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第十三幕 転生歌姫と生命神の祈り
第十三幕 59 『連携』
しおりを挟む「カティア殿!!加勢するぞ!!」
「私もだ!!連携して魔族を倒すぞ!」
テオが合流してから直ぐに、イスファハン王子とジークリンデ王女も加勢に来てくれた。
これで対抗できるか?
「皆!あいつは強力な毒を使うから気をつけて!!体術も厄介だよ!」
「分かった!……あの手に纏った瘴気か。見るからにヤバそうだな」
「生物由来のものじゃなければ俺の印の力で分解出来たんだが」
イスファハン王子の……『千変万化』だっけ?
毒物といえば、水銀とか鉛とか砒素なんかの鉱毒もあるけど、この世界では生物由来が大半だろう。
「ふむ……印持ちが揃い踏みかの?老人を寄ってたかっていたぶるとは、感心せんのぉ……」
「何を言って……」
「むぅ……確かに、騎士道に反するな……」
「ジークリンデ王女!?」
「冗談だよ、カティア王女。これは戦争だ。守るものがある。勝利のためには多対一でボコるのもやむ無し!勝てばよかろう……だ!」
いやぁ……その言い方もちょっと……
ま、まぁ、これで有利に戦えるだろう。
「ひょひょひょ……まあ、良いわ。ここで纏めて印持ちを倒せば、教皇猊下も喜ばれよう」
そう簡単にいくものか。
戦闘再開だよ!!
「被弾が許されない状況ならば……私の印が役に立ちそうだな」
ジークリンデ王女がそう言うと、彼女の印の光が私達を包み込む。
事前に聞いていた話では、この力は『共感』……仲間同士の感覚知覚を共有するものだ。
皆が見聞きしたものが共有されるのは不思議な感覚だけど……連携して戦うには非常に有効だ。
「これは凄いな……!」
「助かるぜ!!」
「相互にフォロー!!行くぞ!!
テオ、イスファハン王子、ジークリンデ王女が三方から薬師に襲いかかる!!
「ぜぁーーーっっ!!」
「せいっっ!!」
「ハァーーッッ!!」
ほとんど同時だが、僅かにタイミングをずらしての攻撃!!
あれは、並の力量では躱せないと思うが……!
「ひょっ!ひょっ!ひょっ!」
しかし、薬師はあの捉えどころの無い動きで僅かな攻撃の隙間を縫ってスルリと躱す!
「まだまだ!!」
息をもつかせぬ攻撃はまだ続く!
だが、お互いを補完し合い、的確に薬師を追い詰めるような動きを見せるが、それでも一撃を入れることができない!
だが、薬師の躱しながらの反撃もこちらを捉える事がない。
それも感覚共有のお陰だろう。
「[絶凍気流]!!」
私の詠唱が終わるタイミングに合わせて三人が退避。
そこに上級の冷気魔法を放つ!!
「なんのなんの!」
薬師に冷気が到達する直前、ヤツの前に巨大な火柱が上がる!!
極低温と高熱の炎が打ち消し合って……薬師は無傷だ。
そして再び前衛の三人が攻撃を始め……戦いは長期戦の様相を呈してきた。
周りではグラナ軍勢とウィラー兵が壮絶な戦いを繰り広げている。
メリエルちゃんとステラの支援によって、何とか敵の侵攻を阻んでいるが……早く何とかしなければ、いずれ均衡を破られかねない。
焦燥感を抱えながらも、戦いは続く。
……おかしい。
何だか、身体の動きが……?
膠着状態が続く戦いの最中、ふと違和感を覚えた。
「くっ……!」
「何かがおかしいぞ!」
「ああ……身体の動きが鈍く……?」
前衛の三人もどうやら同じ違和感を抱いている様子だ。
ジークリンデ王女の印の力もあって、これまで薬師の攻撃は比較的余裕をもって躱すことが出来ていたはずなのだが……
少しづつ余裕がなくなり、今では回避行動に全力を出しているように見えた。
周りを見てみれば、ウィラー兵も動きに精彩を欠き、劣勢になりつつある。
……まさか?
「ひょ。どうやら気が付いたようじゃの?」
「まさか……何らかの毒を?」
今はまだ少しだけの変化だが、少しづつ身体が動かしにくくなっている。
原因と言えば目の前の敵しか考えられない。
「ジワジワ来ておるじゃろう?なぁに、単なる痺れ薬じゃよ」
「いつの間に……!」
「最初に瘴気の波動を放った時にの。遅効性じゃが……たっぷり吸い込んであれだけ動いていれば、もうすっかり身体中に回った頃じゃな」
「卑怯な!!」
「ひょひょ……四対一で戦う者に言われとうないわ」
確かに……
じゃなくてっ!!
このままじゃマズいよ……!
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