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32 気分転換
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「今回の件は俺の手柄じゃなくてケインと賢者の手柄です!」
そう、井戸の汚染も、特効薬も俺の手柄じゃない・・・なのに
領主から呼び出しを受けてお褒めの言葉を頂いております・・・
「ケイン殿と友好を結び、賢者マサノリ殿とも親交が深い其方のおらねばもっと遅れた事であろう」
・・・そう言われましても・・・手柄を掠め取るみたいで気が引けるのだが・・・
「ケイン殿とマサノリ殿にはもう褒章を出した所だ・・・後はハルヒト殿だけなのだが・・・」
ケインについては初耳だ!あんにゃろ・・・いつの間に・・・
俺からもご褒美ねだって次は領主からとか、強欲すぎんだろ・・・
「はぁ・・・左様ですか・・・」
「率直に聞くが、ハルヒト殿は何が欲しい?」
出たよ、愛娘にプレゼントしたい親父が何をプレゼントしていいかわからず誕生日ギリギリで愛娘に聞く最悪のパターン
この際だ・・・とんでもない物を挙げておこう・・・
そうせ手に入らんし・・・
「そうですね、今一番欲しいのは神酒(ソーマ)ですね、それ以外は欲しい物は揃ってますし、自分で手に入れられますから」
出せるもんなら出してみな・・・と、挑戦気味に言っておく・・・
「ふむ・・・神酒とな・・・」
そう言って考え込むデュオラント様・・・
「一考しておく」
そう言って退室を促された・・・
ぶっちゃけかなり失礼な奴である・・・が、店内での醜態の件で貸しがあるからこれくらいは許されるだろう・・・
帰っていいと言われればこんな所に用事は無い・・・俺は店で忙しいのだ。
「マクラーン、神酒の情報を集めよ!ハルめ、目に物見せてくれるわ!」
宰相に指示を出すデュオラント様、挑発に乗りやすい性格らしい・・・
負けず嫌いだからこそ、領主なんてやってられるのだろう・・・
この俺の無茶な要求で学者や学園図書館、神殿図書館をひっくり返すほどの騒ぎとなった・・・
そんな騒ぎになってるとは露程も知らない俺なのだが・・・
まぁ、精々足掻くといいさ・・・
病気が落ち着いたとはいえ傷跡は深く残っている。
未だに完治してない人も多く、酒飲んで大騒ぎみたいな風潮も見られない。
飲みたい人はこっそり飲んでるって感じだ・・・
そんなわけで、せっかく波に乗ってきたミスルトウも再び閑古鳥の大合唱である。
色々と諦めた俺はフィリアンとカクテルの研究中・・・
「本日ご用意いたしましたのはこちらのお酒!」
「ブランデーですか?ハル様・・・」
「ノリが悪いよフィリー、もっと楽しくハイテンションでいこう」
「OK!ハルハルその瓶はブランデーね」
興が乗ってきたらしい・・・
「その通り!元居た所じゃかなりの銘酒!カミュXOだぁ」
まぁ、美味いし、いい酒なんだがインパクトに欠けるな・・・
それでもフィリアンは言われた通りハイテンションで話す
「ワオ!カミュっていえばブランデーの老舗、5大ブランドの一角ね」
ちなみに5大ブランドは【ヘネシー】【レミーマルタン】【マーテル】【クルボアジュ】【カミュ】の五つ
「そう!よく勉強してるねフィリー、その中でもリーズナブルで間違いなくうまい酒XOのご紹介だぁ!」
コニャックだとこんな感じで下に行くほど熟成年月が長く値段も高くなり
スリースター
V.S. [Very Special]
V.S.O.P. [Very Superior Old Pale]
ナポレオン
X.O. [Extra Old]
Hors d'age(オール・ダージュ)
アルマニャックだと
スリースター
V.S.
V.O.
V.S.O.P.
ナポレオン
X.O.
