既に国の所有物なのだが、国王陛下の許可を得て待ちだしてきたのだ。
賢者の書には、こう記されていた。
『……もし君が魔宝玉を持っているのなら持って行くと良い。隠し部屋できっと必要になるだろうから』、と。
魔宝玉と言うのが何の事か分からなかったので調べたところ、どうやら昔はこれくらいの大きさの魔素結晶を特別にそう呼んでいたらしい。
古代でも希少品である事に違いはなかったが、現代と比べてそれなりの量が採掘されていたみたい。
大きさも丁度良いし、きっとこの魔法装置の動力源に使えと言う事なのだろう。
私は魔宝玉を台座の窪みに嵌め込むと、まるで誂えたようにピッタリだった。
すると……
ブゥーーーン……
唸るような機械音と共に、魔宝玉が輝き出す。
そしてそこから、色とりどりの光が魔法円の文様へと広がっていく。
光は側面のレリーフにも広がって、台座全体が輝き出す。
「な、何が起きるんでしょうか…」
「分からない。だけど、ダンジョンの秘密を示す手がかりがここにはある……と、賢者の書には書いてあったよ」
…かなり巫山戯た感じでね!
ともかく、こうして魔法装置らしきものが作動して、これから何かが起こるのは間違いないだろう。
今はただ、その様子を固唾を呑んで見守るしかない。
そうしている間にも台座の輝きはどんどん増して行き、部屋中が眩い虹色の光で満たされる。
「まぶしいの!」
「何も見えんな……」
もはや光は視界を全て塗り潰すほどになっている。
だが、それは長くは続かなかった。
部屋中を満たしていた光は、潮が引くように再び魔宝玉に向かって収束していく。
そして、視界が戻った時…私達の目の前に現れたのは……
『ふぁ~……ようやくわっちの出番でありんすか?』
台座の端にちょこんと座って、欠伸をしながら大きく伸びをするのは、30センチにも満たないくらいの身長で、翠の髪と瞳を持つ可愛らしい女の子だ。
背中には半透明で光の加減によって虹色に煌めく蜉蝣のような翅が生えている。
その姿は、要するに……
「妖精さんなの!」
そう。
まさに御伽話に出てくる妖精そのものの姿だったのだ。
いや、この世界では妖精は実在するのだが…その目撃例は極めて少ないので、殆どの人にとっては物語上の存在と大差ない言っても差し支えないだろう。
……写真撮ったら写るのかな?
『ん~?お前さんたちがわっちを起こしたマスターでありんすか?』
「…何を言ってるのか分からないな?」
彼女が喋っているのは日本語だった。
……何故か花魁みたいな喋り方なのだが。
『ええと……あなた、大陸共通語は話せないのかな?』
「…あ、これは失礼しました。久しぶりに目覚めたので…少々寝ぼけていたみたいです」
こっちは普通なのか……
「それで……あなたは?妖精…なの?」
「はい。私は迷宮妖精のミロンと申します。よろしくお願いします、マスター様方」
迷宮妖精……見たまんまだけど。
いったい彼女はどういう存在なのか…
ともかく、先ずは彼女の話を聞くことにしよう。
その部屋は凡そ20メートル四方の正方形で、部屋の丁度真ん中くらいに何らかの台座のようなものがあった。
それは精緻なレリーフが彫り込まれた、直径3メートル、高さは1メートル程の石造りで円柱型の台座だ。
上面を覗き込んでみると、これまた精緻な魔法円が描かれており、その中央部には窪みがある。
大体10センチくらいの球体が嵌まるような感じだ。
「…何らかの魔法装置のようですね。以前ブレゼンタム東部遺跡で見たものに似てるような…」
確かに。
魔法円の大きさとか雰囲気が似てる気がする。
「多分、この窪みに装置を起動させるための何かを嵌め込むッスかね?」
ロウエンさんの言う通りだね。
実は、これに関して私は答えを知っている。
私は鞄からあるものを取り出す。
「ま、まさか…それは!?」
私が手にしたものを見て、リーゼさんが驚愕する。
それは拳大の青く透き通った宝玉のようなもの。
そう…以前ウパルパ様から頂いた魔素結晶だ。
これは既に国の所有物なのだが、国王陛下の許可を得て待ちだしてきたのだ。
賢者の書には、こう記されていた。
『……もし君が魔宝玉を持っているのなら持って行くと良い。隠し部屋できっと必要になるだろうから』、と。
魔宝玉と言うのが何の事か分からなかったので調べたところ、どうやら昔はこれくらいの大きさの魔素結晶を特別にそう呼んでいたらしい。
古代でも希少品である事に違いはなかったが、現代と比べてそれなりの量が採掘されていたみたい。
大きさも丁度良いし、きっとこの魔法装置の動力源に使えと言う事なのだろう。
私は魔宝玉を台座の窪みに嵌め込むと、まるで誂えたようにピッタリだった。
すると……
ブゥーーーン……
唸るような機械音と共に、魔宝玉が輝き出す。
そしてそこから、色とりどりの光が魔法円の文様へと広がっていく。
光は側面のレリーフにも広がって、台座全体が輝き出す。
「な、何が起きるんでしょうか…」
「分からない。だけど、ダンジョンの秘密を示す手がかりがここにはある……と、賢者の書には書いてあったよ」
…かなり巫山戯た感じでね!
ともかく、こうして魔法装置らしきものが作動して、これから何かが起こるのは間違いないだろう。
今はただ、その様子を固唾を呑んで見守るしかない。
そうしている間にも台座の輝きはどんどん増して行き、部屋中が眩い虹色の光で満たされる。
「まぶしいの!」
「何も見えんな……」
もはや光は視界を全て塗り潰すほどになっている。
だが、それは長くは続かなかった。
部屋中を満たしていた光は、潮が引くように再び魔宝玉に向かって収束していく。
そして、視界が戻った時…私達の目の前に現れたのは……
『ふぁ~……ようやくわっちの出番でありんすか?』
台座の端にちょこんと座って、欠伸をしながら大きく伸びをするのは、30センチにも満たないくらいの身長で、翠の髪と瞳を持つ可愛らしい女の子だ。
背中には半透明で光の加減によって虹色に煌めく蜉蝣のような翅が生えている。
その姿は、要するに……
「妖精さんなの!」
そう。
まさに御伽話に出てくる妖精そのものの姿だったのだ。
いや、この世界では妖精は実在するのだが…その目撃例は極めて少ないので、殆どの人にとっては物語上の存在と大差ない言っても差し支えないだろう。
……写真撮ったら写るのかな?
『ん~?お前さんたちがわっちを起こしたマスターでありんすか?』
「…何を言ってるのか分からないな?」
彼女が喋っているのは日本語だった。
……何故か花魁みたいな喋り方なのだが。
『ええと……あなた、大陸共通語は話せないのかな?』
「…あ、これは失礼しました。久しぶりに目覚めたので…少々寝ぼけていたみたいです」
こっちは普通なのか……
「それで……あなたは?妖精…なの?」
「はい。私は迷宮妖精のミロンと申します。よろしくお願いします、マスター様方」
迷宮妖精……見たまんまだけど。
いったい彼女はどういう存在なのか…
ともかく、先ずは彼女の話を聞くことにしよう。
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