【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!

O.T.I

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第十二幕 転生歌姫と謎のプリンセス

第十二幕 42 『危機』

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 3体の巨人……『黒魔巨兵』と魔族『調律師』。
 対するのは私、テオ、ケイトリンにオズマ、リュシアンさんとその配下数十名の騎士達。
 おそらく父様達率いる部隊と、父さんたちエーデルワイスの面々も直ぐに合流するはず。

 そして、魔族であるシェラさん。
 彼女はどうやら『調律師』と因縁があるようだが……何とか彼女と共闘して、黒神教の重要人物たる『調律師』は倒しておきたいところだ。

 しかし、これほどの巨体が3体も立ち塞がるのは脅威以外の何物でもない。
 精鋭揃いとは言え、騎士達だけで相手をするのは厳しいだろう。
 さぁ、どうする……?


 と、内心でどう動くべきか考えていると、シェラさんが『調律師』から目を離さないまま私達に話しかけてきた。

「カティアさん。申し訳ありませんが、今回私は『調律師』との戦いに注力させてもらいます。この巨人は厄介な相手には違いありませんが……私が『調律師』を抑えておけば、あなた方なら何とかなるはずです」

「でも……」

 彼女は『調律師』を追ってここまで来たみたいだから、そうしたいのは分かるけど……

 でも、魔族と巨人3体を同時に相手するのは厳しいのも確かだ。
 『調律師』の実力の程は未知数だが、シェラさんがこれだけ警戒する相手なのだから、相当な力を持つのは間違いない。

 そして、巨人の方も……単純にこれだけの巨体を持つというだけで脅威であるし、こいつの『出来損ない』と言われていた、あの異形ですら倒すのには相当苦労した。
 精神や魂を喰らい、恐るべき再生速度と魔法を無効化する何らかの結界……こいつにもその能力があると思っておいたほうが良いだろう。
 特に結界の能力は、魔法を主体とするシェラさんとは相性が悪そうだ。

 そう考えれば、シェラさんの提案こそが最善なのかも知れない。
 私はそう考えて決断する。


「分かりました!『調律師』の相手はお願いします!!」

「ええ、任せてください。さぁ、今回は逃しませんよ……[滅天火]!!」

 シェラさんは私に返事するやいなや、先制の魔法を放つ!!

 一瞬のうちに上空に現れた大火球……小さな太陽の如く燦々と輝くそれは、『調律師』に向かって落ちていく!!


「[反噬はんぜい]」

 自分を飲み込もうとする火球が目前に迫るのにも慌てず、落ち着いた声で紡いだその魔法は私の知らないものだった。

 調律師から放たれたオーロラの様な光の波動が火球を包み込むと……消えた!?

 その次の瞬間!!
 シェラさんの頭上に、自身が放ったはずの大火球が現れ、彼女に向かって猛スピードで降下する!


「チッ!……[黒穹]!」

 舌打ち一つ溢してから更に魔法を行使すると、光を全く反射しない漆黒……円盤状の巨大な『穴』が現れて、火球を呑み込んで消えた。


 ひぇ~……
 やっぱり『調律師』はシェラさんに相手してもらうのが正解かも……


 そう思いながら、私達が巨人との戦闘を開始しようと身構えると……調律師が巨人の肩から飛び降りて、シェラさんと魔法戦を始める構えを取りながら叫ぶ!

「さあ、『黒魔巨兵』たちよ……アクサレナを蹂躙しなさい!!」





 その瞬間、3体の巨人は眩い光に包まれて……消えた。


「なっ!!転移だと!?」

「アクサレナを蹂躙って……不味い!!地上に出たのか!?」

 あんなのが3体も街中に現れたら……
 直ぐに何とかしないと!!


「奥の方から何か……?陛下たちの部隊か!」

 そして、ちょうどそのタイミングで、父様達が率いる部隊やエーデルワイスの面々が奥の方から突入してきた!


「「カティア!!どういう状況だ!?」」

「父様、父さん!!詳しい話は後です!!巨大な魔物が3体、地上に転移しました!!アクサレナの街が危険です!!」

「なんだと!?」

「街中に魔物が現れたってぇのか!?」

 私の言葉に驚愕する父様たち。
 直には理解が追いつかないだろうが、今は詳しい説明をしている時間は無い。

「カティアさん!!調律師は私に任せて、早く地上へ!!」

 調律師と対峙しながら、シェラさんがそう言ってくれる。
 そうだ、とにかく急いで戻らないと!

「シェラさん、お願いします!!総員、地上に戻ってあの巨人を討伐するよ!!」

「数名はここに残りなさい!魔族の戦いの行く末を見届けて報告するのです!ただし、無理に手出しはしないように!!」

 私の号令に続いてリュシアンさんが指示を出す。
 指揮官を差し置いて指示を出して申し訳なかったが、流石の副団長様は細かい指示も忘れない。



 そうして、この場はシェラさんに任せ、私達は慌ただしく地上へと引き返すのだった。
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