ってな感じになる
「ハルハル~、リーズナブルって言ってもお高いんじゃないの?」
呆れたような顔をしてるが、付き合ってくれてるフィリアン・・・いい子だわ・・・
「この高級感あふれるボトル、そしてこの気品のある香り」
軽く一杯飲ませる
「確かに素晴らしい香りだわ、味も素敵!」
「それが銀貨5枚で味わえるんだ、金貨じゃないぞ!」
「Oh!そんな値段で貴族の味が楽しめるなんて・・・価格破壊だわ!」
「しかも今なら同じ物がもう一本ついて来る!」
「Oh!mygod・・・なんて事なの?そんな値段で売ってしまってはこのお店が潰れてしまうわ・・・」
駄目だ・・・深夜の通販番組のノリでやってみたが、視聴者が居ないからテンションがもたん・・・
「はい、終了・・・なんか疲れた・・・」
「ハル様、確かに美味しいのですが、誰に向かって宣伝を?」
その冷静無慈悲なツッコミは俺の心が痛いから・・・
「意味は無い!ただ、明るく元気な店にしたかっただけだ・・・」
「確かに寂しいですもんね・・・」
こんな時こそ、あいつらが来て馬鹿騒ぎしてほしい物だが・・・
残念ながら領主の依頼で出張中だ・・・
そんな感じでフィリアン達と緩やかな日常を送っていた。
みんなも元気になったし、気分転換!っというわけで、高原の方にハイキングに来てます。
ここはいいんですよ。湖もあれば森もある。
自給自足のサバイバルを楽しむにも丁度いい・・・
ただ・・・魔物さえ出なきゃね・・・
まぁ、いつものレベリングも兼ねてって感じです。
地味にコツコツとレベル上げをしてるフィリアンとハンティはそこそこ強かったりします。
戦闘スキルは無いけどレベルのおかげで上がってる素のステータスが・・・
特にハンティ!白狼族の特性か?かなり伸びてる。
そんなわけで、ある程度放置しといても問題ないくらいにはなってると判断し、
俺は湖の方で釣りタイムをエンジョイする事にする。
ボートを出してボチボチ釣るわけだが、本日は海でも使ってるルアー竿、シマノのルアーマチック S90MH 9フィート
まぁ、たまには淡水で釣りもいいかなって・・・
セットで買える激安シンキングバイブレーションを使う・・・
俺は激安ルアーが好きだ!どんなデンジャラスゾーンでも平気で投げ込める・・・
お高いルアーでは躊躇する様なポイントも容赦なく攻めていける。
100均ルアーなんかは大好物だ
話が逸れたな・・・俺はそんな感じの休日を過ごす・・・
フィリアン達は森で狩りを楽しむそうだ・・・
何投目か忘れたくらいだったが、思いっきり一気に引っ張られ釣り糸が放出される
ん・・・なんか一瞬デジャブったんだが気のせいか?
一回大きく合わせて巻き始める・・・
くっそ重い・・・この湖のサイズじゃここまでの魚はありえねぇだろ!
そう思うくらいの引きの強さ・・・
糸が暴れる・・・とにかく少しでもとゆっくり巻いていく
30分くらい格闘してただろうか・・・
魚が水面から跳ねる・・・え?
