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アルファポリスお気に入り5000人突破記念! 閑話1 アッシュとトモエ
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俺の名はアッシュ、冒険者だ。
と言っても、毎日薬草集めや角ウサギを相手にしてる駆け出しだったので『冒険者?』だよなぁ
そんな俺達も偶然出くわしたゴブリンを討伐する事に成功して、レベルが上がったのを実感したから、次の段階に進もうとハルヒトさんの店でアドバイスをもらったんだ
そしたら装備を完全に整えるまでもう少し薬草集めと角ウサギ、貯まったらゴブリンやってもいいんじゃないか?
ただ、同時に相手をするのは3体までにしろ、できれば2体までにしといた方がいいってアドバイスを受けた。
その時の最後の装備はリーシアのメイスなんだが、ハルヒトさんの話を聞いて大盾も買う事に決めた。
その後も順調に薬草集めと角ウサギで稼いでリーシアのメイスと俺の大盾を買ったんだ。
元々俺の武器は片手剣だったから盾を構えるのに武器を替えなくても良かった。
そして言われた事その2、メンバー集めだ。
ギルドの方にレベル8前後のファイターの募集を伝えておく。
正式メンバーではなくあくまで臨時の扱いで、何回も一緒にやっていくうちに正式メンバーになってもらうかを決めようと思ってる。
毎回、1クエスト単位での契約だ。
そのクエストで得た報酬を完全に人数割りにする事を伝えておいた
そして俺達は、薬草採集をしながら角ウサギを相手に盾の練習をしていた。
3日後、ギルドの方から一人の女戦士を紹介された
レベルは7 装備は簡素なレザーアーマーとショートスピア ショートソードを腰に吊るしている
レベルを基本に見たら、一般的なレベル7装備といえる
「はじめまして、アッシュです、ゴブリン討伐よろしくお願いします。」
「メイリンです魔法使いです、よろしくです」
「リーシアで~す 神の信徒です、よろしくお願共恵いします」
「トモエ、ヒグチです、よろしくお願いします。」
一見すると女の中に男が一人でハーレムパーティに見えなくも無いが、
実の所、幼馴染二人の方が立場的に強いのか下僕とまではいかないがいいように使われてる感はある
なもんで色恋沙汰とは無縁なのだ。
ぶっちゃけてしまえば、いつもの2人よりトモエさんの方がタイプだ(笑)
そんな事よりゴブリン討伐だ。
常時討伐依頼が出てる魔物の中では中級者からも上級者からも不人気なゴブリン
下級冒険者が余裕だと思って向かうも返り討ちにあうケースも多い
俺達がやるのはそんな常時依頼のゴブリンの討伐だ
ハルヒトさんのアドバイス通りギルドで色々調べた。
中級や上級の先輩達にはゴブリンごときでって馬鹿にされたりもしたが、愚直なまでに調べた。
そんな中アドバイスをくれる先輩も多かった。
最初のうちはスリングショットでおびき出して殺ればいいんじゃないかな?って教えてくれた。
毒消しも何本か買った、ポーションも買ってきた
そういえば、あの新しいポーション屋もハルヒトさんの経営なんだよな。
いろんなところでお世話になりっぱなしだ。
よし!っと気合を入れなおし森の方に向かう。
ギルドで聞いたら森の方で数日前から発見の報告が来てるらしい。
俺達みたいなぺーぺーに譲ってくれてるのだろうか?
いや、面倒で報酬も低いからやらないだけだな。
そんなわけで、隙間産業ってノリでゴブリンを殺りに行こうってわけだ。
しばらく歩くと森が見えてくる。いつも薬草を採集してる森だ。
俺達はもう少し先の発見されたらしい地点に向かう。
歩いていても周辺の確認は忘れない。
足跡などの痕跡を見つけられれば先制攻撃しやすくなる。
「みんな止まって、ゴブリンがこっちを見てる、森の中だ」
俺がそう言うと緊張が走る!
