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56 夏祭り
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「ハルさま~こっちこっち~」「ちょっとまってぇ」
夏祭りときたら足りない物があんべ~よ
そう!YUKATAだ。
俺はフィリアンとハンティの浴衣を独断で選ぶ
そして当然俺のもだ
ハンティには橙色地に椿重ねの奴、フィリアンには墨色地の蒼い百合の奴
俺は真っ黒で龍の刺繍が入ってるヤ〇ザみたいな奴
帯や下駄もセットだ
俺が着替えてるとハンティが声も掛けずに入ってくる
「はるさま~いかないの~?」
「もう少し」
「いいなぁ、かっこいいよ~」
俺の浴衣を見てハンティが大声を出す。
「自分で着て着方を覚えた。ハンティとフィリアンの分もあるから着替えちゃって」
フィリアンも一緒になって説明を聞く
「わかりました、早速着替えてきますね」
「たのしみにしててね~」
俺の方は総鉄扇と巾着袋、フィリアンとハンティには普通のセンスと巾着袋を用意する
え?扇って身を守るための武器ですよね?ってなボケは放っておいて
手早く着替えた二人が入って来る
「はるさま~どうかな~?」
「おっ可愛いぞ~」といって頭を撫でる
「フィリアンも美人さんに磨きがかかったね」
「・・・ハル様も・・・かっこいいです」
なんて傍で聞いてたら照れるような恥ずかしい会話をしてたら爆弾娘が来た
「ハル~まだ準備できないの?ってみんないいなぁ」
「アクレシアも着るか?」
「いいの?」
「ダメなら最初から言わんが」
「おねが~い」
アクレシアには白地に水色の朝顔の奴だ
「フィリアン、着替え手伝ってやって」
そう言って帯に鉄扇を挟んで巾着に小銭を入れて懐に入れた
インベントリがあるじゃんって勇者辺りには言われそうだが、これが風情ってもんだ
アクレシアも含めて全員の巾着に銀貨2枚の小遣いを入れてセンスと一緒に渡す
「これでパーッと遊ぼう」
中身を確認したフィリアンが申し訳なさそうな顔で「いいんですか?」なんて聞いてくるが、
な~に、今回のライブの屋台で俺も結構儲けが出てる、クラリスなんて家が建つぞ(笑)
アクレシアから貰った宝石もあるしな・・・あれだけで王金貨数十枚は固い!この夏休みはウハウハだ
それもあったから浴衣くらいなんでもない
そんな感じでアクレシアも準備ができたので会場に向かう事に
「ハルは見違えたねメッチャカッコいいよ」
「ありがとう、アクレシアも美人だね」
全力で棒読みする
「あ~もう、ありがとね!」
って会話がツボに入ったのかフィリアンが大爆笑してる
しばらく歩いてると屋台がポツポツと見え始める
「はるさま~わたあめっていうのかってきていい?」
「渡したお小遣いの範囲なら俺に聞かずに好きに買っていいんだよ」
そう言って送り出した。
フィリアンは慣れない下駄に苦戦気味だ。よろけそうになるたびにフォローに入ってる。
俺って今ポイント高くね?
「フワフワで甘いの~」ハンティは初めてのお祭りに大興奮だ
「フィリアン、ハンティ、俺達向けの奴があるけどやっていかないか?」
「やるやる~」
「え? なんですか? 私達向けの奴って」
「射的だよ」
スキルとステータスでクリティカル率も上がってるんだ威力が貧弱でも取り放題だ
そう言うと射的の屋台に向かった
「全員20発持ちでどれだけ落とせるか競争だ!」
屋台のオヤジも一人4回分、計12回分の売り上げが出てニコニコしてる
その笑みを消してあげよう
ハンティが大きなぬいぐるみを一発で落とす
続いてフィリアンも高そうな腕輪を落とした
そして俺は、目玉景品である目録を台ごと落す
オヤジにニヤリと笑ってやる
インチキはしてない、魔法も使ってない、純粋に射撃能力が鬼高いのだ
ハンティは次から次へとぬいぐるみを落とす
フィリアンもアクセサリーを狙い撃ちしてる
俺もお菓子の大袋やライターなんかの高い系を落としていく
三人とも10発撃って今の所パーフェクトだ
「オヤジさん景品足りないよ」
青い顔をしてるオヤジだったが、出さないわけにもいかず並べていく
まぁ安めの奴ばっかりだが
「フィリアン、ハンティ、ちょっと耳貸して」
「この勝負ドローにして棚ごと落さないか?」
「それはあまりにも・・・面白そうですね」
「あはははそれ出来たら凄いよ」
「イッセーので行くぞ!」
「うん」
「いっせーの」ズドン!
