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第十二幕 転生歌姫と謎のプリンセス
第十二幕 18 『魔法競技』
しおりを挟む『マギ・ボール』の試合会場は訓練場となる。
コートは二面取られていて、二試合ずつ行われるので割と消化が早いみたい。
既に試合は行われているが、シフィルたちの出番はもう少し先とのこと。
「頑張ってねシフィル!」
「対戦相手は……」
「1年2組……メリエルね」
どうやらシフィルの試合相手にメリエルちゃんが居るみたいだ。
「あ~、こっちに出るんだ……私と同じで魔導戦だと思ったけど」
「そっちにも出るらしいよ。2組の不足枠みたいだね」
魔導戦……魔法オンリーの戦いなのだが、うちのクラスはレティが出場する事になってる。
本人は「あんまり戦闘は得意じゃないんだけど…」なんて言ってたけど、魔法に関してはチート級だからね。
そして、メリエルちゃんも高レベルの魔導士なので…1年2組としては枠があるなら関連する競技には出てもらって、なるべく勝率を上げたいところなんだろう。
そのメリエルちゃんはまだ来てない……というか、武術対抗戦の方でまだ応援団長やってたような?
「大丈夫かな?ちゃんとここまで来られるのか……」
未だに学園の中で迷子になるからね、あの娘……
と、そんな心配をしていると、当の本人がやって来た。
……ガエル君に肩車されて。
「よ~し、とうちゃく~!!ガエルくん、ありがと~!」
「うむ。頑張ってくれ」
メリエルちゃんの迷子対策か。
本気だね、1年2組!
しかし絵面が……お父さんと幼い娘って感じだよ。
同級生なのに。
「来たわね、メリエル。初戦で当たるのは残念だけど、負けないわよ!」
「こっちこそ!」
「二人とも頑張ってね。どっちも応援してるよ~」
レティの言う通りクラスの勝敗は置いといて、どちらも頑張って欲しいね。
さて、もうそろそろシフィルたちの出番かな。
お互いに試合の準備をしてるのだが……
「んふふ~……ついにこれの出番ね……」
シフィルは競技用の魔導杖を取り出して……それに頬ずりしながら呟く。
……危ない人みたいだよ。
「あ!?それ……マジテックの最新モデル!?」
「そうよ。流石メリエル、よく分かったわね」
「アズール商会でディスプレイされてたのを見たんだ。カッコいいよね~!しかも、それ限定の『カティア・スペシャル』じゃない?」
……なぬ?
「そうなのよ!!本当は予約完売だったところ…お得意様と言う事で特別に融通してくれたのよ!持つべきものはコネよね!」
「うわ~……いいなぁ……」
「相変わらず道具にはお金を惜しまないわよね。シフィルは」
「これはねぇ……競技用の出力制限機構を安定させながらも、従来比10%もの高レスポンスを実現!ターゲッティングのブレも少ないし、まさに最高位モデルに相応しい性能を持ってるの。更に!競技用のリミッターを解除すれば通常の魔導杖としても高性能なのよ!」
嬉々として杖の説明を始めるシフィル。
あなたそう言うキャラだっけ?
いや、それよりも……
「何か、私の名前が聞こえたけど……」
「そう!ほら、これを見て。金と銀、青が絡み合う美しく繊細な造形は、かの有名な『星光の歌姫』カティア王女をイメージした、僅かに限定50本の特別バージョン!競技者垂涎の逸品なのよっ!」
かの有名な…って。
あなたの目の前に本人がいるんですけど。
というか、本人の許諾は……?
「最近流行ってるよね、『カティア』モデルって」
「そうなの!?」
「うん。アズール商会も、特に宣伝してないけどかなり売上があるって言ってたよ。モーリス商会は……『あのカティア王女と大親友のレティシア会長のモーリス商会!』って大々的に宣伝してるわ!おかげでウハウハよっ!!」
「レティ、商魂逞しいね……まぁ良いけど」
知らぬは本人ばかりなり……
そして、いよいよシフィルたちの試合が始まる。
前世のテニスコートの倍くらいはあるだろうか?
魔法でボールを撃つのだから、これくらいの広さは必要だね。
そして、各陣地の一番うしろにゴールがある。
サッカーゴールよりはかなり小さいけど、ハンドボールのものよりは大きいかな?
ルールをおさらいする。
・コートは二分割され、自陣と敵陣に分かれる。
・選手が移動できるのは自陣のみ。
・ボールを魔法で撃って、相手ゴールに入れたら1点。
・5点先取したチームが勝利。
・直接ボールに触れてはならない。
・相手選手に魔法を当ててはいけない。
・ボールはどの位置にあっても(相手陣地にあっても)撃って良いが、一度当てたら他の人があてるまで撃ってはいけない。
相手選手に魔法を当ててはいけないのだけど、このルールがない『バトル・マギボール』というのもあるらしい。
選手が配置に付き、開始の合図を待つ。
そして……
ピィーーッ!!
試合が始まった!!
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