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第三章 王立学校
予知夢再び
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「ふぅ……結構食ったな」
「も、もう流石に食べれませんね……」
「そうか? 今から夕食作ろうと思ってたんだけど」
屋台を巡り、食べては歩き、食べては歩きを繰り返した。俺とシャロは早々にギブアップしたのだが、ティアは一人で全店舗制覇を成し遂げたのだ。
「すまん、もう食えねぇ」
「そ、そっか……シャロはどうする?」
「わたくしも大丈夫です」
「じゃあ、アタシの分だけでいっか」
「まだ食べるのか?」と言いそうになったが、それをごくりと飲み込んだ。
「あ、雷鳴鬼はどうだ?」
「あー……まだ寝てるっぽい」
昨日はガッツリ戦いに参加したからその反動だろう。本人の自堕落な気質も関係あるとは思うが。
「でも、一応作りおきしておいてやるかー」
そう言ってキッチンで支度を始めたティア。
俺はひとまず風呂を沸かしに行った後、その姿を眺める。
椅子に反対に座りじっと見つめても、ティアは真剣な表情でこちらのことは気にも留めない。ある種のゾーンのようなものだろうか。
「お茶、入りましたよ」
「お、さんきゅー」
シャロが運んできてくれたお茶を受け取り、それを一口。
うん、相変わらず美味い。何せ、これも屋敷から持ってきた物の一つだ。
コップを机に置き、またさっきの体勢に戻る俺に、シャロが後ろから腕で包み込んでくる。しばらくは何もせず、そのままの状態だったのだが、次第に手が動き体をなぞり始める。
お腹に、胸に、そして顔に段々と上に上がってくる。こそばゆい感覚に襲われながらも、反応したら負けだと思い無視を決め込む。
すると、今度は不意に吐息が聞こえ、耳を甘噛みし始めた。
微かに聞こえる甘い声、それにゆっくりと伝わる体温が官能的で、ゾワッと俺の中の何かを刺激してくる。
なおも反応を示さない俺にいよいよシャロが本気を出してくる。
舌が首筋を這い、俺の服を少しずらして、抱きしめたまま吸血鬼のように吸い付く。
思わず声が出そうになるのをグッと抑える。
大丈夫だ、まだ耐えれる。
「……我慢、しなくていいんですよぉ」
これまで黙ったままのシャロが、小声で優しくそう囁く。
その瞬間、全身に電撃が走り、シャロへと手が伸びかけたところで、
「そこっ! 気が散るっ!!」
流石のティアもこれには怒り、俺達は風呂場へと撤退した。
そうして時間は過ぎ、12時になりかけたところで自室にノックが響く。
扉を開けに行くと、そこにはティアとシャロの二人が待ち構えていた。
「あれ、今日はシャロだけじゃ……」
「せっかくですしぃ、今日は特別に二人でご奉仕させていただこうかと」
「ほ、ほらっ! 武闘祭の慰安も兼ねてさ!」
「な、なるほど?」
「ほらっ、早く中に入れろっ!」
「ちょっ、心の準備がっ!」
強引に俺を中へと押し込み、ベッドに放りだされる。素の力だと俺よりティアの方が強いのだ。
こうして、二人に囲まれたまま、夜は更けていく―――
▷▶▷
(ああくそ、またこれかよ……)
久しぶりのこの場所、宇宙空間のような世界に俺は浮かんでいる。
(つまり、適合率が45%になったってことか?)
これまでの傾向から考えるに、5がつくタイミングで俺の『未来予知』が発動すると思われる。
しかし、まだ前回見たアレを回収していない。もう過ぎたって考えていいのか?
