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第三章 王立学校
浴衣姿
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おっさんが出た後、俺は30分程湯に浸かり、風呂から出た。季節的に気温がかなり低いので、逆上せるギリギリまで入っていようと思ったのだが、案外耐えれてしまった。
ポカポカした体を維持するべく、急いで更衣室に戻り、着替えて待合室へ来た。シャロとティアの姿はまだない。きっと髪を乾かしたり色々とやることがあるのだろう。
前の世界でも、姉と母は数分しか湯に浸からないとか言うくせに出てくるのが遅かったことを思い出す。そういったことはどこの世界も変わらないようだ。
待合室をキョロキョロしていると、館内図が目に入った。館内の施設が大雑把に描かれているのだが、その中でもBARと書かれている所が目に留まる。文字通りお酒が飲める場所なのだろうか、この世界では18歳から飲酒が認められているのでたぶん俺でも入ることができる。
前の世界では親から少しだけ貰うことがザラにあったので、屋敷の中でも遠慮せずに飲んでいた。俺はアルコールには強いのでベロベロに酔うことはないのだが、一応試験が終わるまでは我慢をしよう。強いのはきっと遺伝なんだと思う。因子のおかげ……というのもあるかもしれないが、そもそも親がどちらも強かったのだ。
食い入るように俺が見ていると後ろから声をかけられた。
「お待たせしました」
「おお、結構遅かった―――」
後ろを振り返った俺の目に映ったのは、いつものとは違う衣服を身につけた2人。髪を後ろで結い、うなじが晒されている。そう、これは温泉ならではの―――
「ゆ、浴衣だ……」
「どうですか? 似合ってますか?」
くるりと一周して全身を隅々まで見せつけてくる。
「…………」
「おい、なんか言えよ……」
「あ、ああ。ごめん、ごめん。驚いて声が出なかった。すっげぇ……似合ってる。新札が発行されるなら2人を推薦したいくらいだ」
「な、なんだそれ?」
「つまり可愛いってことですよね?」
「ああ、まぁ、うん……そうだ」
俺の照れ隠しなどシャロに見透かされているようだ。てか顔めっちゃ熱いわ。なんだこれ、はっず!
「ちゃんと言わないとダメですよぉ」
火照った顔を隠すように別の方向を向いたのだが、前屈みになったシャロが覗き込んでくる。不意打ちの上目遣いに俺の心臓が破裂しそうな程脈打つ。
「ふふ、顔真っ赤ですねぇ」
「おっ、おいっ!?」
そのまま攻めの姿勢を崩さず、シャロが片腕にしがみつく。腕に感じる柔らかい感触。慣れることの無いそれが、この非現実的空間をスパイスにして俺の脳天に雷を落とす。
腕を組むなんて何度もやった事があるはずなのに、傍にいる、手が届くという状況が俺の胸を熱くする。
「こうすると新婚さんみたいですねぇ」
「し、新婚さんって……」
どうもここ最近、俺自身のシャロへの耐性が無くなってきている気がする。もっと前は軽くあしらえてもしかして……これが恋か?
「あ、アタシを置いていくなよ!」
慌ててティアも俺の反対の腕にしがみつく。
「おい、ティアも何して……」
「……シャロは良くてアタシはダメなのかよ」
「ちがっ、そうじゃなくてだな」
こんな美女二人を侍らせていると嬉しい反面、やはり恥ずかしさが勝る。だが、それも俺が曖昧な態度をとっているのが原因だろう。俺の中でとっくに答えは出ている。にもかかわらず、未だに何もしていないのは、俺自身がそれを形にするのを恐れているだけだ。
「……そろそろ向き合わねぇとな」
「ん? どういうことだ?」
「二人が超絶可愛いってことだよ」
「なっ!?」
「ふふ、照れますね」
ひとまずは受験だ。
それが片付いたなら俺は———
横にいる二人の姿を今一度目に焼き付け、俺は確かに決心をしたのだった。
ポカポカした体を維持するべく、急いで更衣室に戻り、着替えて待合室へ来た。シャロとティアの姿はまだない。きっと髪を乾かしたり色々とやることがあるのだろう。
前の世界でも、姉と母は数分しか湯に浸からないとか言うくせに出てくるのが遅かったことを思い出す。そういったことはどこの世界も変わらないようだ。
待合室をキョロキョロしていると、館内図が目に入った。館内の施設が大雑把に描かれているのだが、その中でもBARと書かれている所が目に留まる。文字通りお酒が飲める場所なのだろうか、この世界では18歳から飲酒が認められているのでたぶん俺でも入ることができる。
前の世界では親から少しだけ貰うことがザラにあったので、屋敷の中でも遠慮せずに飲んでいた。俺はアルコールには強いのでベロベロに酔うことはないのだが、一応試験が終わるまでは我慢をしよう。強いのはきっと遺伝なんだと思う。因子のおかげ……というのもあるかもしれないが、そもそも親がどちらも強かったのだ。
食い入るように俺が見ていると後ろから声をかけられた。
「お待たせしました」
「おお、結構遅かった―――」
後ろを振り返った俺の目に映ったのは、いつものとは違う衣服を身につけた2人。髪を後ろで結い、うなじが晒されている。そう、これは温泉ならではの―――
「ゆ、浴衣だ……」
「どうですか? 似合ってますか?」
くるりと一周して全身を隅々まで見せつけてくる。
「…………」
「おい、なんか言えよ……」
「あ、ああ。ごめん、ごめん。驚いて声が出なかった。すっげぇ……似合ってる。新札が発行されるなら2人を推薦したいくらいだ」
「な、なんだそれ?」
「つまり可愛いってことですよね?」
「ああ、まぁ、うん……そうだ」
俺の照れ隠しなどシャロに見透かされているようだ。てか顔めっちゃ熱いわ。なんだこれ、はっず!
「ちゃんと言わないとダメですよぉ」
火照った顔を隠すように別の方向を向いたのだが、前屈みになったシャロが覗き込んでくる。不意打ちの上目遣いに俺の心臓が破裂しそうな程脈打つ。
「ふふ、顔真っ赤ですねぇ」
「おっ、おいっ!?」
そのまま攻めの姿勢を崩さず、シャロが片腕にしがみつく。腕に感じる柔らかい感触。慣れることの無いそれが、この非現実的空間をスパイスにして俺の脳天に雷を落とす。
腕を組むなんて何度もやった事があるはずなのに、傍にいる、手が届くという状況が俺の胸を熱くする。
「こうすると新婚さんみたいですねぇ」
「し、新婚さんって……」
どうもここ最近、俺自身のシャロへの耐性が無くなってきている気がする。もっと前は軽くあしらえてもしかして……これが恋か?
「あ、アタシを置いていくなよ!」
慌ててティアも俺の反対の腕にしがみつく。
「おい、ティアも何して……」
「……シャロは良くてアタシはダメなのかよ」
「ちがっ、そうじゃなくてだな」
こんな美女二人を侍らせていると嬉しい反面、やはり恥ずかしさが勝る。だが、それも俺が曖昧な態度をとっているのが原因だろう。俺の中でとっくに答えは出ている。にもかかわらず、未だに何もしていないのは、俺自身がそれを形にするのを恐れているだけだ。
「……そろそろ向き合わねぇとな」
「ん? どういうことだ?」
「二人が超絶可愛いってことだよ」
「なっ!?」
「ふふ、照れますね」
ひとまずは受験だ。
それが片付いたなら俺は———
横にいる二人の姿を今一度目に焼き付け、俺は確かに決心をしたのだった。
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