脳裏によぎる過去の記憶・・・
おかしい・・・ここは淡水、何かの見間違いだ・・・
そう自分に言い聞かせ糸を巻く・・・
物凄い勢いでボートに近づいてくる水しぶき・・・
そしてボートを掴んで顔を出す魚・・・じゃなくて、口元にルアーを咥えて頬にきっちりフックしてる涙目の
「また貴様か!どうして俺の休日を邪魔するんだ!」
「ハルのバカバカバカ!痛いじゃないの!」
口元にルアーをつけたまま叫んでる・・・人魚・・・
ポンコツ人魚姫・・・再登場・・・
「このポンコツがぁ!なんでこんな狭い湖にいる!」
「ここに住んでる精霊のディーネに会いに来ただけだもん」
「そんで目の前を泳いでる魚に食らいついたと」
「お腹が減ったんだもん!」
「偽物でがっかりだな」
「この前はちゃんとエビだったのに・・・ハル酷すぎ」
「俺が悪いみたいに言うな!お前が意地汚いのが悪いんだろ!」
「こんな所で釣りしてる方が悪い!」
「あぁ?ここは釣り禁止か?誰が決めた?告知はしてんのか?そもそも誰が所有権を主張してるんだ?もういい!」
俺はショックリーダーから切り落とす。
「そのルアーが気に入ったんならそのままくれてやる!」
多分フックは刺さったままだが面倒だから放置で・・・
そう言って新しくショックを結びなおし別のルアーを取り付ける
「同じネタは面白くないんだよ!」
そう叫びながら反対方向へ投げる。
「ハル酷い!女の子に針刺して放置するんだ」
俺は無視を決め込む・・・
キリキリとリールを巻く
「無視しないでよぉ・・・ってかこれとってよぉぉぉぉ」
泣きながら懇願するアクレシアだったが、俺はポンコツ人魚を見ないように身体の向きを変えキャストする。
今日は気分転換で釣りを純粋に楽しむんだ・・・
「ハル~、意地汚くてごめんなさい~、釣りの邪魔してごめんなさい~、ポンコツ人魚姫でごめんなさい~」
それを聞いた俺は、さすがに哀れに思ったので、手招きで呼び針を外す・・・口の中が血まみれになってるやん・・・
まぁ、あえてスルーして俺は釣りを再開する。
「ねぇねぇ~ハルはどうしてこんなとこで釣りしてんの~?」
「気分転換、趣味、海で人魚を釣りたくなかったから淡水でやってた」
そう、そしたらまさかのアクレシアがヒット
「さすがにエサ釣りじゃないし、食いつかないと思った」
「そかぁ、私は、たまたま水の精霊に用事があったから来ただけなんだよ~」
たまたま目の前に魚みたいなのが泳いでたから食いついたと
「そか、運が悪かったな」
会話を端的に済ます・・・かかわっちゃいけない相手だと雰囲気で悟ってる。
「運が悪かったんだよ~、食べられないし、しょんぼりへにょんだよ~」
「そか、次は食べられる物だといいな。じゃぁ、俺は釣りに戻るから、また今度な」
ばっさり会話をぶった切る、斬鉄剣も真っ青だ・・・
「ハルはつれないんだよ~魚も釣れないんだよ~」
嫌な事を言う奴だ・・・
「そうか、じゃぁ帰るか」
ボートを動かし始める
「ハルはどうしたのかな?意地悪なんだよ」
・・・別に嫌ってるわけじゃないんだよな、昆布酒は美味しいし・・・
ルックス?まぁ・・・美人の部類だよな・・・、スタイルもいいし・・・下半身魚だけど・・・
意地悪したくなる?釣りの時は魚が逃げるから近くにいないで欲しいかも・・・
ふむ、よくわからん。
「例えば、普通に水面に出てきて声をかけてたら険悪にならなかったような・・・」
「釣りの邪魔されて御機嫌斜めってるだけなのね」
自分の事ながら、そういう事らしい・・・
その後は、結局アクレシアも含めてみんなで弁当食って
みんなで狩りして無事に帰宅した。
次の日も変化の魔法のおかげで地上で行動可能になったアクレシアはうちの店で朝まで飲み明かしてくださいました。
お会計を現金で払えたことに驚き、お金の入手経路が難破船からと知り更に驚き、
