冒険者を引退してバーのマスターになりました

ぜーたまっくす

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55 打ち上げ

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そんなわけでしっとりとジャズの演奏をする俺達

盛り上がりって意味だと微妙なラインだが、じっくり聞いてる人やクラリスの売店から飲み物を買って飲みながら聞いてる人が多い

まぁ、ジャズってそんな感じだよな


最後に今日の出演者全員で壇上に上がってフルメンバーで演奏する

JAM Projectは魂籠るわ

そんな感じで今日のライブはそれなりに盛り上がって終了した。


打ち上げはコテージでやる事になってマノさん達厨房組が頑張って用意してくれてる

「ハル様!リクエストありますか?」
「マノさん、コカトリスの唐揚げヨロシク!」
「サーペントの竜田揚げ希望です!」
「ずんだ餅」

お前らはいつからハル様になったんだ

ってかイッセー、ずんだ餅って・・・確かに美味いけど

「俺は生ハムとチーズが欲しい、後はもつ煮があれば最高!」と一応俺もリクエストする

今日はフィリアンとクラリスのカクテルで行きたいなぁ

最初の一杯は生ビールで乾杯してカクテルに移行しよう、普段の飲み会ならビールから日本酒なんだが、今日はそんな気分じゃない

どんな無茶振りにも対応してくれるマノさんってお母さんポジションだよなぁ、若いけど

そうこうしてるうちに料理が並べられる。

各自希望の飲み物をセルフサービス、ビールサーバーまでドリンクバー状態になる

それでもクラリスとフィリアンはカクテルのオーダーに応えてる

さすが俺の弟子!はい、師匠の俺はソファーでだらけてますが・・・色々疲れてるんです

そこに心地よいアコギのBGM、ミッフィーはアコギが気に入ったみたいで俺のMartin カスタムを自分の物のように使ってる

気に入ったんなら提供しよう、俺用にもう一本買うか、

そんな感じでなし崩し的に始まった打ち上げだった。

「フィリアンちゃん達をアイドルデビューさせようよ!」と突然イッセーが言い出す。

「展開できるメディアが無いのにアイドルは無理だろ」ってマサノリが反論

「ミスルトウでやってればいんじゃね?」

カズキ、わかってるじゃないか!うちの秘蔵っ子をそうそう外には出せんよ

「もったいないよ~俺達がコンサートホール作るから」

「イッセー、作るのは俺なんだが、作ってくれるのか?」ってマサノリのツッコミ

「ライブハウスレベルでミスルトウでやってればいいと思うよ」って俺も言っておく

まぁ、ミスルトウレベルでも十分人気があるんだがな、ってかこれ以上余計な仕事もいらないし、人員を割けん!

特にフィリアンは俺の片腕で特SSS級の戦力だ、これ以上余計な仕事させられるか!

「そうなんだよなぁ、代わりの人材をレベリングしようか?」

「断る!フィリアンの代わりはいない!」って俺が宣言したら妙に照れてモジモジしてるフィリアン

「ならイッセーがアイドルグループでもプロデュースしたらいい」

流石マサノリ!いい提案だ。

「その手があったか!ミスルトウでライブやっていい?」

「週1ならミスルトウでもいいけど、地下で演れば?」

「その方が客が入りそうだな!」

イッセーの頭の中で理想のアイドルグループが出来上がっていく

「ハル~楽器頼んでいい?」

「地下のライブ機材含めて王金貨15枚で手を打とう」

「たけぇよ!なんだよ1億超えって」

イッセーが叫んだが、俺は冷静に

「楽器だろミキサー他PAだろ、照明だろ、マイクだろ、スピーカーだろ、アンプだろ、配線だろ、ワイヤレスのシステムもいるし金かかるなぁ~ん?」

実は1億もかからず用意はできるが、ここはボッタクっておこうと決めた俺だった。

「くっそぉ!足元みやがって!」

そのイッセーの叫びにみんなで大爆笑する

「「「まぁ、ハル様ですから」」」

みんなにそう言われるときついなぁ、まぁ事実だが

だが、そこは曲げない折れない諦めないイッセーだ財布から金を出して俺に渡してくる

「頼んだ」
「引き受けた」

そして打ち上げも続行

ゆっくりと楽しい時が流れていく。

ライブ後の打ち上げは普段の飲み会とは違った楽しさがあるよな。

「ハンティもお疲れ様」そう言ってジュースを注ぐ

「ピコピコたのしかったの~」と、満面の笑顔を見せてくれる

今日一番大変だったはずなんだが元気いっぱいだ。


「そうだ!ミスルトウのVIPにグランドピアノを入れよう!」

「ハル!それならパイプオルガンを入れよう!」これはカズキ

「ピアノは打楽器、パイプオルガンは管楽器だぞ、弾き方が全く別物だ!」とマサノリ

「両方鍵楽器だよ!」と俺がツッコむが、マサノリの極論も間違っちゃいるが原理的には正しかったりもする

ピアノは弦を叩いて音をだす楽器、パイプオルガンは風を送り込んで鳴らす楽器と鍵盤の使い方も全然意味合いが違う

「ハンティちゃんなら両右方行けるんじゃね?」

両方入れて使い分けろと?だったらキーボードでパイプオルガンの音を出せばいんじゃね?