数は?向こうに見つけられたのか・・・不意打ちは出来ないな。
森とは反対方向にジワジワと移動していく
その時ゴブリンから弓が放たれた。
俺はメイリンをかばい盾で受ける
そして一気に走りだす・・・敵の逆方向に
いきなり逃げるとは思わなかったのかゴブリン共は血相を変えて追いかけてくる。
1・2・3、はぁ3体か、少し安堵する俺
ここで急に向きを変えゴブリンに向かって駆け出す
「行くぞ!」
急に向かってきた俺達に対応が遅れたのか一気に距離が縮まり、俺の剣の間合いに入る。
・・・が、俺はゴブリンの攻撃を盾で受け止め、剣で牽制の突きを入れる
トモエさんも追いついてきて俺が盾で抑えてる奴の喉元に槍を突き刺し抜いた勢いで残りの2体を牽制する。
いきなり劣勢になった事を悟ったゴブリンは森の方に一目散に逃げ出す。
「草よ結びて動きを止めよ!スネア!」
メイリンが謎の呪文を放つと草がゴブリンの足元に絡みつきゴブリンは転倒する。
「ナイスだメイリン!」
転んだゴブリンにトドメを刺していく
具体的には足で踏みつけて首ちょんぱだ(笑)
トモエさんも同様に心臓めがけて槍を突き刺していた。
ゴブリンに採集部位なんて無いが何か持ってないか?と死体を見るもボロい弓矢と錆びた短剣だけだった
「この調子で行こう!」
そう声をかけるが、トモエさんの顔色があまり良くない
「初戦闘だったか?人型だと気分悪くなるよな」
そう言って一休みする事にした。
休憩しながら話すうちにトモエさんも落ち着いてきたようだ。
「大丈夫、行けるか?」
そう聞くと「行けるわ!」と強い意志の元に返されたのでこの辺りを探索する事にする。
茂みを踏み分けた痕やなんらかの動物を食い殺した食べかすなんかを見ると生活圏がこの辺りにあると確信できる。
木陰に隠れながら少し開けた所にゴブリンが家?ってか巣を作ろうとしている。その数5匹
ハルヒトさんのアドバイスだとここは真正面からやるべきじゃない相手
一度戻り3人にゴブリンの状況を知らせる。
不意打ちで2体殺れればいけるんだが・・・
「アッシュ、向こう側の茂みにスリング撃って注意を引けないかな?」
「そうしたら私の魔法で2匹は無力化できるよ」
「挑戦してみるか?代償は俺達の命だが」
そう言って軽く脅すが、逆にやる気になったようだ。
「じゃぁやるよ!」
そう言ってスリングを反対側の茂みに打ち込む
もう一発離れた所に打ち込む
俺とトモエさんは抜刀して手近なゴブリンに斬りかかった
俺が相手をした方は完全な不意打ちで脳天断ち割られてる
トモエさんの方も頸動脈を突いたのか首から緑の血が噴水のように噴き出している
「回れ回れ意識よ回れ コンフュ!」
2匹のゴブリンがうつろな目をしながらフラフラと歩きだす
奥の茂みを調べてたゴブリンが奇声を上げて突っ込んでくる
「わが手にあるのは至高神の後光の欠片!」
リーシアの手から強烈な光が放たれた
ゴブリンは眩しそうに目を逸らす
俺は腰溜めの姿勢から剣を突き出した!