「ダメか?根性あるっぽいぞ」
「もーいっかい」
「せーの」ズドン!当たった音からして何かが違う・・・
そんなことできる訳がないとオヤジが笑ってるが、棚の残りHPはざっと2割もう2回も当てればいける!
「せーの」ズドン 「せーの!」ズドン・・・
メキメキ、ガラガラガラ・・・棚からすべての景品がなだれ落ちた
もはや荒らしである
唖然とするおっちゃんが涙目で景品を渡してくる
俺はとりあえず全員分インベントリに叩き込んで、「じゃぁもう一回ずつかな?」って言ったら、もう止めてくれって出禁になった
「たのしかったね~」「素晴らしい競技でした、射撃の練習になります」
そして次の屋台に行く事にってあの姿は・・・何故あいつらがここに!?
イカ焼きを食いながらエールを飲んでるカズキの姿が・・・
凄まじい針捌きで次々と型を抜いていくイッセー、
入水角度と強度を計算しながらスーパーボールを根こそぎすくってるマサノリ
おまえらあんまし屋台のおっちゃんいじめんなよって俺が言う事でもないが。
「カズに~もきてたの~」
「おやハンティちゃんとハル、フィリアンにアクレシア姫まで両手と真ん中の足に花ってか?」
「真ん中の足ってなんだよ!」
それを聞いてフィリアンは顔を赤くする
「はるさまはあしがさんぼんあるの?」
「お前ハンティの前でシモはやめろよ」
「ワリィ」
「俺達は次行くわ」
ガズキが俺の肩に手を回す
「三人に浴衣まで着せて随分楽しそうじゃん」
「カズキはレベリング終わったのか?」
「終わったさぁ、全員即戦力で仕事も楽器もできるぜ」
そうだった、この手の仕事に限ってはこいつら鬼優秀だったんだ。
「さすがは勇者カズキ! 仕事が早い!」
とりあえずおだてて誤魔化してみる
「フッ、俺の手にかかればレベリングなんて余裕だって事さ」
「凄いなぁ、30人をここまで育てるとは」
「30人?今日連れて行った15人だけだぞ」
「それでもすげぇや明日は残りの15人?」
「あぁ、その予定だ」
「そか、手間をかけて悪いがよろしく頼むよ、んじゃまた後程な」
「・・・まてよ、こっちの話は終わってねぇ」
チッ気付きやがったか
「自分まで浴衣着て全力で楽しもうってか、フィリアンちゃんも色っぽしなぁ」
「お前だったら女なんてより取り見取り日替わりコースだろ?」
「そうじゃねーんだよ。俺が好きになった女じゃなきゃ」
「あれ?穴さえあれば誰でもいいって言ってなかったか?」
「言ってねーよ!」
「そか、それは失礼した、意外と真面目な奴だったんだな」
「俺はいつだって真面目さ」
「そか、素敵な恋人が見つかるよう心から祈っておくよ」
「あぁ、サンキュな」
「それじゃ俺達踊りに行くんで」
「ハル、刺されんなよ」
不吉な事を言ってくれる。
俺達は気を取り直して盆踊りの方に向かった。
櫓から軽快な笛の根と和太鼓の音が響く
それに合わせて踊る人々
踊りの内容を見ていると数パターンの繰り返しのようだな、
手の動き的にはちょうだいちょうだい払ってポンって感じか
動きはこうか?と言って合わせて踊ってみる
そして、まる、斜め飛行機、右シュワッチ左シュワッチ、上ポン下ポンか、なるほど覚えた
ちなみにスペシウムではなくエースのメタリウムの方だ
盆踊りも暗号化すると覚えやすいな
ハンティも俺を見て覚えたようで一緒に輪に加わる。
その後ろを動作を確認しながら着いて来るフィリアン