例の如く星が降り注ぎ、その中の一つ、茶色の光がこちらへと向かってくる。
直撃の瞬間、極光が俺を包み、世界を構築していく。
(ん……ここは……)
見覚えがある。
そう、ここは武闘祭の開会式を行ったところだ。
そしてそこを天から見下ろす形で俺は観察している。
観客席の上、そこの来賓者用の席に誰かが立っている。あれは国王だな。
「此度の祭り、実に愉快なものであった。我が名において、ここに閉式と———」
締めの挨拶と思われる言葉を遮るように、中央に突然マントを被った大きな人間が現れる。
そして、周りがその者にざわめく中、
『――――――烈火』
そんなものを意にも返さず、王の席目掛けて特大の魔法を放った。
しかし、王のすぐ近くに居た者、当代の勇者がそれを防ぐ。
そして闘技場へと降りてきて、一瞬でそのマントの侵入者を制圧した。
『貴様、何者だ』
『……』
勇者は返答のない侵入者のフードを脱がす。すると、
(……っ!? ガルド!?)
あの大きな肉体、頬の傷、そして太刀。
取り押さえられている男は間違いなく、俺の知る男だ。
地面に押し付けられたガルドは険しい表情で王を睨み、
『貴様が俺の父を殺したのだっっっ!!! 貴様達が、国のくだらん政策が俺の人生を壊したのだっっっ!!!』
これまで、見たことも聞いたこともない姿で、声でそう吠える。
その姿はまるで復讐に取りつかれた獣のようで、自分の眼を何度も疑う。
(な、んで……こんなことが……)
あの優しい顔が憎悪に染まっている。
どうしても理解ができない。これが未来だというのか?
(くっ、今度は何だ!?)
再び極光が全身を包み、世界を変える。
場面が切り替わって、今度は俺達の教室だ。
『みんな……知ってると思うけど、このクラスのガルド・ローズベルト君が、反逆罪で死刑に決まった』
いつにもまして真剣な顔の先生が淡々と言葉を紡いでいく。
『正直、僕もまだ理解が追い付いていない。まさかこんなことになるなんて……』
(死刑……ガルドが? 死ぬってことなのか……?)
未だに脳が理解を拒絶し、現実をみることが出来ない。
ただの縁起の悪い悪夢だって方が信じられる。
第一、俺のこの夢が予知夢という確信もない。
あのガルドが理性的な判断を下せないほど思い悩んでいたということか?
無情にも世界はそこで終わり、覚醒が促された。
「も、もう流石に食べれませんね……」
「そうか? 今から夕食作ろうと思ってたんだけど」
屋台を巡り、食べては歩き、食べては歩きを繰り返した。俺とシャロは早々にギブアップしたのだが、ティアは一人で全店舗制覇を成し遂げたのだ。
「すまん、もう食えねぇ」
「そ、そっか……シャロはどうする?」
「わたくしも大丈夫です」
「じゃあ、アタシの分だけでいっか」
「まだ食べるのか?」と言いそうになったが、それをごくりと飲み込んだ。
「あ、雷鳴鬼はどうだ?」
「あー……まだ寝てるっぽい」
昨日はガッツリ戦いに参加したからその反動だろう。本人の自堕落な気質も関係あるとは思うが。
「でも、一応作りおきしておいてやるかー」
そう言ってキッチンで支度を始めたティア。
俺はひとまず風呂を沸かしに行った後、その姿を眺める。
椅子に反対に座りじっと見つめても、ティアは真剣な表情でこちらのことは気にも留めない。ある種のゾーンのようなものだろうか。
「お茶、入りましたよ」
「お、さんきゅー」
シャロが運んできてくれたお茶を受け取り、それを一口。
うん、相変わらず美味い。何せ、これも屋敷から持ってきた物の一つだ。
コップを机に置き、またさっきの体勢に戻る俺に、シャロが後ろから腕で包み込んでくる。しばらくは何もせず、そのままの状態だったのだが、次第に手が動き体をなぞり始める。
お腹に、胸に、そして顔に段々と上に上がってくる。こそばゆい感覚に襲われながらも、反応したら負けだと思い無視を決め込む。
すると、今度は不意に吐息が聞こえ、耳を甘噛みし始めた。
