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葉月カイト

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夏合宿

8

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由貴くんを寝かせてキッチンに行くと藤澤が昼飯を作っていた。



「お昼唐揚げ??由貴くんアレルギーで食べれないよ?」
「はぁ?何言ってるんだよ?お前、作るだろう?由貴の分」



それをわかった上での唐揚げか。



「そろそろ由貴くん起きるかな?」


あまり食べれないだろうし少なめに作るかな。



**********


「最後にネギ入れて完成」



??
視線?



「何やってるんだ?」
「お前好きな奴にはホント尽くすよな」
「当たり前だろうが!好きな奴に尽くさないでどうすんだよ」
「……莉音ちゃんは?」



藤澤はいつも莉音のことを言ってくる。
俺が莉音を好きだったのを知っているから。



俺がベタ惚れだったのもね。
別れた理由も本当のことは誰も知らない。



「一応莉音のことも好きだったけど?」
「というか藤澤。お前、莉音が好きだよな?」



この間から莉音のことを言ってくるけど。
藤澤はおそらくというかほぼ間違いなく莉音に惚れている。



そして。
由貴くんのお昼ご飯を持って部屋へ。




「由貴くん。はい、あーん」
「いや。食べれるから」
「いや?」
「嫌じゃなくて!」
「ダメ?」
「あーもう!わかったから!!」



由貴くんは顔を赤く染めながらも食べてくれる。
可愛いなぁ。


「美味しい?」
「颯太の作るので不味いのはないよ」



……。
何、この可愛い生き物は。
というよりも、何でこんなに由貴くんは可愛いのっ。



「由貴くん、まだめまいする?」
「大丈夫」
「でも。海はダメだからね?」
「えぇー!」
「海は来年また行けばいいじゃない?」
「でもっ」
「由貴くん。顔赤いしちょっと熱あるんだから、大人しく寝てなさい」



由貴くんは渋々だけど、なんとか納得してくれた。
由貴くんは軽い熱中症だったからね。
本人は気づいてなかったけど。




そして。
しばらくして由貴くんは眠りについた。



由貴くん最近体力落ちてるよね。
ずっと家にいたし。



合宿終わったら体力戻すためにも外に連れ歩くかな。



*********



「由貴くんー起きて」
「んー」
「燐くんと純平がおやつ作ったから食べておいでよ」
「食べてくる。颯太は?」
「俺は藤澤に話あるからあとで行くから!」
「わかった」


さてと由貴くん行ったし。



「藤澤ー」
「由貴は?」
「純平たちと食堂」
「話しだけどな」
「次の部長でしょ?」
「藤澤は由貴くんに任せたいの?」
「あぁ。由貴はお前ほどじゃないが面倒見いいしな」
「話はしたの?」
「した。由貴はお前が部長になってほしいて言ってるて言ったらあっさり承諾したぞ?」





また、人のことを使って。



「仕方ないね。わかったよ」




俺も由貴くんが適任だと思うしね。
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