きっちり着服して私腹を肥やした事に呆れ、閉店時間を過ぎても飲み続けるアクレシアに俺も覚悟を決めて朝まで付き合って飲みました。
後半、何飲んだか覚えてない・・・ただ・・・カミュ キュヴェの空瓶が数本足元に転がってるのを見て
呆然と立ち尽くす俺が居ました・・・
そう、井戸の汚染も、特効薬も俺の手柄じゃない・・・なのに
領主から呼び出しを受けてお褒めの言葉を頂いております・・・
「ケイン殿と友好を結び、賢者マサノリ殿とも親交が深い其方のおらねばもっと遅れた事であろう」
・・・そう言われましても・・・手柄を掠め取るみたいで気が引けるのだが・・・
「ケイン殿とマサノリ殿にはもう褒章を出した所だ・・・後はハルヒト殿だけなのだが・・・」
ケインについては初耳だ!あんにゃろ・・・いつの間に・・・
俺からもご褒美ねだって次は領主からとか、強欲すぎんだろ・・・
「はぁ・・・左様ですか・・・」
「率直に聞くが、ハルヒト殿は何が欲しい?」
出たよ、愛娘にプレゼントしたい親父が何をプレゼントしていいかわからず誕生日ギリギリで愛娘に聞く最悪のパターン
この際だ・・・とんでもない物を挙げておこう・・・
そうせ手に入らんし・・・
「そうですね、今一番欲しいのは神酒(ソーマ)ですね、それ以外は欲しい物は揃ってますし、自分で手に入れられますから」
出せるもんなら出してみな・・・と、挑戦気味に言っておく・・・
「ふむ・・・神酒とな・・・」
そう言って考え込むデュオラント様・・・
「一考しておく」
そう言って退室を促された・・・
ぶっちゃけかなり失礼な奴である・・・が、店内での醜態の件で貸しがあるからこれくらいは許されるだろう・・・
帰っていいと言われればこんな所に用事は無い・・・俺は店で忙しいのだ。
「マクラーン、神酒の情報を集めよ!ハルめ、目に物見せてくれるわ!」
宰相に指示を出すデュオラント様、挑発に乗りやすい性格らしい・・・
負けず嫌いだからこそ、領主なんてやってられるのだろう・・・
この俺の無茶な要求で学者や学園図書館、神殿図書館をひっくり返すほどの騒ぎとなった・・・
そんな騒ぎになってるとは露程も知らない俺なのだが・・・
まぁ、精々足掻くといいさ・・・
病気が落ち着いたとはいえ傷跡は深く残っている。
未だに完治してない人も多く、酒飲んで大騒ぎみたいな風潮も見られない。
飲みたい人はこっそり飲んでるって感じだ・・・
そんなわけで、せっかく波に乗ってきたミスルトウも再び閑古鳥の大合唱である。
色々と諦めた俺はフィリアンとカクテルの研究中・・・
「本日ご用意いたしましたのはこちらのお酒!」
「ブランデーですか?ハル様・・・」
「ノリが悪いよフィリー、もっと楽しくハイテンションでいこう」
「OK!ハルハルその瓶はブランデーね」
興が乗ってきたらしい・・・
「その通り!元居た所じゃかなりの銘酒!カミュXOだぁ」
まぁ、美味いし、いい酒なんだがインパクトに欠けるな・・・
それでもフィリアンは言われた通りハイテンションで話す
「ワオ!カミュっていえばブランデーの老舗、5大ブランドの一角ね」
ちなみに5大ブランドは【ヘネシー】【レミーマルタン】【マーテル】【クルボアジュ】【カミュ】の五つ
「そう!よく勉強してるねフィリー、その中でもリーズナブルで間違いなくうまい酒XOのご紹介だぁ!」
コニャックだとこんな感じで下に行くほど熟成年月が長く値段も高くなり
スリースター
V.S. [Very Special]
V.S.O.P. [Very Superior Old Pale]
ナポレオン
X.O. [Extra Old]
Hors d'age(オール・ダージュ)
アルマニャックだと
スリースター
V.S.
V.O.
V.S.O.P.