微かに聞こえる甘い声、それにゆっくりと伝わる体温が官能的で、ゾワッと俺の中の何かを刺激してくる。
なおも反応を示さない俺にいよいよシャロが本気を出してくる。
舌が首筋を這い、俺の服を少しずらして、抱きしめたまま吸血鬼のように吸い付く。
思わず声が出そうになるのをグッと抑える。
大丈夫だ、まだ耐えれる。
「……我慢、しなくていいんですよぉ」
これまで黙ったままのシャロが、小声で優しくそう囁く。
その瞬間、全身に電撃が走り、シャロへと手が伸びかけたところで、
「そこっ! 気が散るっ!!」
流石のティアもこれには怒り、俺達は風呂場へと撤退した。
そうして時間は過ぎ、12時になりかけたところで自室にノックが響く。
扉を開けに行くと、そこにはティアとシャロの二人が待ち構えていた。
「あれ、今日はシャロだけじゃ……」
「せっかくですしぃ、今日は特別に二人でご奉仕させていただこうかと」
「ほ、ほらっ! 武闘祭の慰安も兼ねてさ!」
「な、なるほど?」
「ほらっ、早く中に入れろっ!」
「ちょっ、心の準備がっ!」
強引に俺を中へと押し込み、ベッドに放りだされる。素の力だと俺よりティアの方が強いのだ。
こうして、二人に囲まれたまま、夜は更けていく―――
▷▶▷
(ああくそ、またこれかよ……)
久しぶりのこの場所、宇宙空間のような世界に俺は浮かんでいる。
(つまり、適合率が45%になったってことか?)
これまでの傾向から考えるに、5がつくタイミングで俺の『未来予知』が発動すると思われる。
しかし、まだ前回見たアレを回収していない。もう過ぎたって考えていいのか?
例の如く星が降り注ぎ、その中の一つ、茶色の光がこちらへと向かってくる。
直撃の瞬間、極光が俺を包み、世界を構築していく。
(ん……ここは……)
見覚えがある。
そう、ここは武闘祭の開会式を行ったところだ。
そしてそこを天から見下ろす形で俺は観察している。
観客席の上、そこの来賓者用の席に誰かが立っている。あれは国王だな。
「此度の祭り、実に愉快なものであった。我が名において、ここに閉式と———」
締めの挨拶と思われる言葉を遮るように、中央に突然マントを被った大きな人間が現れる。
そして、周りがその者にざわめく中、
『――――――烈火』
そんなものを意にも返さず、王の席目掛けて特大の魔法を放った。
しかし、王のすぐ近くに居た者、当代の勇者がそれを防ぐ。
そして闘技場へと降りてきて、一瞬でそのマントの侵入者を制圧した。
『貴様、何者だ』
『……』
勇者は返答のない侵入者のフードを脱がす。すると、
(……っ!? ガルド!?)
あの大きな肉体、頬の傷、そして太刀。
取り押さえられている男は間違いなく、俺の知る男だ。
地面に押し付けられたガルドは険しい表情で王を睨み、
『貴様が俺の父を殺したのだっっっ!!! 貴様達が、国のくだらん政策が俺の人生を壊したのだっっっ!!!』
これまで、見たことも聞いたこともない姿で、声でそう吠える。
その姿はまるで復讐に取りつかれた獣のようで、自分の眼を何度も疑う。
(な、んで……こんなことが……)
あの優しい顔が憎悪に染まっている。
どうしても理解ができない。これが未来だというのか?
(くっ、今度は何だ!?)
再び極光が全身を包み、世界を変える。
場面が切り替わって、今度は俺達の教室だ。
『みんな……知ってると思うけど、このクラスのガルド・ローズベルト君が、反逆罪で死刑に決まった』
いつにもまして真剣な顔の先生が淡々と言葉を紡いでいく。
『正直、僕もまだ理解が追い付いていない。まさかこんなことになるなんて……』
(死刑……ガルドが? 死ぬってことなのか……?)
未だに脳が理解を拒絶し、現実をみることが出来ない。
ただの縁起の悪い悪夢だって方が信じられる。
第一、俺のこの夢が予知夢という確信もない。
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