「いや、スペースの問題が」と俺がストップをかける
「拡張するか?」

お前ら・・・簡単に拡張とか言うな

「ハルのインベントリで使いたいときに使いたい方出せばいいじゃん」

「「それだ!!」」

「あのなぁ・・・パイプオルガン代は出せよ、あれ、高いんだぞ」

「はうまっち!」

「あのなぁ、ホールの大きさが足りてないんだが空間魔法で何とかなるか?」

「そこは無理にでもなんとかしよう!最悪拡張する方向で」

「東京芸術劇場のガルニエ社のパイプオルガンの価格は、3億8千7百万円
 メンテナンス費用は、年間約1千万円だ、メンテは言い出しっぺのカズキにスキルを覚えてもらって無料になるが」

「結構するな、グランドピアノでもよくね?」

おっ久々に値段を聞いて引いたな、最初の頃のアマゾンの送料以来か?

「フッ」とマサノリが王金貨を積み上げる

「足りるだろ?」

まったくこいつら・・・どいつもこいつも・・・


とりあえずの設置はマサノリの空間拡張の魔法が実用レベルまでになったらという事で話がついてグランドピアノを設置する事に決まった。

こっちは俺が出す事になってる。イッセーからボッタクった金があるから余裕で買える!

「俺のコントラバスとミッフィーのバイオリンでクラッシックっぽいのもできるかな」

コントラバスってのはウッドベースの事ね

「新人に覚えさせるのか?またレベリングか?」

「響け! ユー〇ォニアムみたいな感じか?」

「あれは良かった、名作だよ」とイッセーが乗ってくる

「いやいや、女の子バンドを増やしてけい〇ん!を」

カズキ・・・イッセーに毒されてるぞ

「だったらハ〇ヒのGod knowsを!アラシャの腕なら余裕で弾ける!」

好き放題言ってくれるな、VIPルームで貴族相手の音楽するなら、やっぱクラッシックだろ

「30人まとめて引き受けてもいいぞ、今はカジノの仕事分しか上げてないからな」

ヤバい、無駄に火をつけた、こいつら殺る気だ・・・魔物退治を・・・

「レベリング行くならサーペントをもう2~3匹お願いできないかしら」

マノさんが素材の注文してる・・・サーペントが美味しかったらしい

「おっしゃぁ!マノさんのお願いもあるし明日からレベリングだな!」

げんなりした顔をしてる新人30人、こうなった勇者は止められない!

勇者からは逃げられない!魔王だったっけ?メタル系は勇者から逃げてるもんな

そんなどうでもいい事を考えてるうちに予定が決まっていくようだ。雇用主は俺なんだがな・・・

「カジノの仕事で不参加って事を考えたらクラッシック演るには人数が全然足りないぞ」

「楽団を作れって事か?」

「イッセーのアイドルグループを芸能事務所にしちゃってそこで楽器隊作れば?バックバンドも必要だろ?」ってアドバイス

「「「それだ!」」

その声で安心した表情になる新人

「サーペントは狩らなきゃだからレベリングは中止じゃないぞ」

期待してたのに残念だったな。めっちゃがっかりしてる新人、せっかくのリゾート地で何が悲しくてレベリングなんだか

「カズキ悪い、5人は残してくれ、その代わりトレミー、キャロット、ミーティア、ミネルバとメアリーのレベリングを頼むよ」

彼女達も楽器がやりたいって言ってたし、担当が一人しかいない楽器は負担が大きかったからそこもフォローしたい

嬉しそうな顔になる新人、だが、レベリングしたい時にできない辛さを味わう事になるぞ

「んじゃ、じゃんけんで勝ち抜け5人はレベリングお休みで」

急遽行われたじゃんけん大会で一喜一憂する彼女達だった。

「私はレベリングに連れて行って貰えるのは大歓迎なんだけどな」ってフィリアンが言ってる

「わたしもだよぉ、もっといろいろおぼえたい」ハンティも追い打ちするが、今の彼女達には届かないか

そんな話をしながら打ち上げは終了した


そして翌日

二日酔いにすらならない勇者一行は半数の10人とトレミー、キャロット、ミーティア、ミネルバとメアリーを連れてレベリングに向かった。

俺の方は、朝から来客の対応に追われてる

昨日のライブを見た人達がまたやってくれ、次はいつだって問い合わせだ。

それに混じって彼女達をいくらで売るかって話をしてくるしつこいクズもいたがこっちの権力を見せつけてお帰り願った。


今日の俺はアクレシアの案内でフィリアンとハンティを連れて シールファンデ王国の所有する小島へ

なんでも夏祭りをやってるらしい

今回はボートをサハギンに押してもらう形で移動する。前回のように泳いで引っ張られていくのはお断りだ。

モーターよりも早く進むボートにハンティは大はしゃぎ、喜んでもらえて何よりだ

そして小島に着く

そこでは思いがけない光景、そう、日本の夏祭りと見まごう光景、盆踊り会場みたいな櫓もある。

そして和太鼓、和笛、

「マジか?」
「ハル様?」

「いや、俺の故郷の夏祭りそのまんまだ、こんな所で見れるとは思わなかった・・・」

屋台もしっかり出ている

「アクレシア、この祭りは?」

「500年前の勇者さんが伝えてくれた夏祭りだよ」

500年前?チョコバナナやスーパーボールすくいの屋台は500年前には無いはず・・・

召喚そのものに時間のズレもあるのか?そうとしか考えられん

不思議な感覚に戸惑う俺だった


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