ナポレオン
X.O.
ってな感じになる
「ハルハル~、リーズナブルって言ってもお高いんじゃないの?」
呆れたような顔をしてるが、付き合ってくれてるフィリアン・・・いい子だわ・・・
「この高級感あふれるボトル、そしてこの気品のある香り」
軽く一杯飲ませる
「確かに素晴らしい香りだわ、味も素敵!」
「それが銀貨5枚で味わえるんだ、金貨じゃないぞ!」
「Oh!そんな値段で貴族の味が楽しめるなんて・・・価格破壊だわ!」
「しかも今なら同じ物がもう一本ついて来る!」
「Oh!mygod・・・なんて事なの?そんな値段で売ってしまってはこのお店が潰れてしまうわ・・・」
駄目だ・・・深夜の通販番組のノリでやってみたが、視聴者が居ないからテンションがもたん・・・
「はい、終了・・・なんか疲れた・・・」
「ハル様、確かに美味しいのですが、誰に向かって宣伝を?」
その冷静無慈悲なツッコミは俺の心が痛いから・・・
「意味は無い!ただ、明るく元気な店にしたかっただけだ・・・」
「確かに寂しいですもんね・・・」
こんな時こそ、あいつらが来て馬鹿騒ぎしてほしい物だが・・・
残念ながら領主の依頼で出張中だ・・・
そんな感じでフィリアン達と緩やかな日常を送っていた。
みんなも元気になったし、気分転換!っというわけで、高原の方にハイキングに来てます。
ここはいいんですよ。湖もあれば森もある。
自給自足のサバイバルを楽しむにも丁度いい・・・
ただ・・・魔物さえ出なきゃね・・・
まぁ、いつものレベリングも兼ねてって感じです。
地味にコツコツとレベル上げをしてるフィリアンとハンティはそこそこ強かったりします。
戦闘スキルは無いけどレベルのおかげで上がってる素のステータスが・・・
特にハンティ!白狼族の特性か?かなり伸びてる。
そんなわけで、ある程度放置しといても問題ないくらいにはなってると判断し、
俺は湖の方で釣りタイムをエンジョイする事にする。
ボートを出してボチボチ釣るわけだが、本日は海でも使ってるルアー竿、シマノのルアーマチック S90MH 9フィート
まぁ、たまには淡水で釣りもいいかなって・・・
セットで買える激安シンキングバイブレーションを使う・・・
俺は激安ルアーが好きだ!どんなデンジャラスゾーンでも平気で投げ込める・・・
お高いルアーでは躊躇する様なポイントも容赦なく攻めていける。
100均ルアーなんかは大好物だ
話が逸れたな・・・俺はそんな感じの休日を過ごす・・・
フィリアン達は森で狩りを楽しむそうだ・・・
何投目か忘れたくらいだったが、思いっきり一気に引っ張られ釣り糸が放出される
ん・・・なんか一瞬デジャブったんだが気のせいか?
一回大きく合わせて巻き始める・・・
くっそ重い・・・この湖のサイズじゃここまでの魚はありえねぇだろ!
そう思うくらいの引きの強さ・・・
糸が暴れる・・・とにかく少しでもとゆっくり巻いていく
30分くらい格闘してただろうか・・・
魚が水面から跳ねる・・・え?