三人で輪に加わって踊ってた、覚えてしまえば結構楽しいんだよな
踊ってる姿は本物の親子のように見えたらしい、おばちゃん連中にも声を掛けられる
「そんなに若いご夫婦なのにこんな大きなお子さんがいらっしゃるなんて」
えぇ、養子ですから・・・ってかまだ独身なんで
でもここはあえて否定しない
これでいいんだ、予行練習にもなるだろう、そんな気持ちのまま最後まで踊ってた。
それを見ていたカズキが何やらため息をついていたのは目の錯覚だっただろうか。
そして盆踊りの方がひと段落すると舞台の方でのど自慢大会があるらしい。
まぁ、町のカラオケ大会だ。まぁ下手な人もいれば上手い人もいる。妙に演歌系が多いんだが・・・
爺ちゃん婆ちゃんもいて平均年齢高めだから仕方が無いか。
あぁ・・・空気読まずにカズキがメタルってるよ・・・
予想通り引いてる引いてる・・・やっちまった感が凄く顔に出てるぞ・・・カズキ
俺はフィリアン、ハンティと打ち合わせをする
キーボードとギター後はベースだけでフィリアンに歌わせる曲かぁ・・・
和テイストで聞かせる曲がベストだよな
というわけで即興でアレンジを相談する
「はるさま~せんぼんざくらは?」
「イイネ! 」
「ドラムが無いからベースに合わせる感じにして・・・ハンティがメインコードで合わせていけば大丈夫か?
俺が下を全部引き受ける感じになるけど合わせきれる?」
「だいじょーぶ!」
「フィリアンもOK?」
「ギターソロは私がやっちゃうんだよね」
「そんでテンポは原曲よりもゆっくりで120位でいいかな、まぁ、出だしの俺のベースに合わせて」
そんな感じで楽器持参で乱入する事に
お祭り騒ぎの真っただ中だ、こんな突発乱入は歓迎されてる。
音合わせは結構適当だったがまぁいいだろ。
俺がカウントを取って曲を始める
「1・2・3・4」
ゆっくり目のイントロから始まるアレンジのおかげで爺ちゃん婆ちゃんもついてこれる
そこに我らが歌姫フィリアンだ、あっという間に観客を掴んで引き込んでいる
盛り上がってきたところで少しずつテンポを上げてギターソロ
そしてちょっと早くなったままフィニッシュする感じで終わらせる。
ドラムが無い分優しい感じに仕上がったな。
そして巻き起こる拍手喝采!
爺ちゃんが酒を勧めてくる、米粒が浮いてる酒・・・どぶろくだね
これがまた結構美味かった
そんな感じで今日の祭りは最終局面を迎える。
花火大会をやるそうだ。
こんなのを持ち込んだ過去の勇者の話が聞きたくなった。
今度アクレシアにでも詳細を聞いてみるとしよう。
俺達は屋台で食い物や飲み物を買って、追加でお菓子はアマゾン仕様で花火が良く見える特等席に案内される。
のど自慢や盆踊りでここの人たちと交流が持てたのは大きかったな
アクレシアも合流して4人で色々摘まみながら空を眺めてる
まだ始まらないようだ。
ハンティはチョコバナナを美味しそうに食ってる。
アクレシアはソースせんべいやかっぱえびせんに夢中だ
俺とフィリアンは日本酒を飲みながら花火の始まりを待った。
しばらくしたら一発目の花火が上がる
ドーンドーンと
至近距離だと結構腹に響く
この音が心地いいんだよなぁ・・・あぁ日本の夏って感じだ、異世界だけど
こうなってくるとここが異世界だって事を忘れるな、別に帰る必要も感じない。
さて、俺もフィリアンの事を本気で意識してるし、ソーマの研究もしくは若返りの秘術の研究を始めるかな・・・
精々伸ばせて数十年か?
