【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!

O.T.I

文字の大きさ
439 / 683
第十二幕 転生歌姫と謎のプリンセス

第十二幕 22 『対抗戦二日目の終わり』

しおりを挟む

 対抗戦二日目の戦績はこんな感じだ。

 武術対抗戦は男女ともに2回戦突破。

 フリードの試合は見てないけど、ルシェーラと同じように一瞬で決着が付いたらしい。
 ウチのクラスはみんなシフィルの応援に行ってしまったので、別のクラスの人に聞いた。
 涙目で「チクショー!!」とか言いながらすごい気迫で対戦相手の3年生をあっという間に斬り伏せたとの事。
 ……何かゴメン。

 そしてシフィル&トール君のペアによるマギ・ボールも初戦突破。
 相手のメリエルちゃん&マーク君ペアは強敵だったが、接戦の末撃破することができた。
 これは次の試合に向けての弾みになったのではないだろうか。


 そして他の競技。
 チェスのユーグは惜しくも3回戦敗退。
 相手は昨年の優勝者との事だったので仕方ないだろうが、殆ど互角の戦いだったらしく、かなり悔しそうにしていた。
 普段冷静なユーグがそんな風に感情を出すのが少し意外だった。

 その他、短距離走や長距離走(どちらも男女の合計タイムで競う)はそれぞれ5位、4位入賞とまずまずの好成績。

 今日時点での総合順位は、何と2位!
 1年生では断然トップである。


「1位は……3年1組?」

「ええ。殆どの競技で勝ち残ってるみたいですわ。武術対抗戦は男女共に昨年の優勝者を擁してます」

「あ、ルシェーラのお兄さんも1組だね。……って言うか、チェスでユーグに勝ったのがアルフレドさんなんだ」

 昨年の優勝者らしいし、流石は生徒会長と言うことか。
 知略に長けてるというか、頭脳派ってことなんだろうけど、やはりブレーゼン家の他の面々とはタイプが異るように感じる。
 別に閣下もルシェーラも脳筋ではないんだけど、武闘派なイメージの方が先行するからね。



「だけど、ウチのクラスも2位だからね。十分優勝を狙えるわよ!」

「そうだね。よしっ、みんな明日も頑張るよ!!」

「「お~っ!!」」

 うんうん、皆気合いが乗ってるね。
 シフィルの言う通り私達のクラスにも十分な勝機がある。
 私も『サバイバル』を頑張るぞ!!











「ただいま~」

「あ、おねえさま!おかえりなさいませ!」

「ママ~!おかえり!」

「おかえりなさいませ、カティア様」

 王城の自室に帰ると、いつものミーティアとマリーシャに加えて、クラーナが迎えてくれた。
 そしてミロンは今回はクラーナの腕の中に抱っこされて……こちらも中々の破壊力だよ。

「あ、クラーナ。ミーティアと遊んでたの?」

「いえ、おねえさま。わたくしたちは、おべんきょうをしていたのです!」

「マリーシャおねえちゃんに、おしえてもらっていたの~」

「あ、そうなんだ~、偉いね~」

 二人をナデナデすると、目を細めて嬉しそうにしてる……かわいい。
 癒やされるわ~。
 さあ、こっちへいらっしゃい!











「で、今日は何のお勉強をしてたの?算数?国語?」

 ひとしきり撫でたり抱っこしたりして娘・妹成分をたっぷり補給してからマリーシャに聞いてみる。

「はい。昨今のカルヴァード大陸各国の情勢、流通経済における課題や展望、政治における重要人物の動向など……政治経済学の触りを少々」

「……」

「おねえさまが、『せいじ・けーざい』はあまりおすきではないとききまして!わたくしがしょうらいおねえさまを、ほさできるようにマリーシャにおねがいしたのです!」

「うに」

「……え?」

「お二人共飲み込みが早く……私も思わず熱が入ってしまい、このような時間まで、つい」

「………え?」

 この娘たち、何歳だっけ?
 チラッと机の上に広がったままの教科書らしき本を見たのたが……それ学園の教科書じゃん!!

 え?なに?チートなの?幼女無双なの?

 って言うか……お姉ちゃん、将来の女王(予定)なのに政治経済苦手なんて言ってごめんなさいね!?

 いや、イスパル王国の将来は明るいね。























 ……ん?
 また、あの『夢』?
 連続で見るのは初めてだ……


 前回と同じく、リディアとリシィが宿の一室で話をしている場面だ。
 だが、前回と異なるのは……表情が真剣そのもので、どこか悲壮感すら漂っている。


『……本当に、大丈夫なの?無理はしなくても……』

『いいえ。私も行くわよ。ううん、行かなくてはならないの』

『でも……相手は魔王。強大な力を持つ相手だから、あなたが来てくれるのは心強いけど。でも、魔王はあなたの……』

『お父様は『黒き魂』に蝕まれ、人が変わってしまった。もはや、民を慈しむかつての優しいお父様ではなくなってしまった。そして、その力で世界を恐怖と混乱の渦に陥れようとしている。私は娘として魔王を止めなければならない』

『リシィ……』

『ふふ、リディアは本当にお人好しよね……。私は、大丈夫よ。それに、まだ私は諦めたわけじゃない。お父様がああなってしまったのは黒神教が原因なのは明らか。なら、奴らを打倒してお父様をもとに戻す方法を聞き出す』

『……そっか。分かったよ!もう何も言わないわ。一緒に頑張ろう!!』

『ええ……!』







 ……またしても驚くべき事実が。
 いや、前回の夢でリシィが皇族ということは分かっていたのだから、彼女が300年前のグラナ皇帝……魔王と血縁関係があるのは自明の理ではあるのだけど。

 それでも、彼女自身の口からその事実が明かされると、それはとても驚くべき事実な訳で……


 しかし、いくら異形の者に変じてしまったとは言え、自分の父親と敵対するのは並大抵の覚悟ではないだろう。
 悲しくも誇り高い彼女の瞳には力強い決意の光が宿っているのだった。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

異世界で一番の紳士たれ!

だんぞう
ファンタジー
十五歳の誕生日をぼっちで過ごしていた利照はその夜、熱を出して布団にくるまり、目覚めると見知らぬ世界でリテルとして生きていた。 リテルの記憶を参照はできるものの、主観も思考も利照の側にあることに混乱しているさなか、幼馴染のケティが彼のベッドのすぐ隣へと座る。 リテルの記憶の中から彼女との約束を思いだし、戸惑いながらもケティと触れ合った直後、自身の身に降り掛かった災難のため、村人を助けるため、単身、魔女に会いに行くことにした彼は、魔女の館で興奮するほどの学びを体験する。 異世界で優しくされながらも感じる疎外感。命を脅かされる危険な出会い。どこかで元の世界とのつながりを感じながら、時には理不尽な禍に耐えながらも、自分の運命を切り拓いてゆく物語。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件

フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。 だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!? 体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

処理中です...