その剣はゴブリンの胸元を貫く
トモエさんもフラフラと歩くゴブリンの急所をきっちり突き刺していく
作りかけのゴブリンの巣にはお腹が大きくなって苦しそうなゴブリンとまだ子供のゴブリンが2匹
俺は仲間を後ろに下げると情けも容赦も無く母親と子供を惨殺する。
そしてその巣に火をかける
「アッシュ、大丈夫?」
リーシアが聞いてくれるが正直気分ってか後味は悪い
こいつらが生き残ったら進化して厄介なゴブリンになるって書いてあった
先人の知恵からは学ばなきゃ、そう思って無抵抗の子供と妊婦を始末したのだ。
「俺もまだまだ非情にはなり切れないかぁ」
そう強がって呟くのが精いっぱいだった。
今日は一旦引き返すことに決めた。
精神的ダメージが大きすぎたのだ。
無駄に疲れてる。
ギルドに寄ったら受付のお姉さんに8匹の討伐を褒められた。
先輩も「このまま酒場に繰り出すぞ」って報酬をもらった俺達を酒場に連行した
酒場って言ってもギルドの隣のとこだ。さすがにミスルトウには連れて行ってはくれなかった。
「ヒヨッコが一日8匹のゴブリンを討伐だ!新たな英雄の第一歩に乾杯!」
先輩が高らかに言って宴会が始まった。
「すいませんトモエさん、付き合わせてしまって」
「いえ、私達を心配してくださっての事でしょう」
そう言ってワインに口ををつけた
その後もトモエさんと組むことが増え、ある時思い切って誘ってみる
「トモエさんさえよかったら俺達の正式なメンバーになってくれない?」
少し考えて笑顔で俺に言ってくれたんだ
「えぇ、喜んで、これからもよろしくね」
俺達が4人パーティになり正式メンバーとしてギルドに登録した。
その記念として俺が考えていたのは・・・
ミスルトウのハルヒトさんに報告する事
パーティメンバー全員で夜のミスルトウに行く事になった。
最後に行ってから結構たってる。
大盾代とかも稼ぐ必要が出て、角ウサギと薬草採集の時間が結構長かったからだが。
それでもハルさんのアドバイスのおかげで戦う事が出来た。
分散させたり魔法で足止めする事で4体同時に相手をすることは無かった。
俺達は報告とアドバイスを貰いにミスルトウに入っていった。
最初トモエは遠慮していたが、正式メンバー記念と歓迎会だよって言って押し通した。
「いらっしゃいませ~」
店員さんが案内してくれる。俺達の席はハルヒトさんの目の前、カウンター席だ
「ご無沙汰してます。大盾に変更して仲間が一人増えたので歓迎会に来ました」
「それはそれはおめでとうございます。では最初の一杯は私からのサービスさせてください」
そう言ってカクテルを作り始めた
ストリチナヤ(ウォッカ) 60ml
ライム 1/2
砂糖 3tsp
最初にライムをみじん切りにして
砂糖と一緒にロックグラスの中でつぶしてから混ぜる。
最後にウォッカとクラッシュアイスを入れる。
4人に同じカクテルを配る
「このカクテルはカイピロスカという名前で、明日への期待という意味を持つカクテルです。新たな仲間が加わり今後の活躍を期待してますという私からのメッセージを込めたカクテルですよ」
そう言ってハルヒトさんは笑った
こんな所がカッコイイんだよなぁ・・・
「ハルヒトさんに言われた通り分散させるようにしてゴブリンをコツコツ狩ってます」
ハルヒトさんはニッコリ笑って
「そうですか、決して無理をしてはいけませんよ」
とだけ言ってくれた。
つまり、今の所はこのゴブリン退治でレベル上げをしろって事だな。
「ゴブリンと戦ってる間の装備の目標ってどのあたりまでですか?」
「そうですねぇ、アッシュ君はフルプレートと鉄製のタワーシールドの購入を目指したらいかがですか?貯まる頃には使える筋力が身についてると思いますよ」
