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第十三幕 転生歌姫と生命神の祈り
第十三幕 54 『森都防衛戦8 猛撃』
しおりを挟む「ぜやぁーーーーっっっ!!!」
ドゴォンッッッ!!!
「くっ……!?」
やっぱり強い!!
印を全開にしても殆ど互角くらいか?
父さんや父様と同じ位の力があるという事だ。
だけど[鬼神降臨]はタイムリミットがシビアだったはず。
……なのに、もう随分と発動したままなんだけど!?
どういう事?
デメリットの無い[鬼神降臨]なんてチート過ぎる。
「どうした!!時間切れを待ってても無駄だぞっ!!」
時間切れ待ちは無駄……?
まさか、本当に制限なしだって言うの!?
ブォンッッ!!!
「うわっ!?っとぉっ!!」
危ない、ちょっと集中を欠いただけで致命の一撃をもらいかねない!
おちおち考え事もしてられないよ!
「考え事とは、随分余裕じゃないかっ!!」
冗談じゃない。
余裕なんてあるわけない。
周囲の……ウィラー兵もグラナ兵も、あまりの激しい攻防に手出し出来ないでいる。
っていうか、魔物も一緒にギャラリーと化してるし!
しかし、あっちの時間切れが期待できないなら、逆に私の方が時間切れになる。
それに、何とかここでブレイグ将軍は食い止めないと……また形勢が逆転してしまう。
「うぉーーーっっ!!!」
怒涛の勢いで上段から襲い来る大剣を、私はギリギリまで引き付けてから横にかわす。
そして短く持った薙刀を掬い上げるように脇腹を斬りつける!
ガッ!
しかし、それはグレイブ将軍の空いた方の手で柄を抑えられ止められてしまう。
やっぱり薙刀は噛み合わないね……
そう考えた私は……一旦間合いを離したあと、リヴェラを別の形態に変える。
「ほぅ……面白い武器だな」
「そうでしょう?」
私の両腕には、光の加減によって虹の輝きを放つ白銀色の手甲がはめられていた。
受け身に回っては彼の勢いは止められない。
こちらから間合いの内側に踏み込んで、手数で勝負!
バッ!!
と、お互いに間合いを詰めて目まぐるしい接近戦が始まる!
ブレイグ将軍の横薙ぎの斬撃をスウェーで躱し、反動で一息に間合いの内側に飛び込む!!
ドンッッ!!
「ハァッ!!」
右脚の震脚の衝撃を乗せた右掌打!!
ガァンッッッ!!
だが、それは将軍の左肘で防がれる。
まだまだ行くよっ!!
踏み込んだ右足を軸に反転しながら更に近づき、背中から寄りかかるように身体を密着させ……
ダンッッ!!
両脚で踏ん張りながら体当たり!!
ガッ!!
「ぐっ……!?」
多少の手応えはあったけど、将軍は衝撃を逃がすように後方に跳んだので大したダメージはないはず。
まだまだまだ!!
今度は体当たりの勢いを殺さずに再び身体を翻して……顎先を狙っての右後ろ回し蹴り!!
ガスッ!!
これは左腕に阻まれた。
その後も間合いを常に最至近に取りながら、息をもつかせぬ連続攻撃を叩き込んでいく!
攻撃は最大の防御……ってね!
「ぬぅ……!調子に乗るなぁっっ!!!」
ブワッ!!!
「っ!!」
怒涛の格闘攻撃で追い詰めたかのように見えたが、将軍の怒号と共に、闘気が爆発するっ!!
物理的な衝撃を伴ったそれは、私の接近を阻んで押し戻した!!
ちっ!
間合いが離れたか!!
「全くもって見事な強者よっ!!ならば俺も出し惜しみはできぬ!!」
いや[鬼神降臨]だけでもお腹いっぱいですけどっ!?
将軍の身体を纏っていた紅い闘気が輝きを増す!!
滅茶苦茶ヤバそうな雰囲気だよ!?
そして将軍は両手で大剣を持って、大きく見を捩りながら振りかぶり……一気に振り下ろす!!!
「くらえっ!!!『烈氣波動剣』っっ!!!」
鮮烈な紅い光の奔流となった衝撃波が、石畳を削り散らしながら襲いかかってくる!!!
くっ……!!
完璧なタイミングで大技を使われた……!
今から避けるのは厳しいか!?
何とか凌いで反撃を…………!!
そして私の視界は赤く染め上げられた。
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