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翌日、私は馬車に乗って学校へ登校していた。
(何だか今日はいつもより視線が多い気がするけど……気のせいよね)
私はそう思いながら教室へと向かう。するとエルナが話しかけてくる。
「フィーナ! おはよう!」
「おはよう、エルナ」
私は挨拶を返すと自分の席へと座る。
「何かあったの?」
「え? どうして?」
私は驚いて聞き返すと、彼女は呆れた様子で言った。
「だって、今日はずっと上の空じゃない」
(そんなに分かりやすかったのか……)
私は自分の頬に手を当てると苦笑いを浮かべる。それから彼女に事情を話すことにした。
「実は今朝、ライトニング様にお風呂に誘われたの」
「えぇ!?」
エルナは驚いた声を上げる。周りで聞き耳を立てていた他のクラスメイト達も驚いているようだ。
(しまったな……)
私は内心で後悔するがもう遅いだろう……ライトニング様との関係がバレてしまったかもしれないと思ったからだ。しかし、幸いにもクラスメイト達はそれ以上追及してこなかったためホッと胸を撫で下ろすのだった……
(まぁ別に隠すようなことではないけどさ……)
そんなことを考えているうちに授業が始まったので私は気持ちを切り替えて授業に集中することにした。
そして授業が全て終わり放課後になった私は帰り支度をしていた。すると突然声をかけられたので振り返ると、そこにはキースの姿があった。
「今日は暇か?」
「特に予定はないですけど……」
「じゃあ、ちょっと付き合ってくれ」
彼はそう言うと私の手を掴んで歩き出す。私は困惑しつつも大人しく付いていった……
「あの……どこに行くんですか?」
「いいからついてこい」
私は言われるがまま彼の後についていく。そして、辿り着いた場所は高級レストランだった。中に入ると個室に案内される。
「好きなものを注文してくれ」
「わかりました……」
私は戸惑いながらもメニューを見て考えた末に注文する。その間、キースは何も喋らなかったため少し気まずい雰囲気だった。しばらくして料理が運ばれてくるとようやく会話が再開される。
「それで? 今日は一体どういう用件なんですか?」
私が問いかけると彼は真剣な眼差しで見つめてきた。そして口を開くと言った。
「お前と話がしたいんだ」
「話ですか……」
私が聞き返すとキースは頷く。
(一体どんな話があるというんだろう……)
私が疑問に思っていると彼は語り始めた。
「俺は昔からお前のことを気にかけていたんだよ……」
(え?)
私は驚きを隠せなかった。まさか、彼が私に対してそんなことを思っていたなんて思いもしなかったからだ。私が動揺しているとキースは続けた。
「ライトニングと別れて、俺のところに来い」
「どういう意味ですか……?」
「言葉通りの意味だ」
キースは真っ直ぐにこちらを見つめてくる。しかし、私は首を横に振った。
「それはできません……」
「何故だ?」
私が答えると彼は不満そうな表情を浮かべる。私は深呼吸をしてから口を開いた。
「だって……私にはライトニング様がいるからです……」
私が言うとキースは真剣な表情のまま黙る。しばらく沈黙が続いた後、彼はため息をついて言った。
「そうか……わかった」
そう告げると立ち上がる。私も一緒に立ち上がり帰ろうとすると呼び止められた。
「これからどうするつもりだ?」
「とりあえず家に帰ってゆっくりします」
私が答えるとキースは笑みを浮かべて言った。
「そうか、気をつけて帰れよ」
「はい……」
(結局、何だったんだろう……)
私は疑問に思いながらも家に帰ることにした。そして家に辿り着くと扉を開けて中に入る。するとそこにはライトニング様がいた。
「ただいま帰りました……」
私が挨拶をすると彼はゆっくりと近づいてくる。そして私の体を抱き寄せたかと思うと突然唇を重ねてきた。そのまま舌を入れてくるので私は戸惑いながらも応える。しばらくして口を離すと彼は言った。
「今日は早かったんだな」
「はい……」
私はそう答えると彼から離れようとしたが、逆に強く抱きしめられてしまう。そして耳元で囁かれた。
「夕食が終わったら俺の部屋に来い……話がある」
(話って何なんだろう?)
私は疑問に思いながらも承諾し、自分の部屋へと戻ることにした……
(なんか嫌な予感がするな……)
そんな不安を抱えながらも食事を終えた私はライトニング様の部屋へと向かう。そして中に入るとそこには椅子に座っている彼の姿がある。
「来たか……まぁ座れよ」
私は言われるままに椅子に座ると彼が話し始めた。
「単刀直入に聞くが……お前、キースと何を話していたんだ?」
「それは……」
(やっぱり聞かれていたか……)
私は観念すると正直に話すことにした。するとライトニング様はため息をつくと言った。
「なるほどな……」
(呆れられてしまったかな……)
私が不安に思っていると彼は続ける。そしてこう言ったのだ。
「お前、俺の女なんだからな。他の男と二人きりになるのは感心しないな」
「ごめんなさい……」
私は謝ることしかできなかった。するとライトニング様は立ち上がり私を引き寄せるとキスをする。そして耳元で囁いた……
「今夜は寝かせないからな……」
(え……?)
