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翌日、朝日の光で目が覚めた俺が隣を見ると、そこには安らかな表情で眠るラインハルトの姿があった。その寝顔を見ていると愛おしさが込み上げてきた俺は彼の頭を撫でることにした。すると、彼はくすぐったそうな顔をするが目を覚まさずに気持ち良さそうにしていたのだった……


(やっぱり可愛いなぁ)


そんなことを思いながらしばらく撫でていると、不意に彼が目を覚ました。彼は俺の顔を見ると笑顔を浮かべると口を開いた。


「おはよう」


その挨拶を聞いた俺は笑顔で応えると彼に軽くキスをした後で言った。


「おはよう、ラインハルト」


ラインハルトは照れくさそうな顔をすると立ち上がりながら言った。


「朝ごはんの準備をしてくるから、チビ助と一緒に待っていてくれるかな?」


俺が頷くと彼は部屋を出ていった。その後で俺はチビ助に向かって語りかける。


「良かったな、今日はラインハルトが美味しいごはんを作ってくれるんだぞ」


そう笑いかけると、チビ助は嬉しそうな声で鳴いた後で俺の胸に顔を押し付けてきたのだった……


(ああ……幸せだな)


そんなことを考えているとドアが開きラインハルトが料理を運んできてくれた。メニューは昨日と同じパンとスープだが、具の種類が増えていて栄養バランスも考えられているようだ。


「さあ、召し上がれ」


ラインハルトに声をかけられた俺は礼を言ってから食べることにした。一口食べた瞬間、あまりの美味しさに顔が綻ぶのが分かった……


「美味いなあ」


俺がしみじみと呟くと隣に座ったラインハルトも微笑みながら頷いていた。そんな彼を見ていると胸が温かくなってくるような気がして……気がつけば、俺は彼を抱きしめていた。


「ありがとう、ラインハルト……」


突然の行動に驚いていたようだったが、すぐに笑顔になると彼もまた俺のことを抱きしめてくれた……そして俺達は見つめ合うとキスをした。


(この幸せな時間がずっと続いてくれればいいのにな……)


そんなことを思いながら俺はラインハルトを抱き締め続けるのだった……


「今日もいい天気だな」


ラインハルトと一緒に朝の散歩に出かけた俺は晴れやかな気分で空を見上げた。雲一つない青空が広がっているのを見て自然と笑みがこぼれる。


(こんな日はピクニックでもしたい気分だな)


そんなことを考えていると、隣を歩いていたラインハルトが言った。


「ねえ、今日は何をする予定なんだい?」


その問いに俺は腕を組んで少し考えた後で答えた。


「そうだな……湖で釣りでもするか?」


それを聞いたラインハルトは嬉しそうな表情で頷くと賛成してくれた。


「いいね、私もやってみたいと思っていたんだ」


それから俺達は湖の畔にやって来ると適当な場所に荷物を置いてから準備を始めた。まずは餌となる虫を探すために森の中に入っていった……しばらく辺りを探した後で、ようやく魚を捕まえることに成功した俺達は早速釣りをしてみることにした。


「よし、やるぞ」


そう言って竿を振ると、すぐに手応えがあった。そのまま釣り上げると魚が食いついてきたのが分かる……その手応えは今までに経験したことのないものだったので興奮すると共に感動すら覚えるほどだった。


「釣れたぞ!」


嬉しさのあまり大きな声で叫んだ俺は慌ててラインハルトの方を見る。しかし、彼は笑顔で頷いてから言った。


「おめでとう!初めてとは思えないくらい上手だね」


褒められて嬉しい気持ちになった俺はさらに釣りを続けた……


「釣れたぞ!」


そう叫んだ後で、俺は魚に食いつかれた感覚があった後すぐに竿を引くと釣り上げた魚を誇らしげに掲げてみせた。それを見たラインハルトは拍手をしながら褒めてくれた。


「上手だね! 君は才能があるよ」


それを聞いた瞬間、顔が熱くなるのを感じた……照れていることを悟られないように顔を背けていると、不意に彼が耳元で囁いた。


(大好き)


彼の甘い囁きを聞いた俺は思わずドキッとしたが、同時に胸の奥が熱くなるのを感じた……


「俺、俺も好きだよ……」


そう呟いた後で視線を逸らしたが、内心ではドキドキしていた。


(ヤバいなぁ……俺って本当にラインハルトのこと好きなんだな)


そんなことを思いながら彼を見つめると優しく微笑んでくれた。それだけで幸せな気分になるのだから不思議である……そんなことを考えながら湖で魚釣りを楽しむ一時を満喫するのだった。

それからしばらくの間、のんびりとした時間を過ごした後で俺達は家に帰ることにした。帰り道、手を繋いで歩いていた俺達は他愛もない会話をしながら家へと戻った。


「今日は焼き魚にしよう」


俺が提案するとラインハルトは笑顔で頷いてくれた。それから台所に向かう為に手を繋いでいた手を離そうとしたのだが、それを引き止めるように強く握られたので不思議に思って振り返ると、そこには頬を赤く染めた彼の顔があった……


「その……もう少しだけ手を握っていてくれないかな?」


遠慮がちに言う彼にキュンとした俺は思わず微笑んでしまった後で答えた。


「もちろんいいよ」


それを聞いた彼は嬉しそうに微笑むと俺の手を強く握ったまま歩き始めたのだった……
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