なるほど・・・メッチャ金かかるね
「ハルヒトさん私は?私は?」
「メイリンさんは魔法発動用の指輪とマジックローブでしょうかね杖を手放さなきゃいけない所でも魔法が使えるようにしておくのがいいと思いますよ」
なるほど、目から鱗的なアドバイスだな
「リーシアさんはとにかく防御力ですね、贅沢を言うならミスリルクラスの鎖帷子を着させたいですよね」
たけーよって心の底からツッコミたかった(笑)
「あの・・・はじめまして、アッシュのパーティに入れてもらったトモエ:ヒグチです」
「これは失礼いたしました、私このミスルトウの店長でハルヒト:サカナバです」
「ハルヒトさんは元Bランクの冒険者で実力的にはSランクって言われてるんだよ」
メイリンがこっそり教えてる
「もしよかったら私にも何か目標を頂けたら嬉しいのですが」
「手近な目標なら、武器と鎧かなぁ、薙刀をメインウェポンにショートスピアはサブにしてもいいと思う」
「薙刀をご存じなのですか?」
「あぁ、やっぱり、トモエさんは二ホンの関係者でしたか」
「はい、私の祖父がニホンジンって言ってました。思い半ばに足を痛めてしまい当時の勇者達と袂を分かったって言ってましたが」
「なるほど、お爺様が、では何かの縁です、これを持って鍛冶屋ガイザスに行くといいでしょう。薙刀作ってくれますよ、見積もりだけでも値段を聞けば目標になると思います」
そう言って一通の手紙をトモエさんに渡した。
「ガイザスの所で装備が整えられたらゴブリンは卒業でもいいかもしれませんね」
そう言って話を終わらせて他の仕事に戻っていった。
「このアドバイスが俺達を安全に確実に強くしてくれるんだ」
そう言ってカイピロスカをグッと飲み干す俺だった。
後日
鍛冶屋ガイザスで装備の見積もりを出してもらった。
言葉も出ないくらいの値段だったが、ゴブリンの上位種の討伐価格を聞いたら夢じゃないって事に気づいた
つまり、俺達が強くなってゴブリンを乱獲できるようになればいいって話だ!
英雄への道かぁ・・・先は遠いなぁ・・・
と言っても、毎日薬草集めや角ウサギを相手にしてる駆け出しだったので『冒険者?』だよなぁ
そんな俺達も偶然出くわしたゴブリンを討伐する事に成功して、レベルが上がったのを実感したから、次の段階に進もうとハルヒトさんの店でアドバイスをもらったんだ
そしたら装備を完全に整えるまでもう少し薬草集めと角ウサギ、貯まったらゴブリンやってもいいんじゃないか?
ただ、同時に相手をするのは3体までにしろ、できれば2体までにしといた方がいいってアドバイスを受けた。
その時の最後の装備はリーシアのメイスなんだが、ハルヒトさんの話を聞いて大盾も買う事に決めた。
その後も順調に薬草集めと角ウサギで稼いでリーシアのメイスと俺の大盾を買ったんだ。
元々俺の武器は片手剣だったから盾を構えるのに武器を替えなくても良かった。
そして言われた事その2、メンバー集めだ。
ギルドの方にレベル8前後のファイターの募集を伝えておく。
正式メンバーではなくあくまで臨時の扱いで、何回も一緒にやっていくうちに正式メンバーになってもらうかを決めようと思ってる。
毎回、1クエスト単位での契約だ。
そのクエストで得た報酬を完全に人数割りにする事を伝えておいた
そして俺達は、薬草採集をしながら角ウサギを相手に盾の練習をしていた。
3日後、ギルドの方から一人の女戦士を紹介された
レベルは7 装備は簡素なレザーアーマーとショートスピア ショートソードを腰に吊るしている
レベルを基本に見たら、一般的なレベル7装備といえる
「はじめまして、アッシュです、ゴブリン討伐よろしくお願いします。」