私は驚きの声を上げるが彼は気にすることなく続ける。そしてそのままベッドへと押し倒されたのだった……
(何だか今日はいつもより視線が多い気がするけど……気のせいよね)
私はそう思いながら教室へと向かう。するとエルナが話しかけてくる。
「フィーナ! おはよう!」
「おはよう、エルナ」
私は挨拶を返すと自分の席へと座る。
「何かあったの?」
「え? どうして?」
私は驚いて聞き返すと、彼女は呆れた様子で言った。
「だって、今日はずっと上の空じゃない」
(そんなに分かりやすかったのか……)
私は自分の頬に手を当てると苦笑いを浮かべる。それから彼女に事情を話すことにした。
「実は今朝、ライトニング様にお風呂に誘われたの」
「えぇ!?」
エルナは驚いた声を上げる。周りで聞き耳を立てていた他のクラスメイト達も驚いているようだ。
(しまったな……)
私は内心で後悔するがもう遅いだろう……ライトニング様との関係がバレてしまったかもしれないと思ったからだ。しかし、幸いにもクラスメイト達はそれ以上追及してこなかったためホッと胸を撫で下ろすのだった……
(まぁ別に隠すようなことではないけどさ……)
そんなことを考えているうちに授業が始まったので私は気持ちを切り替えて授業に集中することにした。
そして授業が全て終わり放課後になった私は帰り支度をしていた。すると突然声をかけられたので振り返ると、そこにはキースの姿があった。
「今日は暇か?」
「特に予定はないですけど……」
「じゃあ、ちょっと付き合ってくれ」
彼はそう言うと私の手を掴んで歩き出す。私は困惑しつつも大人しく付いていった……
「あの……どこに行くんですか?」
「いいからついてこい」
私は言われるがまま彼の後についていく。そして、辿り着いた場所は高級レストランだった。中に入ると個室に案内される。
「好きなものを注文してくれ」
「わかりました……」
私は戸惑いながらもメニューを見て考えた末に注文する。その間、キースは何も喋らなかったため少し気まずい雰囲気だった。しばらくして料理が運ばれてくるとようやく会話が再開される。
「それで? 今日は一体どういう用件なんですか?」
私が問いかけると彼は真剣な眼差しで見つめてきた。そして口を開くと言った。
「お前と話がしたいんだ」
「話ですか……」
私が聞き返すとキースは頷く。
(一体どんな話があるというんだろう……)
私が疑問に思っていると彼は語り始めた。
「俺は昔からお前のことを気にかけていたんだよ……」
(え?)
私は驚きを隠せなかった。まさか、彼が私に対してそんなことを思っていたなんて思いもしなかったからだ。私が動揺しているとキースは続けた。
「ライトニングと別れて、俺のところに来い」
「どういう意味ですか……?」
「言葉通りの意味だ」
キースは真っ直ぐにこちらを見つめてくる。しかし、私は首を横に振った。
「それはできません……」
「何故だ?」
私が答えると彼は不満そうな表情を浮かべる。私は深呼吸をしてから口を開いた。
「だって……私にはライトニング様がいるからです……」
私が言うとキースは真剣な表情のまま黙る。しばらく沈黙が続いた後、彼はため息をついて言った。
「そうか……わかった」
そう告げると立ち上がる。私も一緒に立ち上がり帰ろうとすると呼び止められた。
「これからどうするつもりだ?」
「とりあえず家に帰ってゆっくりします」
私が答えるとキースは笑みを浮かべて言った。
「そうか、気をつけて帰れよ」
「はい……」
(結局、何だったんだろう……)
私は疑問に思いながらも家に帰ることにした。そして家に辿り着くと扉を開けて中に入る。するとそこにはライトニング様がいた。
「ただいま帰りました……」
私が挨拶をすると彼はゆっくりと近づいてくる。そして私の体を抱き寄せたかと思うと突然唇を重ねてきた。そのまま舌を入れてくるので私は戸惑いながらも応える。しばらくして口を離すと彼は言った。
「今日は早かったんだな」
「はい……」
私はそう答えると彼から離れようとしたが、逆に強く抱きしめられてしまう。そして耳元で囁かれた。
「夕食が終わったら俺の部屋に来い……話がある」
(話って何なんだろう?)
私は疑問に思いながらも承諾し、自分の部屋へと戻ることにした……
(なんか嫌な予感がするな……)
そんな不安を抱えながらも食事を終えた私はライトニング様の部屋へと向かう。そして中に入るとそこには椅子に座っている彼の姿がある。
「来たか……まぁ座れよ」
私は言われるままに椅子に座ると彼が話し始めた。
「単刀直入に聞くが……お前、キースと何を話していたんだ?」
「それは……」
(やっぱり聞かれていたか……)
私は観念すると正直に話すことにした。するとライトニング様はため息をつくと言った。
「なるほどな……」
(呆れられてしまったかな……)
私が不安に思っていると彼は続ける。そしてこう言ったのだ。
「お前、俺の女なんだからな。他の男と二人きりになるのは感心しないな」
「ごめんなさい……」
私は謝ることしかできなかった。するとライトニング様は立ち上がり私を引き寄せるとキスをする。そして耳元で囁いた……
「今夜は寝かせないからな……」
(え……?)
私は驚きの声を上げるが彼は気にすることなく続ける。そしてそのままベッドへと押し倒されたのだった……
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