【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!

O.T.I

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第十五幕 転生歌姫の最終決戦

第十五幕 10 『前哨戦』

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 戦闘態勢となった『調律師』は、漆黒の翼を背に生やし、絶大なプレッシャーを放つ。
 それは、先程から感じる禍々しい気配と合わさって、息苦しさを覚えるほどだ。

 彼女の手には、やはり漆黒に染まった片手剣……リル姉さんの神器、星剣イクスヴァリス。
 強力な魔法と共に、その剣技も脅威となる。


 そして更に……



「さぁ、行きますよ……!!」


 キィィィーーーンン…………!



 調律師の宣言と共に、かつて聞いた『音』が鳴り響く!!

 そして、彼女が『調律師』と呼ばれる所以……前回苦しめられた異能の力が私達に襲いかかる!!



 ……だけど、それは対策済みだよ!!


「メリエルちゃん、お願い!!」

「うん!![陰陽鬼退呪・改]!!」

 メリエルちゃんが魔法を発動すると、鮮やかな紅い光が彼女を中心として漣のように広がっていく。


 ……この魔法は本来、前回の戦いでエフィが使った符術がオリジナルだ。
 それを、レティやリーゼ先生が解析して詠唱魔法に改変してくれたのだ。
 ただ、非常に制御が難しく……会得できたのはレティとメリエルちゃんだけだった。

 更に言うと、会得が出来たレティやメリエルちゃんでも、そこそこ長い詠唱が必要だった。
 だけど、シェラフィーナ様の加護を頂いた上、神さま達から訓練を受けたことによって、無詠唱で使えるようになったんだ。


 そして、魔法の紅い光を受けた私達は…………うん、プレッシャーは感じるけど、弱体化はしていない。
 邪神の波動で強化された調律師の力でも、問題なく対抗できたようだね。

 これなら……!!


「……よし、大丈夫そうだ!行くぞ!!」

「ええ!行きますわよ!!」

「待て!!盾役タンクは俺に任せるんだ!!」


 調律師の『音』が効かないのを確認した、テオとルシェーラが前に出ようとするが、それを制してロランさんが盾役を買って出る。


「あいつは魔法も剣技も最強レベルだぞ!!俺が抑えるから攻撃に集中するんだ!!……リシィ!!お前も集中しろよ!!」

「ええ……!分かっているわ!!」


 そして、それぞれが動き出す。


 最前衛を盾役タンクのロランさんが務め、続いて前衛のテオとルシェーラ、遊撃で私、シフィル、ミーティア(+ミロン)、後衛にメリエルちゃん、ステラ、シェラさん……という布陣だ。


 人数的には圧倒的にこちらが有利。
 それに、調律師がいかに邪神の波動を受けて強化されていようとも、私達だって以前より強くなってる。

 今度は……負けない!!



「[滅天火]!!」


 シェラさんの先制攻撃が開幕の合図となる!!

 まだ前衛との間合いが離れているうちに、神代魔法による巨大な火球が調律師の頭上から襲いかかった!!

 さらに……!


「[滅雷・極]!!」


 メリエルちゃんの上級雷撃魔法……魔法神の加護によって極限まで威力を引き上げられた雷撃が、時間差で叩き込まれる!!


 だが、業火と雷光が調律師を飲み込もうとした直前……!


 ぶぉっっ!!!


 調律師が手にした星剣を一閃させると、その斬撃は黒い衝撃波を放って魔法の攻撃を掻き消してしまった!!

 神代魔法クラスを一振りで……!?


 そして、そのまま間合いを詰めようとしていたロランさんに肉薄して切り結ぶ!!


 ガィンッッッ!!


「その星剣はアルマの秘宝だ!!返してもらうぞ!!」

「ふっ……ならば、力ずくで奪ってみなさい!!」


 一瞬だけギリギリと鍔迫り合うが、調律師は直ぐに後方へと跳び退る。


 そこに……!


「でりゃあーーーっ!!!」

「はぁーーーーっっ!!」


 テオとルシェーラが、左右から挟み込むように同時攻撃!!


「[大聖封神]」


 パリィンッ!!


 調律師の結界によって阻まれるが、結界の方も攻撃に耐えきれずに破壊される。


 まだまだ!!


 間髪入れず、今度は私とミーティアの連携攻撃!!


 テオとルシェーラの位置と入れ替わって、薙刀と双剣の斬撃を繰り出す!!


 調律師は、今度は上空に高く舞い上がってそれを躱すが……


「墜ちなさい!![風龍・極]!!」

「[銀矢連弾]!!」


 極大化されたシフィルの風魔法が……そして、その風も威力に上乗せされたステラの無数の銀光の矢が、空中の調律師へと殺到する!!


「はあーーーっっ!!」


 調律師が気合を迸らせると、彼女から放たれていた黒い波動が濃度を増して勢いよく噴き上がる!!

 そして、風の龍と銀の矢は波動に押し返され、風化するように尽く崩れ去ってしまった。







 この一連の攻防は、ほんの一瞬のうちに行われたもの。
 ただの前哨戦、様子見に過ぎない。

 調律師の力はまだまだこんなものではない。
 そして、それは私達も同じだ。


 戦いはまだ始まったばかり。
 これからが本番だ。

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