「メイリンです魔法使いです、よろしくです」
「リーシアで~す 神の信徒です、よろしくお願共恵いします」
「トモエ、ヒグチです、よろしくお願いします。」
一見すると女の中に男が一人でハーレムパーティに見えなくも無いが、
実の所、幼馴染二人の方が立場的に強いのか下僕とまではいかないがいいように使われてる感はある
なもんで色恋沙汰とは無縁なのだ。
ぶっちゃけてしまえば、いつもの2人よりトモエさんの方がタイプだ(笑)
そんな事よりゴブリン討伐だ。
常時討伐依頼が出てる魔物の中では中級者からも上級者からも不人気なゴブリン
下級冒険者が余裕だと思って向かうも返り討ちにあうケースも多い
俺達がやるのはそんな常時依頼のゴブリンの討伐だ
ハルヒトさんのアドバイス通りギルドで色々調べた。
中級や上級の先輩達にはゴブリンごときでって馬鹿にされたりもしたが、愚直なまでに調べた。
そんな中アドバイスをくれる先輩も多かった。
最初のうちはスリングショットでおびき出して殺ればいいんじゃないかな?って教えてくれた。
毒消しも何本か買った、ポーションも買ってきた
そういえば、あの新しいポーション屋もハルヒトさんの経営なんだよな。
いろんなところでお世話になりっぱなしだ。
よし!っと気合を入れなおし森の方に向かう。
ギルドで聞いたら森の方で数日前から発見の報告が来てるらしい。
俺達みたいなぺーぺーに譲ってくれてるのだろうか?
いや、面倒で報酬も低いからやらないだけだな。
そんなわけで、隙間産業ってノリでゴブリンを殺りに行こうってわけだ。
しばらく歩くと森が見えてくる。いつも薬草を採集してる森だ。
俺達はもう少し先の発見されたらしい地点に向かう。
歩いていても周辺の確認は忘れない。
足跡などの痕跡を見つけられれば先制攻撃しやすくなる。
「みんな止まって、ゴブリンがこっちを見てる、森の中だ」
俺がそう言うと緊張が走る!
数は?向こうに見つけられたのか・・・不意打ちは出来ないな。
森とは反対方向にジワジワと移動していく
その時ゴブリンから弓が放たれた。
俺はメイリンをかばい盾で受ける
そして一気に走りだす・・・敵の逆方向に
いきなり逃げるとは思わなかったのかゴブリン共は血相を変えて追いかけてくる。
1・2・3、はぁ3体か、少し安堵する俺
ここで急に向きを変えゴブリンに向かって駆け出す
「行くぞ!」
急に向かってきた俺達に対応が遅れたのか一気に距離が縮まり、俺の剣の間合いに入る。
・・・が、俺はゴブリンの攻撃を盾で受け止め、剣で牽制の突きを入れる
トモエさんも追いついてきて俺が盾で抑えてる奴の喉元に槍を突き刺し抜いた勢いで残りの2体を牽制する。
いきなり劣勢になった事を悟ったゴブリンは森の方に一目散に逃げ出す。
「草よ結びて動きを止めよ!スネア!」
メイリンが謎の呪文を放つと草がゴブリンの足元に絡みつきゴブリンは転倒する。
「ナイスだメイリン!」
転んだゴブリンにトドメを刺していく
具体的には足で踏みつけて首ちょんぱだ(笑)
トモエさんも同様に心臓めがけて槍を突き刺していた。
ゴブリンに採集部位なんて無いが何か持ってないか?と死体を見るもボロい弓矢と錆びた短剣だけだった
「この調子で行こう!」
そう声をかけるが、トモエさんの顔色があまり良くない
「初戦闘だったか?人型だと気分悪くなるよな」
そう言って一休みする事にした。
休憩しながら話すうちにトモエさんも落ち着いてきたようだ。
「大丈夫、行けるか?」
そう聞くと「行けるわ!」と強い意志の元に返されたのでこの辺りを探索する事にする。
茂みを踏み分けた痕やなんらかの動物を食い殺した食べかすなんかを見ると生活圏がこの辺りにあると確信できる。
