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第十一幕 転生歌姫と迷宮の輪舞曲〈ロンド〉
第十一幕 40 『島内探検』
しおりを挟む「あ~……美味しかった」
「お魚さん、おいしかったの!」
「ご馳走でしたわね」
ロウエンさんが釣り上げた魚を、私が捌いて料理した。
刺し身にしたり、焼いたり、煮たり……たっぷり堪能させていただきました。
これからのダンジョン攻略もやる気が出るってもんだよ。
「さて…腹ごしらえも済んだことだし、もうそろそろ一眠りしたいところだけど」
「こうも日が高いと中々眠れなさそうですねぇ…」
「ここに来たときよりは日も傾いてるように見えますけど……日没まではまだまだ時間がかかりそうですね」
「だが、本当だったら深夜のはずだからな。休んでおかなければ身体がもたないだろう」
カイトの言う通りだね。
横になって目を瞑るだけでもだいぶ違うと思うけど。
「あの辺りが森になってるみたいッス。せめて木陰で休んだほうが良いと思うッス」
ここは見るからに絶海の孤島と言った趣きではあるけど…そこそこの大きさはありそうで、島の中央には木々が生い茂り森のようになっている。
確かにあそこなら、日差しを避けて休めそうな場所があるだろう。
そして、私達は砂浜を離れて森の近くまでやって来た。
周辺部は椰子のような木が疎らに生え、奥に入るとちょっとしたジャングルのようになっている。
そこには様々な花が咲き乱れ、極彩色の世界が広がっていた。
濃密な緑と甘ったるい花や果物のような香りが鼻腔をくすぐる。
「う~ん……奥の方はちょっと休めるような場所は無さそうだね…」
「まぁ、この辺でも多少日差しが遮れれば良いんじゃないですか」
「ケイトリンの言う通りッスね。テントは持ってきてないッスけど、木の間にこれを張ればタープみたいに出来るッス」
そう言ってロウエンさんは大きな厚手の布を拡張鞄から取り出して言う。
釣り竿といい、準備が良いね。
確かにそれなら日差しを遮って休む場所を確保するのに十分そうだ。
手分けして布を広げて木に結びつけると、簡単な休憩所が出来上がった。
そうして、私達は交代で仮眠を取ることになった。
休息を始めてから暫く時間が経ち、全員仮眠を取ることができた。
空に輝く太陽はかなり傾いてきて、それでも日没まではもう少し時間があるように見える。
どうやら私達が住んでいるイスパルよりも日が相当に長いようだ。
そして、休息も取れたので日が沈む前に島を探索することになった。
私・カイト・ミーティア・ケイトリンと、ルシェーラ・ロウエンさん・リーゼさんで手分けして、だ。
なお、ミロンはすっかりミーティアの頭の上が定位置となっていた。
ある意味出自が同じと言えるから、波長が合うのかも?
取り敢えずは二手に分かれて森の外側をぐるっと周る事に。
森の中は、それほど大規模ではないから迷うことは無いと思うけど……ここから見た限りでは、人が立ち入り難いくらいに草木が密集しているので後回しとなった。
外周を確認してから、もし入れそうな場所があれば確認する。
「それにしても、魔物の気配が全く無いね?」
「おそらくだが……まだ俺たちはスタートラインにすら立ててないんだろうな」
「それはそうかも……お陰でゆっくり休めたけど。とにかく、先に進む道を見つけないとね」
横手に森を見ながら歩いていく。
おそらく一時間もかからずに、反対方向から回っているルシェーラ達と合流出来るだろう。
先に進むための何かが見つかればよいのだけど……ミロンのヒント(?)からすれば、海の方に注目した方が良いかも知れない。
そして、暫く歩いていると……
「ママ!あれ見て!」
ミーティアが何かに気が付いて指さした。
そちらを見てみると、海岸から少し離れたところに何やら巨大な岩があった。
その岩には大穴が空いていて、まるで門のようにも見える。
波打ち際まで近付いて、更に様子を見てみると……岩は海岸から目算で数百メートル程は離れた海上に鎮座し、その大きさは小島と言っても良いくらいに巨大なもの。
波の侵食によるものであろうか、そこにはぽっかりと大きな穴が空いており、その向こうの景色までよく見える。
そこそこの大きさの船くらいは余裕でくぐることが出来そうで、まさしく巨大な門のようであった。
海は途中まで砂地の浅瀬が続いているが、途中から濃い青になっているところを見ると、急に深くなっているのかもしれない。
「ん~……自然地形にも見えるし、いかにも何かありそうにも見えるねぇ…」
「だが、あそこまで行くのは少々ホネだな。あのあたりから波もそれなりにあるようだし……何とか泳げるかどうか、と言ったところか」
「舟でもあればね……他に何も見つけられなければ最悪は泳いで行くしかないか」
ロウエンさん、流石に舟なんか持ってないよね…
いや、ホラ…前世みたいなゴムボート的なものとかがあれば…なんて思ったり。
とにかく…今は心に留めておいて、他の場所の探索を進める事にしよう。
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