それなら・・・まぁ、今は花火を楽しむとしよう。
止められなくなったアクレシアはそのまま食わせておいて俺達三人は肩を寄せ合って花火を眺めているのだった。
遠くまで響く花火の音
開いては消える光の花
人間の一生も長寿の種族からしたら同じような物なのだろうか・・・
それならそれでこの人生を楽しむとしよう
願わくばこの家族と共に・・・
久しぶりの花火を見てちょっとセンチメンタルな俺だった
夏祭りときたら足りない物があんべ~よ
そう!YUKATAだ。
俺はフィリアンとハンティの浴衣を独断で選ぶ
そして当然俺のもだ
ハンティには橙色地に椿重ねの奴、フィリアンには墨色地の蒼い百合の奴
俺は真っ黒で龍の刺繍が入ってるヤ〇ザみたいな奴
帯や下駄もセットだ
俺が着替えてるとハンティが声も掛けずに入ってくる
「はるさま~いかないの~?」
「もう少し」
「いいなぁ、かっこいいよ~」
俺の浴衣を見てハンティが大声を出す。
「自分で着て着方を覚えた。ハンティとフィリアンの分もあるから着替えちゃって」
フィリアンも一緒になって説明を聞く
「わかりました、早速着替えてきますね」
「たのしみにしててね~」
俺の方は総鉄扇と巾着袋、フィリアンとハンティには普通のセンスと巾着袋を用意する
え?扇って身を守るための武器ですよね?ってなボケは放っておいて
手早く着替えた二人が入って来る
「はるさま~どうかな~?」
「おっ可愛いぞ~」といって頭を撫でる
「フィリアンも美人さんに磨きがかかったね」
「・・・ハル様も・・・かっこいいです」
なんて傍で聞いてたら照れるような恥ずかしい会話をしてたら爆弾娘が来た
「ハル~まだ準備できないの?ってみんないいなぁ」
「アクレシアも着るか?」
「いいの?」
「ダメなら最初から言わんが」
「おねが~い」
アクレシアには白地に水色の朝顔の奴だ
「フィリアン、着替え手伝ってやって」
そう言って帯に鉄扇を挟んで巾着に小銭を入れて懐に入れた
インベントリがあるじゃんって勇者辺りには言われそうだが、これが風情ってもんだ
アクレシアも含めて全員の巾着に銀貨2枚の小遣いを入れてセンスと一緒に渡す
「これでパーッと遊ぼう」
中身を確認したフィリアンが申し訳なさそうな顔で「いいんですか?」なんて聞いてくるが、
な~に、今回のライブの屋台で俺も結構儲けが出てる、クラリスなんて家が建つぞ(笑)
アクレシアから貰った宝石もあるしな・・・あれだけで王金貨数十枚は固い!この夏休みはウハウハだ
それもあったから浴衣くらいなんでもない
そんな感じでアクレシアも準備ができたので会場に向かう事に
「ハルは見違えたねメッチャカッコいいよ」
「ありがとう、アクレシアも美人だね」
全力で棒読みする
「あ~もう、ありがとね!」
って会話がツボに入ったのかフィリアンが大爆笑してる
しばらく歩いてると屋台がポツポツと見え始める
「はるさま~わたあめっていうのかってきていい?」
「渡したお小遣いの範囲なら俺に聞かずに好きに買っていいんだよ」
そう言って送り出した。
フィリアンは慣れない下駄に苦戦気味だ。よろけそうになるたびにフォローに入ってる。
俺って今ポイント高くね?
「フワフワで甘いの~」ハンティは初めてのお祭りに大興奮だ
「フィリアン、ハンティ、俺達向けの奴があるけどやっていかないか?」
「やるやる~」
「え? なんですか? 私達向けの奴って」
「射的だよ」
スキルとステータスでクリティカル率も上がってるんだ威力が貧弱でも取り放題だ
そう言うと射的の屋台に向かった
「全員20発持ちでどれだけ落とせるか競争だ!」
屋台のオヤジも一人4回分、計12回分の売り上げが出てニコニコしてる
その笑みを消してあげよう
ハンティが大きなぬいぐるみを一発で落とす
続いてフィリアンも高そうな腕輪を落とした
そして俺は、目玉景品である目録を台ごと落す
オヤジにニヤリと笑ってやる
インチキはしてない、魔法も使ってない、純粋に射撃能力が鬼高いのだ
ハンティは次から次へとぬいぐるみを落とす
フィリアンもアクセサリーを狙い撃ちしてる
俺もお菓子の大袋やライターなんかの高い系を落としていく
三人とも10発撃って今の所パーフェクトだ
「オヤジさん景品足りないよ」
青い顔をしてるオヤジだったが、出さないわけにもいかず並べていく
まぁ安めの奴ばっかりだが
「フィリアン、ハンティ、ちょっと耳貸して」
「この勝負ドローにして棚ごと落さないか?」
「それはあまりにも・・・面白そうですね」
「あはははそれ出来たら凄いよ」
「イッセーので行くぞ!」
「うん」
「いっせーの」ズドン!
