恋愛小説2

七海美波

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 数日後の夕方、あたしたちは後藤先生夫妻を強制的に校舎裏に呼び出し、決起集会を開いた。
「では、これより、生徒会との全面対決のための、決起集会を開催いたします。発起人は、もちろんウチです。さあ、まずはアナーキストの聖歌である『黒旗の歌』を斉唱しましょう!」
「「「革命の旗、黒旗は、我らの頭上になびく。自由にさける反逆の血潮は旗を染めぬ。黒旗よ、黒旗よ、その陰に生死せん。民衆よ、武装せよ。我らは黒旗守る」」」
「二番はとばして、三番を斉唱しましょう」
「「「ロシアに媚びて神聖の旗を汚すは誰ぞ。金と地位とに惑いたるボルシェビキのやつら。黒旗よ、黒旗よ、その陰に生死せん。民衆よ、武装せよ。我らは黒旗守る」」」
 だが、後藤先生だけは沈黙して歌わない。田井中部長は、それを無視して、持参したスッポンの血を紙コップについだ。
「さすがに牛などの動物の血は入手できないから、ウチの親がもらったけど気持ち悪くて飲めなかった、スッポンの血にするわ。さあ、皆で飲み合おうか」
 スッポンの血は、そこまで美味いとは思えなかったが、あたしは我慢して飲んだ。後藤先生の奥さんは美味そうに飲んだが、後藤先生のほうは、目をむいて、ものすごく嫌そうに飲んでいた。
「おいおい、普通、こういう場合は、お神酒を飲み合うもんだろう。なぜ、スッポンの血なんだよ?」
「仕方ないでしょう。ウチらは高校生だから、酒なんか飲めませんもん。でも、まだスッポンの血が余ってるから、二杯目いきますよ」
あたしは正直、気乗りしなかったが、辛抱して二杯目を飲む。
「前回の桃園の誓いの延長線上として、今日は後藤先生夫妻を加えたということで、ここに血盟団を結成したいと思います」
「勝手に加えるな!」
後藤先生のクレームを無視して、血盟団結成の儀式は粛々と進められる。
「とりあえず、ウチが井上日召になります。一人一殺とまではいきませんが、一人で生徒会役員の一人を論破しましょう」
「そのためには、あたしたちもきちんとマルクス主義を学ばねばなりませんね。ダラカンの似非左翼ではない、真正のマルクス主義は劉備の『義』に通じますから」
「そのためには、後藤先生には、きっちりウチらにマルクス主義を教えていただかないといけませんね」
「勘弁してくれ。オレは革命の理論家だ。実践家ではないのだから、生徒の間に入って革命の支援はできない」
「あら、実践無くして理論無しですわよ、後藤先生。それとも後藤先生って、実践が怖い臆病者ですか?」
後藤先生は一瞬、返答に窮したが、すぐに答える。
「や、やってやろうじゃないか。こちとら、腐っても社会科教師。劉備の『義』も知らないほど、落ちふわれちゃいない。ただし、条件があるがな」
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みんなの感想(4件)

渡辺玉緒
2024.04.14 渡辺玉緒

この作品は作者の歴史上の知識が語られていて興味深いです

解除
渡辺玉緒
2024.04.12 渡辺玉緒

この作品は色々と歴史上の言葉が出てきて自分は難しいですが、それなりに色々と勉強になります。

解除
水神 楓香
2024.04.03 水神 楓香

姉の感想を書いときます。

会話文が多いのと、あとは、世界観には入りやすいんですけど、なんか、前と同じで堅苦しい感じがあったので、そこを直せば、良いかなとは思いました。続き楽しみにしてます

解除

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