【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!

O.T.I

文字の大きさ
536 / 683
第十三幕 転生歌姫と生命神の祈り

第十三幕 59 『連携』

しおりを挟む

「カティア殿!!加勢するぞ!!」

「私もだ!!連携して魔族を倒すぞ!」


 テオが合流してから直ぐに、イスファハン王子とジークリンデ王女も加勢に来てくれた。

 これで対抗できるか?


「皆!あいつは強力な毒を使うから気をつけて!!体術も厄介だよ!」

「分かった!……あの手に纏った瘴気か。見るからにヤバそうだな」

「生物由来のものじゃなければ俺のシギルの力で分解出来たんだが」

 イスファハン王子の……『千変万化』だっけ?

 毒物といえば、水銀とか鉛とか砒素なんかの鉱毒もあるけど、この世界では生物由来が大半だろう。


「ふむ……シギル持ちが揃い踏みかの?老人を寄ってたかっていたぶるとは、感心せんのぉ……」

「何を言って……」

「むぅ……確かに、騎士道に反するな……」

「ジークリンデ王女!?」

「冗談だよ、カティア王女。これは戦争だ。守るものがある。勝利のためには多対一でボコるのもやむ無し!勝てばよかろう……だ!」

 いやぁ……その言い方もちょっと……

 ま、まぁ、これで有利に戦えるだろう。


「ひょひょひょ……まあ、良いわ。ここで纏めてシギル持ちを倒せば、教皇猊下も喜ばれよう」


 そう簡単にいくものか。
 戦闘再開だよ!!







「被弾が許されない状況ならば……私のシギルが役に立ちそうだな」

 ジークリンデ王女がそう言うと、彼女のシギルの光が私達を包み込む。
 事前に聞いていた話では、この力は『共感』……仲間同士の感覚知覚を共有するものだ。
 皆が見聞きしたものが共有されるのは不思議な感覚だけど……連携して戦うには非常に有効だ。


「これは凄いな……!」

「助かるぜ!!」

「相互にフォロー!!行くぞ!!


 テオ、イスファハン王子、ジークリンデ王女が三方から薬師に襲いかかる!!


「ぜぁーーーっっ!!」

「せいっっ!!」

「ハァーーッッ!!」


 ほとんど同時だが、僅かにタイミングをずらしての攻撃!!

 あれは、並の力量では躱せないと思うが……!


「ひょっ!ひょっ!ひょっ!」

 しかし、薬師はあの捉えどころの無い動きで僅かな攻撃の隙間を縫ってスルリと躱す!


「まだまだ!!」

 息をもつかせぬ攻撃はまだ続く!


 だが、お互いを補完し合い、的確に薬師を追い詰めるような動きを見せるが、それでも一撃を入れることができない!

 だが、薬師の躱しながらの反撃もこちらを捉える事がない。
 それも感覚共有のお陰だろう。



「[絶凍気流]!!」

 私の詠唱が終わるタイミングに合わせて三人が退避。
 そこに上級の冷気魔法を放つ!!


「なんのなんの!」

 薬師に冷気が到達する直前、ヤツの前に巨大な火柱が上がる!!

 極低温と高熱の炎が打ち消し合って……薬師は無傷だ。



 そして再び前衛の三人が攻撃を始め……戦いは長期戦の様相を呈してきた。

 周りではグラナ軍勢とウィラー兵が壮絶な戦いを繰り広げている。
 メリエルちゃんとステラの支援によって、何とか敵の侵攻を阻んでいるが……早く何とかしなければ、いずれ均衡を破られかねない。

 焦燥感を抱えながらも、戦いは続く。















 ……おかしい。
 何だか、身体の動きが……?

 膠着状態が続く戦いの最中、ふと違和感を覚えた。



「くっ……!」

「何かがおかしいぞ!」

「ああ……身体の動きが鈍く……?」

 前衛の三人もどうやら同じ違和感を抱いている様子だ。

 ジークリンデ王女のシギルの力もあって、これまで薬師の攻撃は比較的余裕をもって躱すことが出来ていたはずなのだが……
 少しづつ余裕がなくなり、今では回避行動に全力を出しているように見えた。

 周りを見てみれば、ウィラー兵も動きに精彩を欠き、劣勢になりつつある。



 ……まさか?




「ひょ。どうやら気が付いたようじゃの?」

「まさか……何らかの毒を?」

 今はまだ少しだけの変化だが、少しづつ身体が動かしにくくなっている。
 原因と言えば目の前の敵しか考えられない。


「ジワジワ来ておるじゃろう?なぁに、単なる痺れ薬じゃよ」

「いつの間に……!」

「最初に瘴気の波動を放った時にの。遅効性じゃが……たっぷり吸い込んであれだけ動いていれば、もうすっかり身体中に回った頃じゃな」

「卑怯な!!」

「ひょひょ……四対一で戦う者に言われとうないわ」


 確かに……
 じゃなくてっ!!


 このままじゃマズいよ……!
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

異世界で一番の紳士たれ!

だんぞう
ファンタジー
十五歳の誕生日をぼっちで過ごしていた利照はその夜、熱を出して布団にくるまり、目覚めると見知らぬ世界でリテルとして生きていた。 リテルの記憶を参照はできるものの、主観も思考も利照の側にあることに混乱しているさなか、幼馴染のケティが彼のベッドのすぐ隣へと座る。 リテルの記憶の中から彼女との約束を思いだし、戸惑いながらもケティと触れ合った直後、自身の身に降り掛かった災難のため、村人を助けるため、単身、魔女に会いに行くことにした彼は、魔女の館で興奮するほどの学びを体験する。 異世界で優しくされながらも感じる疎外感。命を脅かされる危険な出会い。どこかで元の世界とのつながりを感じながら、時には理不尽な禍に耐えながらも、自分の運命を切り拓いてゆく物語。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件

フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。 だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!? 体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

処理中です...