木陰に隠れながら少し開けた所にゴブリンが家?ってか巣を作ろうとしている。その数5匹
ハルヒトさんのアドバイスだとここは真正面からやるべきじゃない相手
一度戻り3人にゴブリンの状況を知らせる。
不意打ちで2体殺れればいけるんだが・・・
「アッシュ、向こう側の茂みにスリング撃って注意を引けないかな?」
「そうしたら私の魔法で2匹は無力化できるよ」
「挑戦してみるか?代償は俺達の命だが」
そう言って軽く脅すが、逆にやる気になったようだ。
「じゃぁやるよ!」
そう言ってスリングを反対側の茂みに打ち込む
もう一発離れた所に打ち込む
俺とトモエさんは抜刀して手近なゴブリンに斬りかかった
俺が相手をした方は完全な不意打ちで脳天断ち割られてる
トモエさんの方も頸動脈を突いたのか首から緑の血が噴水のように噴き出している
「回れ回れ意識よ回れ コンフュ!」
2匹のゴブリンがうつろな目をしながらフラフラと歩きだす
奥の茂みを調べてたゴブリンが奇声を上げて突っ込んでくる
「わが手にあるのは至高神の後光の欠片!」
リーシアの手から強烈な光が放たれた
ゴブリンは眩しそうに目を逸らす
俺は腰溜めの姿勢から剣を突き出した!
その剣はゴブリンの胸元を貫く
トモエさんもフラフラと歩くゴブリンの急所をきっちり突き刺していく
作りかけのゴブリンの巣にはお腹が大きくなって苦しそうなゴブリンとまだ子供のゴブリンが2匹
俺は仲間を後ろに下げると情けも容赦も無く母親と子供を惨殺する。
そしてその巣に火をかける
「アッシュ、大丈夫?」
リーシアが聞いてくれるが正直気分ってか後味は悪い
こいつらが生き残ったら進化して厄介なゴブリンになるって書いてあった
先人の知恵からは学ばなきゃ、そう思って無抵抗の子供と妊婦を始末したのだ。
「俺もまだまだ非情にはなり切れないかぁ」
そう強がって呟くのが精いっぱいだった。
今日は一旦引き返すことに決めた。
精神的ダメージが大きすぎたのだ。
無駄に疲れてる。
ギルドに寄ったら受付のお姉さんに8匹の討伐を褒められた。
先輩も「このまま酒場に繰り出すぞ」って報酬をもらった俺達を酒場に連行した
酒場って言ってもギルドの隣のとこだ。さすがにミスルトウには連れて行ってはくれなかった。
「ヒヨッコが一日8匹のゴブリンを討伐だ!新たな英雄の第一歩に乾杯!」
先輩が高らかに言って宴会が始まった。
「すいませんトモエさん、付き合わせてしまって」
「いえ、私達を心配してくださっての事でしょう」
そう言ってワインに口ををつけた
その後もトモエさんと組むことが増え、ある時思い切って誘ってみる
「トモエさんさえよかったら俺達の正式なメンバーになってくれない?」
少し考えて笑顔で俺に言ってくれたんだ
「えぇ、喜んで、これからもよろしくね」
俺達が4人パーティになり正式メンバーとしてギルドに登録した。
その記念として俺が考えていたのは・・・
ミスルトウのハルヒトさんに報告する事
パーティメンバー全員で夜のミスルトウに行く事になった。
最後に行ってから結構たってる。
大盾代とかも稼ぐ必要が出て、角ウサギと薬草採集の時間が結構長かったからだが。
それでもハルさんのアドバイスのおかげで戦う事が出来た。
分散させたり魔法で足止めする事で4体同時に相手をすることは無かった。
俺達は報告とアドバイスを貰いにミスルトウに入っていった。
最初トモエは遠慮していたが、正式メンバー記念と歓迎会だよって言って押し通した。
「いらっしゃいませ~」
店員さんが案内してくれる。俺達の席はハルヒトさんの目の前、カウンター席だ
「ご無沙汰してます。大盾に変更して仲間が一人増えたので歓迎会に来ました」
