【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!

O.T.I

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第十二幕 転生歌姫と謎のプリンセス

第十二幕 24 『サバイバル〜開始』

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 いよいよサバイバル戦が開始となる。
 私は大講堂を出て薔薇園ロザリウムへと向かった。

 ステラ、ユーグ、フリードらチームメイトとはくじ引き以降は開始まで会話出来ないので、予め認識合わせしていた指針に従って各個人の判断で動くことになる。
 一応合流を目指すが、状況次第では単独行動を続行……まぁ、作戦『みんながんばれ』だ。
 可能な限りステラかユーグに合流してフォローしたいところだが、それも状況次第だ。





 大講堂を出るときには大勢いた選手たちは直ぐにばらけてそれぞれの初期配置に散る。
 私の向かう薔薇園ロザリウムはかなり離れた場所なので、急ぎ足……殆ど駆ける感じで向かっている。
 全員が配置に着くのを確認するまで開始されないから別に急がなくても良いのだけど……まぁ、他人を待たせるのは心苦しく感じる性分なので。


 そして、閑散とした学内を駆け抜けて目的の場所へとやって来た。

「へぇ……ここが薔薇園ロザリウムかぁ……」

 その名の通り薔薇がメインなんだけど、その他にも様々な花が咲き誇り彩られた庭園は、かなり見応えがある。
 濃密な花の香りが立ち込めるその場所には、四阿ガゼボやベンチが置かれ、普段は学生たちの語らいの場になってるのだろう。

「こういうところで学生カップルが生まれるんだね、きっと。……いいなぁ、青春してて。テオも同じ学生だったら、学園生活がもっと楽しかったかも」

 ま、無い物ねだりしても仕方がないか。



 さて……開始の合図が出るまで、散策させてもらいますか。
 花より団子とは言ったけど、たまには綺麗な花を愛でるのも良いでしょう。
 これでも、花も恥らう乙女なんですから。

 乙女(笑)ではないよ。
 多分ね……

















『全選手に告ぐ。只今全ての選手が配置についたことを確認した。今から5分後に試合開始の合図を出すので、各人準備されたし』


 よし。
 そろそろ開始だね。

 準備と言っても特に……と思ったのだけど、思い直して地図を広げてみる。
 すると、既に味方の光点が表示されていた。

 ふむ……結構距離が開いちゃったね。
 一番近い光点でもかなりの距離がある……って、ちょっと待て。
 これ、離れてるの私だけじゃん!
 他の三人は割と近い距離だから、直ぐに合流できそう。

 うぅ……ハブられた……王女なのにぃ……


 と、嘆いてもしょうがない。
 だったら暫くは単独で乗り切るよ!


 でも、どうしようか?

 多分三人が合流するとしたら、この辺かな……?
 一直線にそこに向かっても良いけど、あまり派手に動くと一斉に狙われるだろう。
 隠れる場所はいくらでもあるから、待ち伏せ作戦を取ってる人も多いだろうし、こちらの死角から不意を突いて攻撃されれば私だって凌ぎきれないかも知れない。

 ならば、こちらも身を隠して索敵しながら慎重に進んだほうが良いだろう。
 ロウエンさん程ではないけど、私も気配察知能力はそこそこある。

 そうやって頭の中で作戦を練っていると、時間がやって来た。













『全選手に告ぐ。これより、サバイバル戦を開始する。諸君らの検討を祈る』


 ついに始まった。
 開始の合図とともに、学園中が緊張感に包まれる……ような錯覚を覚えた。


 私は薔薇園ロザリウムの植込に身を隠しながら行動を開始する。
 先ずは辺りの気配を探るが、特に何も感じられない。
 初期配置は被ることは無いはずだが、ごく近傍に配置される事はあるので、スタート直後も油断は出来ないのだ。

 取り敢えずは近くに他の人は居ないようなので、少し歩みを早めて次のエリアに足を踏み入れる。

 薔薇園の隣には庭園が続いているる。
 管理が行き届いた美しい情景は、薔薇園と同じように普段は学生たちの憩いの場となっているのだが……サバイバル戦の舞台となった今は、寧ろ人気のない庭園は不気味ですらある。


 …と、その時。
 微かな物音が耳に届いた。

 これは……いるね。
 息を潜めて私の方を伺っている……そんな気配を感じた。
 おそらくは、あの池の畔にある茂みの向こう。


 こんなに直ぐに遭遇するとは思ってなかったけど……

 どうする?
 相手の出方を伺う?

 ……いや、性に合わないね、それは。

 一気に詰め寄って仕留める!


 私は身を潜めていた場所から飛び出して、猛然とダッシュする!!


 すると、こちらの動きを察知したのか、茂みの向こうから慌てるような気配が伝わってきた。

 小さな池をジャンプして飛び越え、さらに敵が隠れてるであろう茂みをも飛び越えて、空中から向こう側を除く。

 そこには、慌てて剣を構える男子生徒がいた。


「う、うわぁっ!!?」


 遅いよ!!


 彼の目前に着地した私は、無茶苦茶な軌道で振るわれた剣を薙刀で弾き飛ばして、そのまま胴を薙ぎ払う!!


 バリィンッ!!!


 あっさりと結界が破れて彼は脱落した。


「はい、お疲れさま。あ、あなたは1年生だね?」

「は、はい」

「ごめんなさいね、これも勝負なので。じゃあ、危険だから試合が終わるまでは、そこの校舎内に居ると良いよ」

「はい……」

 早々に脱落して、彼はかなり落ち込んだ様子。
 何だか可愛そうだけど、これも勝負の世界の厳しさなんだよ。


 と、思ってたら。


「あ、あの!!頑張って下さいね、カティア様!応援してます!!」

「え?あ、うん……ありがとう!!」


 倒した相手から激励の言葉をもらってしまった。

 うん、キミの分まで頑張って、最後まで生き残るよ!!

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