「ダメか?根性あるっぽいぞ」
「もーいっかい」
「せーの」ズドン!当たった音からして何かが違う・・・
そんなことできる訳がないとオヤジが笑ってるが、棚の残りHPはざっと2割もう2回も当てればいける!
「せーの」ズドン 「せーの!」ズドン・・・
メキメキ、ガラガラガラ・・・棚からすべての景品がなだれ落ちた
もはや荒らしである
唖然とするおっちゃんが涙目で景品を渡してくる
俺はとりあえず全員分インベントリに叩き込んで、「じゃぁもう一回ずつかな?」って言ったら、もう止めてくれって出禁になった
「たのしかったね~」「素晴らしい競技でした、射撃の練習になります」
そして次の屋台に行く事にってあの姿は・・・何故あいつらがここに!?
イカ焼きを食いながらエールを飲んでるカズキの姿が・・・
凄まじい針捌きで次々と型を抜いていくイッセー、
入水角度と強度を計算しながらスーパーボールを根こそぎすくってるマサノリ
おまえらあんまし屋台のおっちゃんいじめんなよって俺が言う事でもないが。
「カズに~もきてたの~」
「おやハンティちゃんとハル、フィリアンにアクレシア姫まで両手と真ん中の足に花ってか?」
「真ん中の足ってなんだよ!」
それを聞いてフィリアンは顔を赤くする
「はるさまはあしがさんぼんあるの?」
「お前ハンティの前でシモはやめろよ」
「ワリィ」
「俺達は次行くわ」
ガズキが俺の肩に手を回す
「三人に浴衣まで着せて随分楽しそうじゃん」
「カズキはレベリング終わったのか?」
「終わったさぁ、全員即戦力で仕事も楽器もできるぜ」
そうだった、この手の仕事に限ってはこいつら鬼優秀だったんだ。
「さすがは勇者カズキ! 仕事が早い!」
とりあえずおだてて誤魔化してみる
「フッ、俺の手にかかればレベリングなんて余裕だって事さ」
「凄いなぁ、30人をここまで育てるとは」
「30人?今日連れて行った15人だけだぞ」
「それでもすげぇや明日は残りの15人?」
「あぁ、その予定だ」
「そか、手間をかけて悪いがよろしく頼むよ、んじゃまた後程な」
「・・・まてよ、こっちの話は終わってねぇ」
チッ気付きやがったか
「自分まで浴衣着て全力で楽しもうってか、フィリアンちゃんも色っぽしなぁ」
「お前だったら女なんてより取り見取り日替わりコースだろ?」
「そうじゃねーんだよ。俺が好きになった女じゃなきゃ」
「あれ?穴さえあれば誰でもいいって言ってなかったか?」
「言ってねーよ!」
「そか、それは失礼した、意外と真面目な奴だったんだな」
「俺はいつだって真面目さ」
「そか、素敵な恋人が見つかるよう心から祈っておくよ」
「あぁ、サンキュな」
「それじゃ俺達踊りに行くんで」
「ハル、刺されんなよ」
不吉な事を言ってくれる。
俺達は気を取り直して盆踊りの方に向かった。
櫓から軽快な笛の根と和太鼓の音が響く
それに合わせて踊る人々
踊りの内容を見ていると数パターンの繰り返しのようだな、
手の動き的にはちょうだいちょうだい払ってポンって感じか
動きはこうか?と言って合わせて踊ってみる
そして、まる、斜め飛行機、右シュワッチ左シュワッチ、上ポン下ポンか、なるほど覚えた
ちなみにスペシウムではなくエースのメタリウムの方だ
盆踊りも暗号化すると覚えやすいな
ハンティも俺を見て覚えたようで一緒に輪に加わる。
その後ろを動作を確認しながら着いて来るフィリアン
三人で輪に加わって踊ってた、覚えてしまえば結構楽しいんだよな
踊ってる姿は本物の親子のように見えたらしい、おばちゃん連中にも声を掛けられる
「そんなに若いご夫婦なのにこんな大きなお子さんがいらっしゃるなんて」
えぇ、養子ですから・・・ってかまだ独身なんで