「それはそれはおめでとうございます。では最初の一杯は私からのサービスさせてください」
そう言ってカクテルを作り始めた
ストリチナヤ(ウォッカ) 60ml
ライム 1/2
砂糖 3tsp
最初にライムをみじん切りにして
砂糖と一緒にロックグラスの中でつぶしてから混ぜる。
最後にウォッカとクラッシュアイスを入れる。
4人に同じカクテルを配る
「このカクテルはカイピロスカという名前で、明日への期待という意味を持つカクテルです。新たな仲間が加わり今後の活躍を期待してますという私からのメッセージを込めたカクテルですよ」
そう言ってハルヒトさんは笑った
こんな所がカッコイイんだよなぁ・・・
「ハルヒトさんに言われた通り分散させるようにしてゴブリンをコツコツ狩ってます」
ハルヒトさんはニッコリ笑って
「そうですか、決して無理をしてはいけませんよ」
とだけ言ってくれた。
つまり、今の所はこのゴブリン退治でレベル上げをしろって事だな。
「ゴブリンと戦ってる間の装備の目標ってどのあたりまでですか?」
「そうですねぇ、アッシュ君はフルプレートと鉄製のタワーシールドの購入を目指したらいかがですか?貯まる頃には使える筋力が身についてると思いますよ」
なるほど・・・メッチャ金かかるね
「ハルヒトさん私は?私は?」
「メイリンさんは魔法発動用の指輪とマジックローブでしょうかね杖を手放さなきゃいけない所でも魔法が使えるようにしておくのがいいと思いますよ」
なるほど、目から鱗的なアドバイスだな
「リーシアさんはとにかく防御力ですね、贅沢を言うならミスリルクラスの鎖帷子を着させたいですよね」
たけーよって心の底からツッコミたかった(笑)
「あの・・・はじめまして、アッシュのパーティに入れてもらったトモエ:ヒグチです」
「これは失礼いたしました、私このミスルトウの店長でハルヒト:サカナバです」
「ハルヒトさんは元Bランクの冒険者で実力的にはSランクって言われてるんだよ」
メイリンがこっそり教えてる
「もしよかったら私にも何か目標を頂けたら嬉しいのですが」
「手近な目標なら、武器と鎧かなぁ、薙刀をメインウェポンにショートスピアはサブにしてもいいと思う」
「薙刀をご存じなのですか?」
「あぁ、やっぱり、トモエさんは二ホンの関係者でしたか」
「はい、私の祖父がニホンジンって言ってました。思い半ばに足を痛めてしまい当時の勇者達と袂を分かったって言ってましたが」
「なるほど、お爺様が、では何かの縁です、これを持って鍛冶屋ガイザスに行くといいでしょう。薙刀作ってくれますよ、見積もりだけでも値段を聞けば目標になると思います」
そう言って一通の手紙をトモエさんに渡した。
「ガイザスの所で装備が整えられたらゴブリンは卒業でもいいかもしれませんね」
そう言って話を終わらせて他の仕事に戻っていった。
「このアドバイスが俺達を安全に確実に強くしてくれるんだ」
そう言ってカイピロスカをグッと飲み干す俺だった。
後日
鍛冶屋ガイザスで装備の見積もりを出してもらった。
言葉も出ないくらいの値段だったが、ゴブリンの上位種の討伐価格を聞いたら夢じゃないって事に気づいた
つまり、俺達が強くなってゴブリンを乱獲できるようになればいいって話だ!
英雄への道かぁ・・・先は遠いなぁ・・・
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これは一本のクワから始まる、食と笑い、もふもふに満ちた心温まる異世界農業ファンタジー。やがて一人の男のささやかな願いが、国さえも救う大きな奇跡を呼び起こす物語。
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