行き倒れを助けたら、追放された王子様でした

16

翌朝、目を覚ますと目の前には可愛らしい寝顔があった……


（ああ～マジで可愛いわぁ）


そんなことを考えながら眺めていると、不意にラインハルトが目を覚ました……。彼女は俺の顔を見ると嬉しそうに微笑みながら言った。


「おはよう！」


その声を聞いた瞬間、胸が高鳴るのを感じた俺は慌てて起き上がると挨拶を返したのだった……。それから身支度を整えた俺達は朝食を食べ終えるとチビ助を連れて街の外へと向かったのだった……。


「薬草を摘むついでに遊ぼうか」


俺がそう言うとラインハルトは嬉しそうに頷いてくれた。というわけでいつもの様に採取を始めることにしたのだが、今日はなぜかチビ助も一緒に付いてきていた。その理由は分からないが一緒に居てくれるだけで嬉しい気持ちになるから不思議だ……。そうやってしばらく作業を続けていると不意にラインハルトが言った。


「お腹空いた～！」


それを聞いて時計を確認すると、いつの間にかお昼時になっていることに気がついた。そこで休憩も兼ねて昼食を摂ることにしたのだが、その前にチビ助にもご飯をあげなければと思い、鞄の中から干し肉を取り出した俺はそれをチビ助に食べさせてあげることにした……。するとチビ助は美味しそうに食べてくれるので見ていて幸せな気分になる……


（ああ～マジで可愛いわぁ）


そう思っていると不意にラインハルトが声をかけてきた。


「僕にもちょうだい！」


その言葉に頷くとラインハルトに干し肉を渡すことにした。すると彼女は嬉しそうに受け取った後、チビ助に同じことをしてあげるのだった……。その様子を見ていると心が和んでくる気がした俺は思わず微笑んでしまった……

ご飯を食べ終えた後は薬草を摘む作業を再開させることにする。ちなみにチビ助も手伝ってくれたのでとても捗った……


「ありがとう、助かったよ」


俺がそう言うとチビ助は嬉しそうに鳴き声を上げたので頭を撫でてあげることにした……すると、それに応えるように擦り寄ってきたため、ますます愛おしく思えてきた俺は思わず抱き寄せてしまうのだった……


「わぁ……！ 可愛いね！」


ラインハルトも嬉しそうに微笑みながらチビ助を抱きしめた。その様子を見ていると心が温まる気がした俺は笑みを浮かべるのだった……

そうしてしばらく作業を続けた後、日が落ち始めたので今日はここまでにして帰ることにする。


「今日はクリームシチューにしようかな。チビ助も好きな味だし」


俺がそう言うとラインハルトは嬉しそうに微笑みながら言った。


「やったー！　楽しみ！」


2人で帰る途中、チビ助が疲れて眠そうにしていたため、抱っこしてあげることにした。するとすぐに眠ってしまったので微笑ましく思いながら家路につくことにするのだった……