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第十二幕 転生歌姫と謎のプリンセス
第十二幕 36 『MVP』
しおりを挟むサバイバル戦が終わり、全選手が大講堂へと戻ってきた。
そして、壇上には生き残りの5人が上がる。
これから彼らの表彰が行われるのだ。
残念ながら私は途中退場してしまったので、クラスメイトと一緒にそれを見ることにした。
「お疲れ、カティア。残念だったわね」
「いや~、参ったよ。まんまと罠にはまったね」
シフィルの労いの言葉に、苦笑して答える。
凄く悔しいんだけど、見事な作戦だったと認めざるを得ない。
まぁ、今回は得るものが大きかったので良しとする。
「……あのガエルさんの強さは、何だったんですの?」
「私にはよく分からなかったけど、カティアが彼相手に全力で戦うなんて……ただ事じゃないよね?」
「うん……後で話すよ。ちょっと複雑な事情があってね……」
まさか、さっきまで別の場所で秘密の会合をしていたなんて、予想もつかないだろうね。
ガエル君が使った『魔薬』の事も、こんなところでおいそれと話せるものでもない。
まぁ、このメンバーなら話しておいても良いだろう。
と、そんな話をしているうちに表彰が始まろうとしていた。
壇上にいるのは、ステラ、フリード、ユーグの1年1組の選手三人。
それに、1年2組のフローラさん。
ガエル君に聞いたとき、2組は二人残っていたはずだけど、最終的には彼女だけが生き残ったみたい。
自信がないなんて言ってたけど、しっかり最後まで生き残ったね。
撃破された私としても嬉しいよ。
そして、最後の一人は……
「あ、あれはアルフレドさんだね」
ルシェーラのお兄さんだった。
彼も参加してたんだ……気が付かなかったよ。
「会長のところ……3年1組は最後まで四人生き残ってたんだけど、ウチの三人と決戦になったんだよね」
「あれは激戦でしたわね。ですが、流石のお兄様の指揮でも、実力差を埋めるには至りませんでしたわ。それに、ステラさんも指揮能力が高いですからね」
その戦い、見たかったなぁ……
3対4で圧倒するなんて、3人とも凄いよ。
……私の出る幕ナシで、ちょっと凹む。
『あ~、それではこれより表彰式を始める。先ずは一人生き残ったのが2クラス、同率でそれぞれ2位だな。3年1組のアルフレドと1年2組のフローラだ』
『わ~っ!!』
『パチパチパチ!!』
スレイン先生が発表すると、大きな歓声と拍手が巻き起こった。
表彰式と言ってもトロフィーや賞状があるわけではないので、選手を紹介するだけのシンプルなものだ。
それでも十分に盛り上がる。
『そして1位は三人が生き残った……1年1組、ステラ、フリード、ユーグだ。見事な戦いぶりだったぞ』
『うお~~~っ!!!』
『パチパチパチッ!!!』
『ステラさ~んっっ!!!』
先程よりも更に大きな歓声と拍手、そしてステラを呼ぶ声がそこかしこから上がった。
なかなかの人気ぶりだね、ステラは。
これで1年1組は総合優勝に向けて大きく前進することになるだろう。
これで表彰式は終わり……と思いきや、まだ何かあるようだ。
『さて、これで順位の発表は終わりだが……今回は特別にMVPを表彰したいと思う』
お?
MVPとな?
そんなものがあるとは知らなかった。
……と言うか、口ぶりからしてスレイン先生の思いつきっぽいけど。
生徒たちからもどよめきが上がる。
『今年のサバイバル戦は見どころが多く、皆も色々と勉強になったと思うが……特に大金星を上げた者、フローラをMVPに推したいと思う』
『おお~っっ!!』
どよめきが歓声に変わった。
何か、私を撃破した事が評価されたらしい。
……ちょっと複雑。
『多くの者が見ていたと思うが……あのカティアとて、やり方次第で打倒することが出来るということが分かっただろう?力を合わせ、知恵を駆使すれば強大な敵をも倒せる。それを示してくれた彼女は称賛に値する。良い経験にもなっただろう』
……強大な敵って、私はどこぞの魔王か。
「カティア倒したら1万くらい経験値入りそうだね」
……私は、は○れメタ○か。
MVPに選ばれたフローラさんと言えば……目を白黒させて、わたわたと慌てふためいていた。
そして彼女は伝説となり、学園の歴史にその名を刻む事になるのであった……!
……なんてね。
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