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葉月カイト

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家族

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「じゃあケガも問題ないし」



退院の準備をしていたら陸がやってきた。



「明日退院するのか?」
「明後日だよ」



親父が来た次の日からまともな食事が出てなんとか傷治ったし。
話によると前からマズいって言われていたらしい。


ぶっちゃけ今日、退院してもいいけど。
母さんが正気に戻ったんなら紹介したいから。



本当は今日と明日。
由貴くんがゼミがあって忙しいからなんだけどね。
無理するなって言っても大学関係だけは聞いてくれない。


「由貴のこと紹介すんのか?」
「もちろん」
「しかしあれだよな。お袋さんも正気に戻ったら息子はでかくなってるし彼氏はいるしで大変だよな」
「それなら大丈夫だよ。昨日母さんには話してるから」



親父の言うのがホントか確かめたくて母さんの病室に行った。



『母さん』
『颯太?』
『うん』
『大きくなったわね』
『母さん。母さんに紹介したい子がいるんだ』
『誰?』
『俺にとって大切な子だよ』
『ふふっスッゴク大切な子なのね』
『うん。それにスッゴク可愛いんだよ?』
『ホントに会うの楽しみ』
『写真あるよ。見てみる?』



写真見せると母さんは可愛いって言ってた。
流石に男の子っていうのはわかったみたいだけど。



「で、お袋さんは退院は?」
「しばらく入院だって」
「そういやお前、卒論は?」
「何言ってんの!とうの昔に出したよ?」



そんな出し忘れするとかあり得ないし。
早く出しすぎてわざとダメ出しさたけどね。
教授に。
だから。
渋々後期始まってから卒論だしたんだよね。



就職先の書類も出し終わったし。



悩みがあるなら。
由貴くんへのクリスマスプレゼントが決まってないんだよね。



由貴くんとつき合って最初のクリスマスだから色々とサプライズしたかったのに。
怪我して入院するとかありえないし。



指輪?
指輪は誕生日プレゼントにしたいし。

『ねぇ、クリスマスプレゼント何がいいと思う?』
『それは嫌がらせか?』
『へ?』
『だーかーら!恋人のいない俺への嫌がらせかって聞いてるんだよ』




藤澤のこういうとこしつこいんだよね。
莉音をまだデートに誘えてないし。



好きなら行動に移さないと他の男に奪われちゃうのに。





…………………。
人のこと言えないな。
由貴のこと好きになっていたのに。
なかなか気持ち伝えれなかったしね。



『藤澤だったら付き合っている子にクリスマスプレゼント何渡す?』
『あ、指輪以外で』
『アクセサリー嫌いじゃないならお揃いのアクセサリーとか?』



ブレスレット?
ネックレス?
んー男の子相手に渡すようなものじゃない。
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