脳裏によぎる過去の記憶・・・
おかしい・・・ここは淡水、何かの見間違いだ・・・
そう自分に言い聞かせ糸を巻く・・・
物凄い勢いでボートに近づいてくる水しぶき・・・
そしてボートを掴んで顔を出す魚・・・じゃなくて、口元にルアーを咥えて頬にきっちりフックしてる涙目の
「また貴様か!どうして俺の休日を邪魔するんだ!」
「ハルのバカバカバカ!痛いじゃないの!」
口元にルアーをつけたまま叫んでる・・・人魚・・・
ポンコツ人魚姫・・・再登場・・・
「このポンコツがぁ!なんでこんな狭い湖にいる!」
「ここに住んでる精霊のディーネに会いに来ただけだもん」
「そんで目の前を泳いでる魚に食らいついたと」
「お腹が減ったんだもん!」
「偽物でがっかりだな」
「この前はちゃんとエビだったのに・・・ハル酷すぎ」
「俺が悪いみたいに言うな!お前が意地汚いのが悪いんだろ!」
「こんな所で釣りしてる方が悪い!」
「あぁ?ここは釣り禁止か?誰が決めた?告知はしてんのか?そもそも誰が所有権を主張してるんだ?もういい!」
俺はショックリーダーから切り落とす。
「そのルアーが気に入ったんならそのままくれてやる!」
多分フックは刺さったままだが面倒だから放置で・・・
そう言って新しくショックを結びなおし別のルアーを取り付ける
「同じネタは面白くないんだよ!」
そう叫びながら反対方向へ投げる。
「ハル酷い!女の子に針刺して放置するんだ」
俺は無視を決め込む・・・
キリキリとリールを巻く
「無視しないでよぉ・・・ってかこれとってよぉぉぉぉ」
泣きながら懇願するアクレシアだったが、俺はポンコツ人魚を見ないように身体の向きを変えキャストする。
今日は気分転換で釣りを純粋に楽しむんだ・・・
「ハル~、意地汚くてごめんなさい~、釣りの邪魔してごめんなさい~、ポンコツ人魚姫でごめんなさい~」
それを聞いた俺は、さすがに哀れに思ったので、手招きで呼び針を外す・・・口の中が血まみれになってるやん・・・
まぁ、あえてスルーして俺は釣りを再開する。
「ねぇねぇ~ハルはどうしてこんなとこで釣りしてんの~?」
「気分転換、趣味、海で人魚を釣りたくなかったから淡水でやってた」
そう、そしたらまさかのアクレシアがヒット
「さすがにエサ釣りじゃないし、食いつかないと思った」
「そかぁ、私は、たまたま水の精霊に用事があったから来ただけなんだよ~」
たまたま目の前に魚みたいなのが泳いでたから食いついたと
「そか、運が悪かったな」
会話を端的に済ます・・・かかわっちゃいけない相手だと雰囲気で悟ってる。
「運が悪かったんだよ~、食べられないし、しょんぼりへにょんだよ~」
「そか、次は食べられる物だといいな。じゃぁ、俺は釣りに戻るから、また今度な」
ばっさり会話をぶった切る、斬鉄剣も真っ青だ・・・
「ハルはつれないんだよ~魚も釣れないんだよ~」
嫌な事を言う奴だ・・・
「そうか、じゃぁ帰るか」
ボートを動かし始める
「ハルはどうしたのかな?意地悪なんだよ」
・・・別に嫌ってるわけじゃないんだよな、昆布酒は美味しいし・・・
ルックス?まぁ・・・美人の部類だよな・・・、スタイルもいいし・・・下半身魚だけど・・・
意地悪したくなる?釣りの時は魚が逃げるから近くにいないで欲しいかも・・・
ふむ、よくわからん。
「例えば、普通に水面に出てきて声をかけてたら険悪にならなかったような・・・」
「釣りの邪魔されて御機嫌斜めってるだけなのね」
自分の事ながら、そういう事らしい・・・
その後は、結局アクレシアも含めてみんなで弁当食って
みんなで狩りして無事に帰宅した。
次の日も変化の魔法のおかげで地上で行動可能になったアクレシアはうちの店で朝まで飲み明かしてくださいました。
お会計を現金で払えたことに驚き、お金の入手経路が難破船からと知り更に驚き、
きっちり着服して私腹を肥やした事に呆れ、閉店時間を過ぎても飲み続けるアクレシアに俺も覚悟を決めて朝まで付き合って飲みました。
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