でもここはあえて否定しない
これでいいんだ、予行練習にもなるだろう、そんな気持ちのまま最後まで踊ってた。
それを見ていたカズキが何やらため息をついていたのは目の錯覚だっただろうか。
そして盆踊りの方がひと段落すると舞台の方でのど自慢大会があるらしい。
まぁ、町のカラオケ大会だ。まぁ下手な人もいれば上手い人もいる。妙に演歌系が多いんだが・・・
爺ちゃん婆ちゃんもいて平均年齢高めだから仕方が無いか。
あぁ・・・空気読まずにカズキがメタルってるよ・・・
予想通り引いてる引いてる・・・やっちまった感が凄く顔に出てるぞ・・・カズキ
俺はフィリアン、ハンティと打ち合わせをする
キーボードとギター後はベースだけでフィリアンに歌わせる曲かぁ・・・
和テイストで聞かせる曲がベストだよな
というわけで即興でアレンジを相談する
「はるさま~せんぼんざくらは?」
「イイネ! 」
「ドラムが無いからベースに合わせる感じにして・・・ハンティがメインコードで合わせていけば大丈夫か?
俺が下を全部引き受ける感じになるけど合わせきれる?」
「だいじょーぶ!」
「フィリアンもOK?」
「ギターソロは私がやっちゃうんだよね」
「そんでテンポは原曲よりもゆっくりで120位でいいかな、まぁ、出だしの俺のベースに合わせて」
そんな感じで楽器持参で乱入する事に
お祭り騒ぎの真っただ中だ、こんな突発乱入は歓迎されてる。
音合わせは結構適当だったがまぁいいだろ。
俺がカウントを取って曲を始める
「1・2・3・4」
ゆっくり目のイントロから始まるアレンジのおかげで爺ちゃん婆ちゃんもついてこれる
そこに我らが歌姫フィリアンだ、あっという間に観客を掴んで引き込んでいる
盛り上がってきたところで少しずつテンポを上げてギターソロ
そしてちょっと早くなったままフィニッシュする感じで終わらせる。
ドラムが無い分優しい感じに仕上がったな。
そして巻き起こる拍手喝采!
爺ちゃんが酒を勧めてくる、米粒が浮いてる酒・・・どぶろくだね
これがまた結構美味かった
そんな感じで今日の祭りは最終局面を迎える。
花火大会をやるそうだ。
こんなのを持ち込んだ過去の勇者の話が聞きたくなった。
今度アクレシアにでも詳細を聞いてみるとしよう。
俺達は屋台で食い物や飲み物を買って、追加でお菓子はアマゾン仕様で花火が良く見える特等席に案内される。
のど自慢や盆踊りでここの人たちと交流が持てたのは大きかったな
アクレシアも合流して4人で色々摘まみながら空を眺めてる
まだ始まらないようだ。
ハンティはチョコバナナを美味しそうに食ってる。
アクレシアはソースせんべいやかっぱえびせんに夢中だ
俺とフィリアンは日本酒を飲みながら花火の始まりを待った。
しばらくしたら一発目の花火が上がる
ドーンドーンと
至近距離だと結構腹に響く
この音が心地いいんだよなぁ・・・あぁ日本の夏って感じだ、異世界だけど
こうなってくるとここが異世界だって事を忘れるな、別に帰る必要も感じない。
さて、俺もフィリアンの事を本気で意識してるし、ソーマの研究もしくは若返りの秘術の研究を始めるかな・・・
精々伸ばせて数十年か?
それなら・・・まぁ、今は花火を楽しむとしよう。
止められなくなったアクレシアはそのまま食わせておいて俺達三人は肩を寄せ合って花火を眺めているのだった。
遠くまで響く花火の音
開いては消える光の花
人間の一生も長寿の種族からしたら同じような物なのだろうか・・・
それならそれでこの人生を楽しむとしよう
願わくばこの家族と共に・・・
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