【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!

O.T.I

文字の大きさ
562 / 683
第十四幕 転生歌姫と繋がる運命の輪

第十四幕 12 『3つの鍵』

しおりを挟む

 ついに明らかになった『黒き神の神殿』の場所。
 聞いた話によれば、そこに邪神が封じられていることは間違いないように思える。

 しかし……


「『黒き神の神殿』の場所は分かりましたけど……そこまで辿り着くのには、随分大変そうですね」

 先ず、グラナに潜入するというだけでも困難を極める。
 飛竜籠で、ぴゅ~っと行けるものでもないみたいだし。

 そしてグラナに入ってから先も、長い長い旅になるだろう。

 これは覚悟を決めて行くしか無いか……そう、思っていると。

「ふふふ……」

 なんて、不気味な笑い声を上げるリュートである。


「……何ですか?その気持ち悪い笑いは」

「……相手が自分自身だと思って遠慮なく辛辣だねぇ。いやね、『黒き神の神殿』に辿り着くのは確かに困難を極めるのだけど……それは普通だったらの話だ」

「「「?」」」


 何か……あるのか?


「将来的に邪神と相対しなければならないであろう者には、少しでも楽をさせてあげたい……まぁ、親心みたいなものでね。君たちが『黒き神の神殿』に行くつもりなら、次に向かうべき場所を指し示すのが私の役割だ。遠回りに聞こえるかもしれないが、それこそが最短の『道』となる」

「次に向かうべき場所……」

「そう。ただし……その『道』を使うためには色々と準備が必要になる。具体的には3つの鍵が必要だ。即ち、『異界を生み出すもの』『異界を導くもの』『神の如き力を行使するもの』」


「……『中二病』再発?」

「そうみたいね」

 私とメリアさんは、顔を見合わせて言う。

 あるいはゲーム脳かも。

 まったく……

 もっと!
 分かりやすく!
 ハッキリと言いなさい!


「……ホントに辛辣だね、君たち。コホン……とにかく。君たちが集めるものは3つ。そのうちの一つ『異界を導くもの』は、君たちは既に知っているはず。アクサレナダンジョンの迷宮妖精ダンジョンフェアリー、ミロンの事だ」

 ちょっと顔を赤らめるくらいなら最初からそう言おうよ。
 私もダメージ食らうんだからさ。

 しかし、ミロンにそんな役割があるとは……


 では、残りの2つは?


「『異界を生み出すもの』は迷宮核ダンジョンコアの事。そして……『神の如き力を行使するもの』は、『神の依代』と呼ばれる人造人間ホムンクルスの事だ」


「「!!?」」

 思わずテオと顔を見合わせる。

 『神の依代』って……まさか、ミーティアの事!?


「……その様子だと既に存在は知ってるみたいだね。『神の依代』は……神代において神々が地上を去るのを嘆いた一部の者たちから頼まれて、数体ほど私が生み出したのだけど」

 そうだった。
 リュートはミーティアやミロンの創造主だったっけ。


 私はミーティアに出会った時の話を說明する。

「ブレゼンタム……神代の頃にはミュルグレイヒと呼ばれた街の近くにある、神代の頃と思しき遺跡で発見しました。その時ちょうどダンジョン化したので、ダンジョンコアも入手してます。……そして、『神の依代』は今、私の養女になってます」


「養女……?『神の依代』はそのままでは魂の無い人形のようなものだ。だから、ダンジョンコアを魂の代わりにする想定だったんだけど……」

「実は……」


 私は更に、ミーティアと私の関係をリュートに說明する。

 【カティア】の魂を喰らった異界の魂が、神の依代に宿ったこと。
 私の魂の影響により、この世界の魂として定着したこと。
 そして、大切な可愛い娘であることを……






「……そんな事が起きるとは。なるほど、私でも予想がつかない運命の輪が、君を中心にして巡っているようだね」

 確かに運命的なものを感じるね……



 さらにリュートから聞いた話によれば、『神の依代』を安置している場所には仕掛けがしてあって、彼の足跡を辿る者が近くに来るとダンジョン化するようになっているらしい。
 私の場合は、あの時はまだ賢者の事など知る由もなかったけど……そもそも、リュート本人と深い関わりがあるので反応したのだろう、との事。

 つまり、ブレゼンタム東部遺跡がダンジョン化したのは偶然ではなかった。
 ……結局、皆の認識通り私がトラブルメーカーだった訳だ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

異世界で一番の紳士たれ!

だんぞう
ファンタジー
十五歳の誕生日をぼっちで過ごしていた利照はその夜、熱を出して布団にくるまり、目覚めると見知らぬ世界でリテルとして生きていた。 リテルの記憶を参照はできるものの、主観も思考も利照の側にあることに混乱しているさなか、幼馴染のケティが彼のベッドのすぐ隣へと座る。 リテルの記憶の中から彼女との約束を思いだし、戸惑いながらもケティと触れ合った直後、自身の身に降り掛かった災難のため、村人を助けるため、単身、魔女に会いに行くことにした彼は、魔女の館で興奮するほどの学びを体験する。 異世界で優しくされながらも感じる疎外感。命を脅かされる危険な出会い。どこかで元の世界とのつながりを感じながら、時には理不尽な禍に耐えながらも、自分の運命を切り拓いてゆく物語。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件

フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。 だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!? 体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

処理中です...