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放課後、私はいつものように下校しようとすると、エルナに呼び止められた。


「ねえ! フィーナ! 一緒に帰らない?」


「ごめんなさい、エルナ。今日は用事があるんです」


「わかったわ、また明日ね!」


エルナは笑顔で手を振ると去っていった。私も手を振って応えると足早に学校を後にする。


「遅いじゃないか、フィーナ」


校門の前にはライトニング様がいた。どうやら彼はずっと待っていたらしい。


「お仕事は終わったんですか?」


「ああ、今日は早く片付いたんだ」


「そうですか……それでは行きましょうか」


私は歩き出すとライトニング様が隣に並ぶ。私たちは並んで歩きながら家に帰った。

家に帰ってくると私は早速夕食の準備を始めることにした。食材を取り出して調理していると、後ろからライトニング様が抱きついてくる。


「手伝うよ」


そう言って彼は私の手から包丁を取り上げた。そしてテキパキと野菜を切り始める。


(相変わらず器用だな……)


私が感心していると彼の方からも問いかけられる。


「学校はどうだった?」


「いつも通りですよ、皆から慕われる普通の学生です」


「そうか……」


ライトニング様は短く答えると、料理の続きを始めた。


(もしかして心配してくれたのかな……?)


私はそう思うと嬉しくなって微笑むと、彼の頬に軽くキスをした。すると彼は驚いたようにこちらを見る。


「いきなりどうした?」


「いえ……ただ嬉しかったので」


私が言うとライトニング様は照れているのか視線を逸らす。そんな彼を見ていると私も照れ臭くなってしまい、お互いに黙り込んでしまうのだった……


「もうそろそろご飯が出来ますよ」


「ああ、わかった」


私は料理をお皿に盛り付けてテーブルの上に並べる。彼はいつの間にか準備を終えており、椅子に座って待っていた。


「いただきます」


私とライトニング様は向かい合って座ってご飯を食べ始める。こうして二人で食事するのは初めてのことだ。


(なんか恥ずかしいな……)


私が照れていると、ライトニング様がこちらをジッと見ていたことに気づく。彼は微笑みながら口を開いた。


「どうしたんだ? 早く食べないと冷めるぞ?」


「はい……」


(何だか緊張するな……)


私はそんなことを考えながら食事を続ける。


「どうだ? 美味いか?」


ライトニング様は自信ありげな表情で聞いてくる。


「はい、美味しいです」


私は素直に感想を述べると、彼は満足そうに微笑んだ。するとライトニング様は席を立ち、私の隣に移動すると耳元で囁く。


「食べさせてやろうか?」


(いやいや……恥ずかしすぎるでしょ!)


私は心の中でツッコミを入れると苦笑いした。すると彼は不機嫌そうに眉を顰める。どうやら断るつもりはないらしい……仕方がないので私は甘えることにした。


「お願いします……」


私が言うとライトニング様は微笑むとスプーンを手に取り、料理を掬うと私の口の前に持ってきた。


「ほら、口を開けて」


私は言われるがままに口を開く。ライトニング様は嬉しそうに微笑んでいた……


(なんだか餌付けされている気分だ)


そんなことを考えているうちに料理を食べ終えると、ライトニング様は食器を片付け始めた。私も手伝うために立ち上がろうとすると彼に止められる。


「お前は休んでろ」


彼はそう言って台所に立つと食器を洗い始めるのだった……


「あの……ありがとうございます」


私が礼を言うと、彼は微笑んで応える。それから私たちはしばらくの間、静かに過ごした。そして、食事の後片付けも終わり一息つくと私は言った。


「お風呂が湧きましたよ」


「わかった……一緒に入るか?」


(え……?)


突然の申し出に私は驚いて固まってしまう……すると彼は続けた。


「冗談だよ、ほら入ってこいよ」


「はい……」


(びっくりした……)


私は少しドキドキしながらも脱衣所に向かっていった。そして服を脱ぐと浴室に入る。湯船に浸かり、体を温めているとライトニング様が入ってきた。


「おい、詰めろ」


(え……?)


ライトニング様は強引に入ってくると私の隣に座る。そして彼は私の方を向くと言った。


「何を驚いているんだ?」


「そりゃあ驚くでしょ……」


私が呆れていると彼がお湯の中で手を握ってきた。そのまま指を絡められてしまい動けなくなる。


「……あの……ライトニング様?」


「なんだ?」


私が問いかけると彼は少し照れくさそうに答える。


(この人は本当に……)


私はため息をつくとライトニング様の手を握り返した。それからしばらくの間、無言のまま時が流れる。そしてどちらからともなく唇を重ね合わせた……


(この人は本当に私でいいのだろうか?)


そんな疑問を抱きつつも彼の温もりを感じていたのだった……
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