冷酷非情の雷帝に嫁ぎます～妹の身代わりとして婚約者を押し付けられましたが、実は優しい男でした～

27

ある日のこと、私たちは森の中にある、湖までやってきていた。


「フィーナ。手を離すなよ」


私たちは湖の上でボートに乗って遊んでいた。最初は怖がっていたけど、いざ乗ってみると意外と楽しいものだ。ライトニングは私を支えてくれながらゆっくりと進んでいく。


「落ちないように気をつけないと」


私はドキドキしながら湖を眺めていた。すると突然大きな波が発生してボートが大きく揺れる。バランスを崩しそうになるが、ライトニングがしっかりと支えてくれたおかげで助かった。


「危なかったな」


ライトニングの言葉に頷きながらも、私たちは笑い合った。その後も色々な障害物を乗り越えながら進んでいき、ついにゴールに到着したのだ！


「楽しかった！ また来ようね！」


私は興奮しながらライトニングに話しかける。彼女は微笑みながら答えてくれた。


「ああ、何度でも付き合うよ」


そんな会話をしているうちに夕方になってしまった。


「平和ですね」


このあたりはもう騎士団の皆がモンスターを討伐したおかげで、モンスターの気配が感じられない。


「だが、森の奥の方は魔物の巣窟だ。奴らも叩き潰す必要がある」


ライトニングがそう言いながら剣を抜く。


「魔物の住処に行くなんて、危ないじゃないですか」


「俺を心配してくれるのか？」


「そんなの、当たり前じゃないですか」


ライトニングが私の体をぎゅっと、強く抱きしめてくる。


「安心しろ、俺は強い。それに俺がいる限りはお前を絶対に守る」


真剣な瞳で見つめられて、思わずドキッとする。そして私たちは魔物の住処へと足を踏み入れていくのだった── ライトニングと私は森の中を歩いていた。辺りは薄暗く、不気味な雰囲気が漂っている。


「この先に魔物の住処があるんだよな……」


不安そうな声で言う私に、ライトニングが力強く答える。


「心配するな、俺がいる限りは何も起こらないよ」


ライトニングの言葉は私の不安を取り除いてくれるようだった。


それからしばらく歩いていると、目の前に大きな洞窟が現れた。入り口からは禍々しい瘴気が漂っているように見える。


「ここが魔物の住処か」


ライトニングは険しい表情で呟いた後、私を安心させるように微笑んだ。


「大丈夫だ、俺がいる限りお前は安全だ」


私は彼女の言葉に勇気づけられた。意を決して洞窟の中へと足を踏み入れる。中は真っ暗で何も見えない状態だ。ライトニングが魔法で光を灯し先に進んでいくと、そこには大量の魔物の姿があった。私は思わず悲鳴を上げそうになるが必死に堪える。


（ここで逃げるわけにはいかない！）


私は意を決して杖を構えると、呪文を唱えた。


「サンダーボルト！！」


私の放った魔法は魔物の群れに直撃する。すると何体かのモンスターが倒れていったが、それでもまだ多くのモンスターが残っていた。


（このままじゃまずい……！）


私は恐怖心に駆られながらも必死に戦った。ライトニングは私を守るように前に立ちながら剣を振るっている。彼女の動きはとても素早くて正確だった。次々と目の前の敵を斬り倒していく姿を見ているうちに勇気づけられてきたのだ。


（私も頑張らなきゃ！）


私は覚悟を決めると、ありったけの魔力を込めて魔法を放った。


「サンダーボルト！！！」


私の放った魔法が直撃すると、ついに全ての敵を倒すことが出来たのだ！


「やったね！」


ライトニングが嬉しそうに言うと同時に私はその場に座り込んだ。緊張が解けてホッとしたせいだろう。


「大丈夫か？ 怪我をしていないだろうな」


心配そうな声を上げるライトニングに対して、私は笑顔を浮かべながら答えた。


「うん、大丈夫。ありがとう」


彼女は安心したように微笑むと、私の手を握りしめてくれた。その手はとても温かくて安心感を与えてくれるものだった── その後、私たちは洞窟の出口へと向かっていった。途中で何度か魔物に遭遇したが、その度にライトニングが助けてくれたおかげで無事に脱出することが出来たのだった。